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米国(3): 現在の米国における特許政策(並びに自明性審査とその対策)

プロパテント政策の変化

米国においては、プロパテント政策(発明技術の独占的実施権を可能にする特許による権利保護を重視する政策)が、1980年代後半にレーガン大統領により導入され今世紀初頭まで維持されてきましたが、世界的な不況が深刻化するにつれ、大きな変化が見られます。

不況に加えて、プロパテント政策による弊害とも言える所謂「パテント・トロール(patent troll)」による特許権の濫用も大きな問題となっています。「パテント・トロール」とは、大学や研究機関以外のnonpracticing entity(特許発明を実施しない者)であって、第三者の特許権を譲り受け、その特許権を主張して大企業に巨額の損害賠償を要求するような組織のことです。このパテント・トロールの暗躍は、質の低い特許を乱発したことによる弊害であると言われております。

一般的には、近年の不況に伴い、プロパテントからアンチパテント(特許権より独占禁止法の遵守に重きを置く政策)へシフトしたと言われることが多いようですが、一概に、完全にアンチパテントへ傾いたと断言することは難しいようです。 近年の出来事を見ると、審査基準の厳格化や権利行使の範囲を制限する変化が目立ちますが、一方で、特許の活用を促進する方向の変化も見られます。要は、この不況を乗り切るために重要なツールの一つとして特許を有効に活用出来るように制度を整えているということであると思います。

近年の判例や2011年9月の法改正(Leahy-Smith America Invents Act)から読み取れる米国の知的財産権に関する姿勢は以下の通りです:

進歩性基準を厳格化し特許の質を向上

 - KSR Int'l Co. v. Teleflex, Inc., 550 U.S. 398 (2007) (これにより非自明性の審査が厳しくなった。)

付与後特許に対する異議申立ての機会を拡張

 - 付与後異議申立制度(Post-grant review)の導入(2011年のAmerica Invents Act)

過剰な権利行使を抑制

 - Abbott Labs v. Sandoz, 566 F.3d 1282 (Fed. Cir. 2009) (所謂"product-by-process"形式のクレームの権利範囲を、クレームで規定したprocessで得られる物に制限した。)

 - 複数の被告に対する訴訟の併合(joinder of parties)についての制限(2011年のAmerica Invents Act)(以前は、1つの特許訴訟において複数の被告を訴えることが可能であり、パテントトロールが複数の企業に対して同時に特許権侵害訴訟を提起し損害賠償金請求することが問題視されていた。この対策として、「同一の特許を侵害している」ことのみをもって複数の被告を1つの訴訟事件で訴えたり、1つの訴訟事件に併合したりすることができないこととされた(§299)。)

 - In re Seagate Technology, LLC, 497 F. 3d 1360 (Fed. Cir. 2007) (特許侵害訴訟において、3倍賠償の対象となる故意侵害の有無の立証責任を、侵害者から特許権者側に移した)

 - 故意侵害及び侵害教唆対策としての鑑定書の入手・提出の不要化(2011年のAmerica Invents Act)(上記Seagate事件における判示の一部を成文法化。鑑定書を入手しなかったことや裁判所に提示しなかったことを、故意侵害(willful infringement)の認定や、侵害教唆(inducement of infringement)の意思の認定に使用できないと規定された(§298)。2012年9月16日以降に発行された特許に対して適用。)

特許出願人又は特許権者の過失に対する罰則適用条件を緩和

 - ベストモード要件違反を特許無効の理由から除外(2011年のAmerica Invents Act)

 - Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))(不公正行為(Inequitable Conduct)の立証を困難にした)

 - 補助的審査(Supplemental Examination)制度の導入(2011年のAmerica Invents Act)(情報開示義務(IDS)違反の救済措置)

特許出願に関する門戸は狭めない

 - Bilski最高裁判決[Bilski v. Kappos, 130 S. Ct. 3218, 561 US, 177 L. Ed. 2d 792 (2010)] (CAFCの大法廷(en banc)が「machine-or-transformation testが、ビジネス方法に関する発明が特許保護の対象になるか否かについての唯一の判定手段」と判示したのを最高裁が覆した。)

KRS判決による非自明性判定基準の変化:

以前は審査が厳しいと言われている化学分野の特許出願で、かなり厳しい審査結果を予想していたにも関わらず、あっさりと特許になって拍子抜けしたようなケースも多々ありました。しかし、最近は我々も実感として、KSR判決を境に自明性(複数の先行技術文献の組み合わせに対する容易性)の審査が非常に厳しくなったと思います。正直な所、KSR判決以前は、「減縮補正を行わないと103条(自明性)で拒絶されるだろうな」と思う様な件が、拒絶を受けずにそのまま特許にということも結構ありました(しかも、審査結果が出るのが早かった)。現在は、特許庁における審査は、より時間をかけてかなり厳密に行われているという印象です。KSR判決において最高裁は以前よりも厳格な非自明性の基準が提示しましたが、判断基準が厳格になった以上に、米国特許庁審査官の自明性審査に対する姿勢が厳しくなったと感じます。

実際に、統計的にみても、米国ではKSR判決以後では拒絶査定を受け審判請求を行う件数が増え(KSR判決前の2006年では3349件→KSR判決後の2008年では6385件)且つ審判請求を行って拒絶が撤回される確率が率低下しています(KSR判決前の2006年では41%→KSR判決後の2008年では28%)。

尚、参考までに、KSR判決後約2年間において、CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)が、化学・生化学系の発明を非自明(進歩性有り)と判断したケースが約62%であったのに対して、非化学・生化学系の発明を非自明と判断したケースは約33%であったとの統計データもあるそうです(http://www.jurisdiction.com/dsmith.pdf)。このことは、KSR判決によって、化学・生化学の分野のように効果を予見することが難しい分野では非自明と判断されやすく、一方、機械などの構造物などの効果を予見しやすい分野の発明は自明と判断されやすくなったということを示していると解釈することできます。

最近、米国特許成立の確率が回復(向上)傾向にあるという情報も散見されますが、実際、数字上はそうであっても、これが淘汰(即ち、元々特許性が明らかでない出願は繰り返し拒絶を受けたために放棄されてしまった)や出願人が出願する発明を精査していることによるという可能性もあると思います。弊所の印象としては、現在でも、KSR判決直後と比較すると非自明性の判断も大分緩和されたようにも思いますが、KRS判決以前と比較すると未だ厳しいように思います。実際に弊所で扱っている案件でも、非自明性の拒絶に対してほぼ完璧な対応ができたような場合(先行技術の組み合わせに対する阻害要因の存在を明らかにし、更に実験証明で予想外の優れた効果を明らかにしたような場合)であっても、その後、審査官の理解不足による拒絶を受け、更に何度かインタビューを行って説明したり、細かい補正をすることによって漸く許可になったということもありました。要するに審査官の側に、非自明性の審査は厳格に行うべきという意識があると思います。

自明性の拒絶に対する対応

自明性の拒絶を受けた場合の典型的な対応は以下の通りです:

(a) 審査対象出願の発明や先行技術の開示内容に関する審査官の誤認を明らかにする。
(b) 先行技術の組み合わせに対する阻害要因(teach away)の存在を明らかにする。
(c) 予想外の優れた効果を明らかにする。
(d) 先行技術に教示・示唆されていない特徴をクレームに追加して、更にその特徴による予想外の優れた効果を明らかにする。

その他にも商業的な成功(所謂“secondary consideration”(二次的考慮事項)の例)などが考慮されることもありますが、これらはあくまで二次的に考慮される事項であって、一般的には上記の(a)~(d)で十分な対応が難しい場合に補足的に主張すべき事項です。やはり先ず上記(a)~(d)の観点からの反論を検討すべきでしょう。上記のKSR判決以前は、自明性の拒絶に対して「引用された2つの先行技術文献が異なる技術分野に属するものであるから組み合わせは不当」という反論で拒絶が撤回されることが屡々ありました。しかし、KRS判決以降は、異なる技術分野に属する先行技術文献であっても組み合わせることが当業者の常識の範囲内で容易であれば自明であるということになりました。従いまして、原則的には上記のような対応を考えるべきです。

上記(a)の審査官の誤解についてですが、特に米国の審査官は、技術内容の誤解に基づいて拒絶してくることが多いという印象があります。審査官の指摘を鵜呑みにせずに、自らの出願のクレームの記載や先行技術文献の開示内容を詳細に検討することが重要です。

また、その様な場合においても、ただ審査官の誤解を責めることを考えるのではなく、何故そのような誤解が生じたのかを謙虚に検討してみることが望ましい結果につながることが多いです。具体的には、審査官の誤解の理由を検討し、許容範囲内で、誤解の原因を排除し、発明をより明確に定義できる補正が可能であるならば、そのような補正を行うことが望ましいです。仮に審査官の誤解が明らかであっても、何らかの補正を行った方が、権利化がスムーズになります。

上記(b)の「阻害要因」については、一瞥してそのような阻害要因が見あたらないような場合でも、注意深く、執念深く、引用された先行技術文献を徹底検討すると、「阻害要因」として若しくは「阻害要因」とまではいえずとも先行技術の組み合わせを断ち切るために利用できる記載が見つかることも良くあります。一見自明性の拒絶が妥当に思えても、直ぐにあきらめないことが大切です。米国に限らず外国出願の多くは、現地代理人への依存度が高いと思います。しかし、現地代理人は、自分で明細書を作成したのではないということもあり、明細書や引用された先行技術文献を必要以上に詳細に検討することは通常有りません。現地代理人が半ばギブアップの状態でも、弊所で明細書や先行技術文献を徹底的に検討して有効な反論材料を見出したようなことも少なくありません。

上記(c)の「予想外の優れた効果」に関しては、米国の特許プラクティスの1つの大きな特徴として、出願明細書に記載されていない効果について、出願後に主張することが可能です。(日本や欧州においては、出願時の明細書に教示も示唆もされていなかったような効果に基づいて進歩性を主張することは原則的に許されません。)

また、米国において「予想外の優れた効果」の立証に有効なツールとして、37 C.F.R. 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)(以下、纏めて「宣誓供述書」)があります。この宣誓供述書形式で提出された証言やデータについては、審査官は、公知文献や専門家の見解書と同等の証拠として真摯に検討することが義務付けられています。この宣誓供述書は、最後に文字通り「署名者は、故意の虚偽陳述及びそれに類するものは、18 U.S.C.. 1001 に基づき罰金若しくは拘禁、又はその併科により処罰されること・・・について警告を受けており、本人自身の知識によって行う全ての陳述が真実であること・・・を宣言する」と宣誓して署名するものです。

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書の詳細については、以下をご参考下さい:
MPEP §716.01(a)MPEP§716.01(c)

また、宣誓供述書については、こちら にもより具体的な説明と、弊所で作成した宣誓供述書のサンプルを幾つか掲載しておりますので、参考までにご覧下さい。

他の国では一般的に審査段階では宣誓供述書の形式での提出は要求されません。しかし欧州の場合、審査の段階では実験証明書を宣誓供述書の形式にする必要はありませんが、異議申立手続きや審判手続きにおいては宣誓供述書の形式にすることが要求されます。

尚、自明性(進歩性欠如)の拒絶に対する対応の仕方については、こちら でも解説しておりますので、ご覧下さい。

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「後知恵」(hind-sight)による拒絶に対処しやすい明細書作成について

審査基準における「後知恵」

現在の日本の審査基準には「後知恵」の防止に関する規定は存在していません。しかし、1993年に審査基準に導入されて以来、2000年の改訂前までの審査基準には「その他の留意事項」として「後知恵」の防止規定が存在しました。2000年の改訂で削除されたその規定は以下の通りです:

「本願の明細書から得た知識を前提として事後的に分析すると、当業者が容易に想到できたように見える傾向があるので注意を要する。例えば、原因の解明に基づく発明であって、いったん原因が解明されれば解決が容易な発明の進歩性を分析するときは、原因の解明も含めて技術水準に基づいて検討する。解決手段を考えることが当業者にとって容易であるという理由だけでは進歩性を否定することができない。」)

一方、米国の審査基準(MPEP)(MANUAL OF PATENT EXAMINING PROCEDURE)では、「2142: Legal Concept of Prima Facie Obviousness [R-6]」に「However, impermissible hindsight must be avoided and the legal conclusion must be reached on the basis of the facts gleaned from the prior art.」(...許容できない後知恵は防止しなければならず、法律的結論は先行技術から収集した事実に基づいて下さなければならない)と記載され、「後知恵」の防止に関する規定が存在します。

なお、米国の審査基準では、「後知恵」を防止する観点から、prima facie obviousness(一応の自明性)が成立する要件には以下の2項目が含まれています:
(1)TSMテスト(teaching, suggestion, or motivation test)(「2143.01: Suggestion or Motivation To Modify the References [R-6]」などを参照)と
(2)reasonable expectation of success(成功するという合理的な期待)(「2143.02: Reasonable Expectation of Success Is Required [R-6]」などを参照)。

また、EPOの審査基準(Guidelines for Examination in the EPO)では、「C_IV_11.9.2: "ex post facto" analysis; surprising technical advantage」と「C_IV_11.7.3: Could-would approach」に「事後分析("ex post facto" analysis)」(後知恵)の防止に関する規定が存在します。〕

「後知恵」に関する考察

上記のような一種の「戒め」の存在からも分かる通り、国を問わず、特許庁の審査官にとって最大のタブーの一つが、いわゆる「後知恵」(hindsight)に基づく拒絶を出してしまうことです。

「後知恵」は、進歩性(非自明性)の判断において問題になることが多く、「後知恵」による進歩性欠如の拒絶の説明で、しばしば引き合いに出されるのが有名な「コロンブスの卵」です。要するに、以前には誰にも成されていなかった発明に対して、最初に発明したことの価値を無視して、後から結果が容易に見えることのみに基づいて評価してしまうのが、「後知恵」による拒絶です。

しかし、考えてみれば、審査官が審査に先立って先行技術文献をサーチする際には、当然に本発明の内容を頭に入れてそれを基準にしてサーチするわけですのですので、そこには必然的に「後知恵」のバイアスがかかります。そして、そのようにしてサーチしてきた先行技術文献に対する発明の特許性を評価する段に至っては、その「後知恵」に基づく色眼鏡を外して、サーチを行った審査官自身にとってではなく、発明がなされた当時の「当業者」にとって発明が容易であったということを、充分な根拠をもって「理論付け」することが出来るか否かを検討します。

一般人には、この「色眼鏡」を外すことが難しいのですが、特許庁の審査官は必ず「色眼鏡」を外して発明と先行技術の関係を評価することが要求されます。

そして、その「理論付け」の根拠が一応、一見して充分なものであれば、「後知恵」はないことになり、もしもその「理論付け」の根拠が全く無い若しくは明らかに不充分であれば「後知恵」による拒絶ということになります(ただし、欧米・日本・韓国などの先進国では後者の状況は通常はごく稀にしか生じません)。

しかし、実際は、「理論付け」が充分かどうか自体についての純粋に客観的な判断基準はないわけですので、多くの場合の、ある意味では、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得るとも言えます。この点に関連して、米国Albany Law Schoolの教授が、陪審を想定して一般市民400人を対象に、hingsightの影響についての調査を行ったところ、事前に本発明の知識を有していた人が、その発明を自明と判断する確率は、本発明の予備知識がなかった人の場合と比較して約2倍であり、TSMテストやGrahamテストに従って、判断させても結果はそれほど変わらなかったそうです。

また、発明の技術は出願時からの時間経過ともに陳腐化しますので、一般に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増加してゆく傾向があると考えられています。つまり、出願時には「とても意外な知見」に基づくとの印象を与える発明であっても、審査の時点、さらには裁判の時点というように、時間の経過にともない、「意外な知見」との印象はどんどん減少していき、したがって、「後知恵」による判断の生じるリスクが高まると考えられています。

このように、ある意味で、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得ると考えられ、更に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増大してゆく傾向があると考えられます。

そして、一旦、拒絶理由を受けてしまえば、如何にその理由が「後知恵」に基づくように見えたとしても、単に「後知恵」のみを主張して拒絶が撤回されることは殆ど無いと言って良く、結局は、出願人が発明の新規性・進歩性(非自明性)を明確にすることが必要になります。

要するに、如何に「後知恵」に基づくと思われる拒絶であっても、拒絶を受けてから「後知恵だ」と主張しても「後の祭り」であり、予め「後知恵」に基づく拒絶を受けないよう、明細書作成の段階で準備をしておくことが肝心であると考えます。

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書

一般的な考え方

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書とは、一言で言ってしまえば、先行技術に対する新規性・進歩性(非自明性)が明確に示されている明細書ということになります。

要するに、格別な手段が有るわけではないのですが、特に一見して先行技術との構成上の違いが小さい発明は、「後知恵」による進歩性欠如(自明性)の拒絶を受け易いので、発明の構成の困難性(先行技術同士若しくは先行技術と周知技術を組み合わせることに関する困難性)や予想外の効果などについて強調しておくとよいでしょう。

実際には、この点の対応が充分でない明細書を目にすることが良くあります。特に発明者の方は、発明が属する特定の技術分野の専門家ですから、自分では構成上の小さな改変にも困難性を伴うことを良く認識しており、それを当然のことと考えてしまい、専門外の第三者にとっては容易に見えるかもしれないという認識が無い場合が少なくありません。この様なことが原因となって、進歩性(非自明性)が明確に読み取れない明細書となってしまうのだと思います。

したがって、これは、弁理士や特許技術者の仕事の範疇とも言えますが、明細書を書く際に、発明が属する特定分野の専門知識が無い第三者にとって、発明がどのように解釈されるかを客観的にイメージすることが非常に重要です。客観的な視点からの配慮を欠いた明細書での出願は、後知恵に基づく拒絶を受けやすいと言えます。

具体的には、出願明細書において、本発明に最も近い先行技術から本発明に到達することについての困難性や予想外の効果が得られることが直感的に理解できるようなポイントを、発明の課題と解決手段の項目などで、要領よく説明しておけば、「後知恵」による拒絶を未然に防止できることがあります。また、ポイントさえ巧みに述べてあれば、拒絶を受けても、それをベースにして、意見書で大幅に詳しい説明にすることが容易になります。

特に効果の話となると、米国を除く多くの国において、出願時の明細書に教示も示唆もされていないような効果について、出願後の審査の段階で主張しても考慮されませんので、出願時に何らかの記載を含めることが重要です。

具体例と注意事項

たとえば、公知技術として、ある種のポリマーAの重合反応の特徴に着目して設計されたポリマーA製造用の重合反応装置があり、本発明は、その公知の重合反応装置を他のポリマーBの製造に適用した製造方法に関する発明である、という場合を例に取ります。

一般的には、化学分野など結果の予測が難しい分野においては、反応の原料が異なれば、適する反応方式や条件も異なるという一般的常識がありますが、審査官が、上記の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することの容易性について何ら具体的な根拠を示さずに、「本発明で成功している」という結果を念頭において、公知の重合反応装置を他のポリマーに適用することなど当たり前などという理由で拒絶をしたならば、この拒絶は「後知恵」に基づくものと言えるかも知れません。

しかし、具体的な証拠の提示は無くとも、恐らく審査官は「異なる重合反応であっても、殆どの場合に、同じ反応装置が利用できることは周知」などを指摘してくるでしょう。それに対して、単に審査官の主張は、「後知恵」に基づく不当なものだと主張しても、通常、それだけでは審査官の判断が覆ることはなく、結局は、組み合わせの困難性や予想外の効果を明らかにすることが必要になると思います。

従って、「後知恵」の拒絶を防止し、またそのような拒絶を受けても効率的に拒絶を撤回させるためには、やはり出願明細書において、発明の構成の困難性や効果の意外性などを分かり易く説明しておくということが最も有効です。

上記の例では、一見して、先行技術におけるポリマーAを、単にポリマーBに置換しただけという第一印象を受けると思います。そこで、進歩性を明らかにする為に特に有効な手段としては、例えば、以下のような点を明細書で強調しておくことが考えられます:

(1) 当業者が、ポリマーA製造用の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することを阻害する要因(いわゆる「阻害要因」または「阻害事由」)(英語では"teach away")の存在があったことを明らかにする。

(2) 上記(1)を明らかにした上で、先行技術と同じ又は類似の効果(例えば、選択率や転化率の向上など)を証明する。

(3)先行技術には教示も示唆もされていなかったような効果を証明する。(例えば、先行技術において達成された効果が選択率と転化率の向上のみである時に、本発明ではポリマーBの重合で問題視されていた有毒な副生物の生成抑制が達成されることを証明するなど。)

上記(1)の阻害要因については、例えば、上記のポリマーAの重合に関する先行技術文献において、ポリマーAの重合反応の平衡定数の低さに着目して、上記の特定の重合装置を設計し、一定範囲以上の平衡定数を示す重合反応に、この重合装置を利用すると不都合が起きるという趣旨のことが記載されていたとしましょう。そこで、ポリマーBの重合反応の平衡定数が、上記先行技術に記載されている範囲より高ければ、阻害要因があったと言うことが出来ると思います。

上記(2)については、ポリマーAに関する上記先行技術において、上記の重合装置の使用により、選択率や転化率が向上し、本発明における効果も同様であり、且つ阻害要因も無かったということであれば、本発明の効果が意外なものとは認められない可能性が有ります。勿論、例外も有るでしょうが、阻害要因もなく且つ先行技術と同じ方向性の目的の発明ということであれば、一般的には、進歩性を認めさせるのが難しい場合が多いと思います。

一方、上記(3)のように、先行技術には教示も示唆されていなかったような効果であれば、意外な効果と認められる可能性が高いと思います。ただ、やはり、上記の例のように、一見して先行技術との構成上の差が小さい時には、阻害要因の存在を明らかにできることが理想的です。

実際に「後知恵」に基づくと思われる拒絶を受けた場合の対応

拒絶理由通への回答において「後知恵」を明示的に主張することは、審査官の判断能力を否定することに等しいため、心証の観点から、よほどの証拠(たとえば、審査官の拒絶理由の論理における明示的・致命的な欠陥の存在や、明らかな「阻害要因」の存在など)でもないかぎり、あまり露骨に「後知恵」を主張しないほうがよいのではないかと考えます。

多くの場合に望ましいアプローチとしては、「後知恵」には直接言及せずに、阻害要因などの議論をする中で、審査官自身が「後知恵」的な要素の存在を自然に自覚して改めてくれるように話しをもっていくというやり方が望ましいと考えます。

但し、担当の審査官が変った場合や、審判・訴訟手続きにおいて、審査官の判断や相手の主張に対して行うのであれば、この限りではありません。むしろ、「後知恵」を強力に主張することが得策の場合もあると考えます。また、近年の知財高裁判決の進歩性判断において「後知恵」が積極的に言及されることが増えていますので、裁判での「後知恵」の議論の有効性は増す傾向にあると考えられます
(たとえば、平成18年(行ケ)第10422号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070330151919.pdf)
平成20年(行ケ)第10130号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081225160745.pdf)
平成20年(行ケ)第10096号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090129104737.pdf)を参照。)

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特許  米国  出願  クレーム  発明  日本  新規性  記載  必要  EPO  進歩性  明細書  韓国  上記  以下  審査  効果  拒絶  or  be  先行技術  判断  可能  弊所  請求項  英語  例外  手続  出願人  比較  利用  審査官  主張  開示  適用  作成  要求  対象  方法  an  範囲  対応  説明  可能性  請求  要件  出来  検討  特許庁  選択  本発明  規定  同様  通常  考慮  理由  具体的  存在  出願時  問題  特徴  claim  明確  実際  拒絶理由  使用  阻害要因  後知恵  特定  発明者  公知  先行技術文献  EP  文献  Examination  at  意見書  技術  第三者  最初  容易  特許性  引用  art  当業者  非常  意味  基準  invention  事件  注意  重要  10  調査  十分  any  証拠  以前  内容  理解  審査基準  一般的  prior  非自明性  有効  search  出願明細書  結果  office  判決  観点  導入  30  MPEP  状況  近年  製造  詳細  根拠  examination  図面  関連  否定  向上  been  www  ガイドライン  課題  決定  参照  増加  影響  出願後  II  目的  以上  削除  分野  平成  技術分野  into  参考  サーチ  自明性  条件  判断基準  訴訟  要素  証明  自明  post  手段  we  pdf  under  当然  合理的  達成  指摘  made  議論  事項  アプローチ  III  提示  充分  知財  構成  時間  項目  all  解決  傾向  評価  類似  must  勿論  示唆  困難  information  process  was  段階  専門家  趣旨  based  明示的  製造方法  19  go  審判  applicant  回答  obviousness  step  最高裁  タイ  具体例  20  ポリマー  原因  確率  would  so  結局  欠如  印象  ex  知識  弁理士  有効性  時点  time  認識  認定  reasonable  原料  re  ライン  成立  disclosure  each  end  However  直接  自分  legal  15  置換  一般  教示  リスク  before  予想外  担当  法律  装置  公知技術  前提  uspto  意見  能力  form  到達  困難性  htm  抑制  関係  想到  経過  注意事項  成功  撤回  claimed  skill  防止  最高裁判決  周知  subject  Law  whole  一応  要因  解決手段  最大  予測  Ex  進歩性欠如  許容  期待  有名  ii  欧米  当該  審決取消請求事件  person  テスト  differences  00  permissible  PATENT  客観的  解釈  test  known  conduct  取消  very  念頭  プロ  分析  刊行物  inoue  ep  化学分野  化学  引用発明  効率的  22  考察  予想  事前  School  一見  Reference  make  matter  approach  side  周知技術  明示  upon  ordinary  reason  準備  13  who  格別  nature  減少  teach  結論  仕事  自体  difference  全体  積極的  進歩性判断  Graham  事由  相手  明細書作成  basis  方向  一種  away  動機  her  進歩  per  html  必然的  am  段落  sea  大幅  ポイント  バイ  whether  一定  back  ベース  解説  term  想定  阻害事由  非自明  his  gov  重合反応  重合反応装置  expectation  iii  often  order  事実  References  純粋  success  論理  問題視  以来  価値  二次的考慮事項  web  容易性  効率  反応  prima  欠陥  直前  阻害  100  ratio  Legal  製造用  obvious  VII  mpep  裁判  act  設計  特許技術者  lines  確定  理論付  意外  留意  意外性  facie  facto  後者  due  技術水準  直感的  自然  analysis  再度  色眼鏡  courts  箇所  先進国  exam  不充分  18  Guidelines  重合装置  How  視点  解明  Success  言及  able  actual  転化率  Obviousness  選択率  訴訟手続  イメージ  view  構成上  専門知識  sight  審決  収集  対処  up  own  未然  now  motivation  平衡定数  teaching  常識  hanrei  無視  then  hind  心証  強調  当時  配慮  改変  教授  都合  重合  如何  文脈  新規  強力  性質  専門外  排除  審査官自身  2000  101  二次的  知見  予備知識  事後  着目  不当  立場  先行  理想的  特許請求  時間経過  明細  一旦  上記先行技術  経時的  バイアス  自身  oa  Re  offices  acts  TSM  ml  Prima  red  fr  hindsight  evaluate  ed  fact  invent  avoided  conclusion  inform  suggestion  Facie  Could  way 

Schedule of Charges

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at  www  pdf  test  inoue  set  late  assets  sets 

米国での審査における実施可能性、新規性、非自明性の判断基準について

米国での審査通知への回答書において米国代理人が米国審査基準(MPEP)に参照して実施可能性・新規性・非自明性の法律的基準について述べた説明で、原則的な部分を理解する上で参考になるものがありましたので、多少補足を加えた上で、以下に紹介します。参考までに、英語と日本語訳文の両方を併記します。

Legal Standard for Enablement(実施可能性の法律的基準について)

The Federal Circuit has repeatedly held that "the specification must teach those skilled in the art how to make and use the full scope of the claimed invention without 'undue experimentation'." In re Wright, 999 F.2d 1557, 1561, 27 USPQ2d 1510, 1513 (Fed. Cir. 1993).(連邦巡回裁判所はたびたび、以下の趣旨の判断を示してきた:「明細書は、当業者が『過度な実験』を行なうことなく本発明の全範囲を実現して使用するための方法を教示しなければならない」)

Nevertheless, not everything necessary to practice the invention need be disclosed. In fact, what is well-known is best omitted. In re Buchner, 929 F.2d 660, 661, 18 USPQ2d 1331, 1332 (Fed. Cir. 1991).(しかし、発明の実施に必要な全てを開示する必要はない。実際、周知のものは省略しても構わない。)

All that is necessary is that one skilled in the art be able to practice the claimed invention, given the level of knowledge and skill in the art. Further the scope of enablement must only bear a "reasonable correlation" to the scope of the claims. See, e.g., In re Fisher, 427 F.2d 833, 839, 166 USPQ 18, 24 (CCPA 1970).(必要なことは、当業界の知識と技術の水準に鑑みて、クレームされた発明を当業者が実施できるように記載されていることだけである。)

As concerns the breadth of a claim relevant to enablement, the only relevant concern should be whether the scope of enablement provided to one skilled in the art by the disclosure is commensurate with the scope of protection sought by the claims. In re Moore, 439 F.2d 1232, 1236, 169 USPQ 236, 239 (CCPA 1971).(実施可能性との関連におけるクレームの広さについては、明細書の開示により当業者に提供された実施可能性と、クレームが要求する保護の範囲とが一致していさえすればよい。) How a teaching is set forth, by specific example or broad terminology, is not important. In re Marzocchi, 439 F.2d 220, 223-24 169 USPQ 367, 370 (CCPA 1971).(教示の記載の仕方については、どのように記載されていても構わず、具体的実施態様による記載でもよいし、広い用語による記載でもよい。)

Legal Standard for Determining Anticipation(新規性判断の法律的基準について)

"A claim is anticipated only if each and every element as set forth in the claim is found, either expressly or inherently described, in a single prior art reference." Verdegaal Bros. v. Union Oil Co. of California, 814 F.2d 628, 631, 2 USPQ2d 1051, 1053 (Fed. Cir. 1987).(クレームに記載される全ての要素が明示的または潜在的に単一の先行技術文献に記載されている場合にのみ、クレームの新規性が欠如する。)

"When a claim covers several structures or compositions, either generically or as alternatives, the claim is deemed anticipated if any of the structures or compositions within the scope of the claim is known in the prior art." Brown v. 3M, 265 F.3d 1349, 1351, 60 USPQ2d 1375, 1376 (Fed. Cir. 2001) (クレームが複数の構造や組成物を含む場合には、複数の構造または複数の組成物のいずれか1でも先行技術文献に記載されているならば、クレームの新規性が欠如する。)

"The identical invention must be shown in as complete detail as is contained in the ... claim." Richardson v. Suzuki Motor Co., 868 F.2d 1226, 1236, 9 USPQ2d 1913, 1920 (Fed. Cir. 1989).(クレームされるものと詳細まで完全に一致する発明が示されていることが必要である)

The elements must be arranged as required by the claim, but this is not an ipsissimis verbis test, i.e., identity of terminology is not required. In re Bond, 910 F.2d 831, 15 USPQ2d 1566 (Fed. Cir. 1990).(クレームが要求する通りに要素が配置されていることが必要であるが、用語が同一である必要はない。)

Legal Standard for Prima Facie Obviousness (一応の自明性の判断の法律的基準について)

MPEP § 2141 sets forth the guidelines in determining obviousness. First, the Examiner has to take into account the factual inquiries set forth in Graham v. John Deere Co., 383 U.S. 1, 17, 148 USPQ 459 (1966), which has provided the controlling framework for an obviousness analysis.(MPEP § 2141には、自明性を判断するガイドラインが示されている。審査官は、まず、グラハム事件で採用された事実認定基準(いわゆる、Grahamテスト)を考慮しなければならない。) The four Graham factors are(4つのGrahamテストは以下の通りである):

(a) determining the scope and contents of the prior art(先行技術の範囲と内容を決定すること);

(b) ascertaining the differences between the prior art and the claims in issue(先行技術と当該クレームとの差を明確にすること);

(c) resolving the level of ordinary skill in the pertinent art(当業者の技術水準を確定すること); and

(d) evaluating any evidence of secondary considerations(二次的考慮事項の証拠を評価すること). Graham v. John Deere Co., 383 U.S. 1, 17, 148 USPQ 459, 467 (1966).

Second, the Examiner has to provide some rationale for determining obviousness.(次に審査官は、自明性を支持するための何らかの論理付けを提示することが必要である。) MPEP § 2143 sets forth some rationales that were established in the recent decision of KSR International Co. v Teleflex Inc., 82 USPQ2d 1385 (U.S. 2007)(MPEP § 2143には、KSR事件で確立された論理付けが示されている。). Exemplary rationales that may support a conclusion of obviousness include(自明性を支持するための典型的な論理付けは以下の通りである。):

(a) combining prior art elements according to known methods to yield predictable results(先行技術の要素を公知の方法で組み合わせて予想可能な結果を得ること);

(b) simple substitution of one known element for another to obtain predictable results(ある公知の要素を他の要素で単純に置換して予想可能な結果を得ること);

(c) use of known technique to improve similar devices (methods, or products) in the same way(公知技術を用いて類似の装置(方法や製品)を同様に改善すること);

(d) applying a known technique to a known device (method, or product) ready for improvement to yield predictable results(改善可能な状態にある公知の装置(方法や製品)に公知技術を適用して予想可能な結果を得ること);

(e) "obvious to try" - choosing from a finite number of identified, predictable solutions, with a reasonable expectation of success(「試みることが自明」-成功するという合理的な期待を持って、特定された予測可能な有限個の解決方法から選択すること);

(f) known work in one field of endeavor may prompt variations of it for use in either the same field or a different one based on design incentives or other market forces if the variations are predictable to one of ordinary skill in the art(ある技術分野において公知のものは、設計上の動機やその他の市場の力に基づいて、同じ技術分野や異なる技術分野で使用するためのバリエーションが当業者によって予測可能であれば、そのようなバリエーションを促すかもしれない。); and

(g) some teaching, suggestion, or motivation in the prior art that would have led one of ordinary skill to modify the prior art reference or to combine prior art reference teachings to arrive at the claimed invention.(先行技術文献を改変したり先行技術文献の教示を組み合わせてクレームされた発明に到達するように当業者を導いたであろう、先行技術における教示、示唆または動機。)

As the MPEP directs, all claim limitations must be considered in view of the cited prior art in order to establish a prima facie case of obviousness. See MPEP § 2143.03.(MPEPが示すように、一応の自明性を確立するためには、引用例に鑑みてクレームの全ての限定事項を考慮する必要がある。)

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米国  クレーム  発明  日本  新規性  記載  必要  明細書  以下  審査  or  be  先行技術  判断  可能  英語  審査官  開示  適用  要求  方法  an  範囲  説明  可能性  not  選択  本発明  with  同様  design  考慮  具体的  日本語  claim  明確  実際  使用  審査通知  同一  特定  公知  先行技術文献  EP  文献  at  技術  one  引用  art  当業者  基準  rce  採用  invention  事件  実験  実施  claims  any  証拠  提供  内容  理解  has  審査基準  prior  非自明性  結果  MPEP  通知  詳細  複数  関連  entity  only  ガイドライン  case  within  solution  決定  参照  代理人  Inter  分野  限定  use  技術分野  other  into  参考  issue  自明性  may  要素  自明  we  should  method  specification  合理的  between  Fed  原則的  事項  results  提示  all  but  right  解決  評価  組成物  類似  must  necessary  same  示唆  用語  趣旨  based  明示的  保護  部分  回答  KSR  obviousness  態様  would  so  欠如  ex  Cir  両方  知識  consideration  practice  製品  required  scope  認定  reasonable  状態  回答書  re  新規性判断  similar  ライン  disclosure  each  end  without  Q2  2d  single  置換  national  教示  完全  Further  identified  法律  装置  公知技術  到達  International  成功  claimed  米国代理人  out  shown  skill  need  周知  一応  example  予測  Ex  USPQ2d  Examiner  期待  skilled  secondary  引用例  either  provide  典型的  当該  テスト  differences  provided  test  裁判所  were  known  very  潜在的  補足  given  some  ep  those  確立  予想  protection  仕方  obtain  structure  make  side  明示  set  ordinary  reason  knowledge  well  include  実施可能  reference  原則  teach  cited  another  difference  device  実施可能性  determining  different  limit  Graham  decision  important  3d  USPQ  動機  her  found  per  elements  element  am  work  whether  apply  technique  product  predictable  実現  支持  term  evidence  enablement  非自明  his  forth  rolling  result  expectation  全範囲  order  事実  紹介  訳文  success  described  disclosed  論理  cover  代理  一致  二次的考慮事項  vice  what  単一  単純  prima  products  contained  composition  require  法律的基準  ratio  改善  Legal  deemed  obvious  number  methods  裁判  act  Second  設計  closed  omitted  less  構造  lines  確定  CCPA  specific  she  facie  facto  field  every  four  due  how  First  技術水準  analysis  devices  予想可能  combine  correlation  組成  certain  exam  established  Federal  How  配置  able  actual  Standard  Obviousness  論理付  view  verbis  variations  show  up  ipsissimis  own  日本語訳  over  多少  now  motivation  support  市場  teaching  take  改変  新規  過度  二次的  予測可能  省略  先行  明細  解決方法  設計上  業界  バリエーション  See  oa  Wright  limitations  account  according  Teleflex  mm  Prima  range  read  rationales  John  relevant  relation  recent  red  framework  fr  full  force  considered  content  hard  considerations  contents  establish  evaluating  everything  ed  experimentation  fact  ip  invent  broad  anticipated  arranged  conclusion  compositions  inherently  All  suggestion  try  Facie  terminology  undue  An  simple  yield  Circuit  sets  several  structures  Deere  way 

《拒絶理由通知、特許査定》

拒絶理由通知(和英)

原文:

 

拒絶理由通知書

特許出願の番号      特願2009-XXXXXX

起案日          平成21年XX月XX日

特許庁審査官       XX XX        3409 2J00

特許出願人代理人     XX XX 様

適用条文         第29条第2項

 

 この出願は、次の理由によって拒絶をすべきものです。これについて意見がありましたら、この通知書の発送の日から60日以内に意見書を提出してください。

理 由

 

 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等は引用文献等一覧参照)

 ・請求項6 に対して 引用文献1,2

  請求項6には、「請求項1の方法を実施するために用いるシステムであって」と記載されているが、この記載は、システムの構成を限定するものではない。

 引用文献1には、被検査体の内部を減圧し、超音波を用いて被検査体の内圧を測定し、漏洩孔の有無を検査する装置が開示されている。

 そして、引用文献2には、圧力を超音波の位相差に基づいて測定する構成が開示されており、また、どのような手法により圧力を測定するかは、当業者が適宜選択すべき事項である。

 してみれば、引用文献1に記載の発明において、引用文献2に記載の圧力測定を採用することで、本願請求項6に係る発明とすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。

 よって、引用文献1,2に記載の発明に基いて、本願請求項6に係る発明とすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。


<拒絶の理由を発見しない請求項>

 請求項1-5に係る発明については、現時点では、拒絶の理由を発見しない。

拒絶の理由が新たに発見された場合には拒絶の理由が通知される。

引 用 文 献 等 一 覧

1.特開2004-XXXXX号公報

2.特開2002-XXXXXX号公報

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先行技術文献調査結果の記録

・調査した分野  IPC G01M3/00-3/40

             G01L11/00-11/06

・先行技術文献 

  特開2006-XXXXX号公報

  特開昭60-XXXXXX号公報

 この先行技術文献調査結果の記録は、拒絶理由を構成するものではない。

 この拒絶理由通知の内容に関するお問い合わせ、または面接のご希望がございましたら下記までご連絡下さい。

特許審査第1部 材料分析  XXXX

TEL.03(XXXX)XXXX 内線XXXX

 

英訳文:

Notification of Reasons for Refusal

Patent Application No.:    2009-XXXXXX

Drafting Date:   XXXXXX, 2009

Examiner:   XXXXXXX         3409 2J00

Agent for Applicant:  XXXXX XXXXXXX

Articles of the Patent Law applied to: Article 29, item 2

     The present application should be rejected for the following reasons.  A response to this notification, if any, should be filed within 60 days from the date of mailing of this notification. 

REASONS

     The invention of the below-mentioned claim of the present application could be easily made by those having ordinary skill in the art, based on either an invention described in the below-mentioned publications which were distributed prior to the filing date of the present application in Japan or in a foreign country or an invention which became available to the public through electric telecommunication lines prior to the filing date of the present application.  Therefore, the invention of the below-mentioned claim of the present application should not be patented under Article 29, item 2 of the Patent Law.

NOTE (References cited herein are listed below)

• Claim 6  -  to be rejected over References 1 and 2

     Claim 6 has a description reading: “a system for practicing the method of claim 1”.  However, this description does not limit the construction of the system.

     Reference 1 discloses an apparatus for performing a method comprising decompressing the inside of a test subject and measuring the internal pressure of the test subject by using an ultrasonic wave, to thereby determine the presence or absence of a leak hole.

     Reference 2 discloses a construction for measuring a pressure, based on a phase difference of ultrasonic waves.  Those having ordinary skill in the art may appropriately choose how to measure a pressure.

     Thus, it would be easy for those having ordinary skill in the art to use the pressure measurement technique of Reference 2 in the invention of Reference 1, to thereby make the invention of claim 6 of the present application.

     Therefore, based on the inventions of References 1 and 2, the invention of claim 6 of the present application would have been easily conceived by those having ordinary skill in the art.


     At present, there has been found no reason to reject claims 1 to 5.

     A further office action will be issued when there is found any reason to reject claims 1 to 5.

List of references cited

1.   Unexamined Japanese Patent Application Laid-Open Specification No. 2004-XXXXX

2.   Unexamined Japanese Patent Application Laid-Open Specification No. 2002-XXXXXX

--------------------------------------------------------------

Record of the results of the prior art search

• Field searched   IPC  G01M3/00-3/40

                           G01L11/00-11/06

• Prior art documents  

     Unexamined Japanese Patent Application Laid-Open Specification No. 2006-XXXXX

     Unexamined Japanese Patent Application Laid-Open Specification No. Sho 60-XXXXXX

      The above record of the prior art search does not constitute the reasons for rejection.

      If there is any question about the content of this notification of reasons for rejection or if an interview is desired, please contact the following person.

Examination Division 1, Materials Analysis, XXXXX XXXXX

TEL 03(XXXX)XXXX  Extension XXXX

 

特許査定(和英)

原文:

特許査定

特許出願の番号      特願2007-XXXXXX

起案日          平成20年 X月XX日

特許庁審査官       XX XX        9130 2B00

発明の名称        XXXXシステム

請求項の数         13

特許出願人        XXXX株式会社

 

 この出願については、拒絶の理由を発見しないから、特許査定をします。

 

部長/代理  審査長/代理 審査官    審査官補    分類確定官 XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX     

1.出願種別        通常

2.参考文献        有

3.特許法第30条適用   無

4.発明の名称の変更    無

5.国際特許分類(IPC)

          A01G 31/00   606,
          A01G 27/00   502K,
          A01G 27/00   502L=
          A01G 13/00   302Z  

6.菌寄託

7.出願日の遡及を認めない旨の表示

参考情報

特許出願の番号      特願2007-XXXXXX 

1.調査した分野(IPC,DB名) 

 A01G  31/00
 A01G  27/00
 A01G  13/00     

2.参考特許文献

 特開2003-XXXXXX             (JP,A)
 特開2006-XXXXXX             (JP,A)    

3.参考図書雑誌

英訳文:

DECISION TO GRANT A PATENT

Patent Application No.: 2007-XXXXX

Drafting Date:          XXXXXX, 2008

Examiner:               XXXXXX XXXXXX, 9130 2B00

Title of the Invention: XXXXX system

Number of Claims:       13

Applicant:              XXXXX

 

No reason for rejection is found concerning the present application and, hence, a patent is granted.

 

(Acting) Division Manager   (Acting) Examiner-in-chief   Examiner   Assistant Examiner   Classification-finalizing officer  
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX     

1.   Type of application                      General

2.   References                               Yes

3.   Application of Art. 30 of the Patent Law       No

4.   Change of Title of the Invention               No

5.   International Patent Classification (IPC)
                 A01G 31/00 606,
                 A01G 27/00 502K,
                 A01G 27/00 502L=
                 A01G 13/00 302Z 

6.   Depository of microorganisms

7.   Indication that the retroaction of the filing date is not permitted

Reference information

Patent Application No. 2007-XXXXXX

1.   Searched Field (IPC, DB name)
     A01G  31/00
     A01G  27/00
     A01G  13/00

2.   Reference patent document
     JP 2003-XXXXXX        (JP,A)
     JP 2006-XXXXXX        (JP,A)

3.   Reference literature/journal

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欧州(6.1): 補正の制限 EPC123条

EPC規則123条:補正のサポート

欧州特許出願について特に注意が必要な点として、補正についての制約が非常に厳しいことが挙げられます。即ち、欧州出願を補正する場合、補正の根拠が、出願明細書に、直接的かつ明示的に(directly and unambiguously)示されていることが要求されます。米国や日本で認められた補正が、欧州では認められないということがありますので注意が必要です。

もし、特許性若しくは実施の観点から重要な態様が存在するならば、単にそのような態様が含まれる様に記載するだけでなく、そのような態様が、出願明細書から、直接的かつ明示的に(directly and unambiguously)読み取れるように記載しておくことが重要です。一番確実なのは、実施例の様に、その態様をphotographic(写実的に)記載しておくことでしょう。

欧州における補正の許容条件について、以下に簡単に説明します。

殆どの場合、請求項に記載された発明は、複数の異なる要素によって定義されています。例えば、異なる成分や部品、そしてそれ等の量、物性、形態、配置などの要素です。日本や米国などにおいては、上記のような複数の異なる要素のそれぞれについて、明細書中に独立した記載があれば、それに基づく補正が許されることが多いのですが、欧州の場合、それぞれの要素について、明細書に独立して記載されていたということだけでは足りず、補正後の各要素の相互関係までもが明細書に示されていることが要求されます。

例えば、成分Aと成分Bとからなる組成物に関するクレームを想定します。そして、補正により、成分Aを明細書に明記された特性αを有する成分A'に限定し、成分Bを明細書に明記された特性βを有する成分B'に限定するとします。この場合、成分Aから成分A'への補正、及び成分Bから成分B'への補正については、それぞれ明細書に明確な根拠がありますが、欧州においては、更に成分A'と成分B'とを組み合わせて使用することまで明示されていないと補正が認められない恐れがあります。例えば、成分A'と成分B'とを組み合わせることが好ましいと明細書に明記されていたり、実施例において成分A'と成分B'との組成物を製造していたりすれば補正は認められるでしょう。

上記の例に関連して、更なる具体例として、例えば、明細書に成分Aの量に関して『好ましい量』と『更に好ましい量』が記載されており、また成分Bについても『好ましい量』と『更に好ましい量』が記載されいたところ、これらの記載に基づいて、クレームに成分Aの『好ましい量』と成分Bの『更に好ましい量』を導入する補正を行うとします。このような場合も、成分Aの『好ましい量』と成分Bの『更に好ましい量』とを組み合わせることが明細書に明確に示唆されていないと、補正が認められない恐れが有ります。

また、上記は発明の構成要素を具体化する補正の例ですが、新たな構成要素を加える補正や、構成要素を削除したりするような場合も同様に補正後の態様が明細書に直接的かつ明示的に(directly and unambiguously)示されていることが必要です。

以下に幾つか参考になる審決例を挙げます。

T1067/97: リソグラフ印刷板製造用のPS版(presensitized plate)を現像処理する方法をクレームする特許についての特許取消し異議決定に対する審判事件。


使用する現像液について、明細書中に「SiO2/M2Oモル比が1.0~1.5、及びSiO2の濃度が1~4重量%」と記載が有ったところ、これに基づきモル比に関する「SiO2/M2Oモル比が1.0~1.5」の箇所のみをクレームに導入する補正が行われたが、EPO審判部に認められなかった。その理由は、濃度の規定から独立してモル比を上記の範囲と出来るということが明細書に示唆されていないため、この補正は出願時の明細書の開示範囲を超えているということであった。

http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/pdf/t971067eu1.pdf

T1511/07: アルカリ性カルシウム源、クエン酸及び乳酸からなる複合体に関する発明を請求した出願についての拒絶査定不服審判事件。


補正により、クレーム1(Main Request(主請求))に、クエン酸:乳酸 重量比 「1:2~2:1」及び(クエン酸+乳酸):アルカリ性カルシウム源 重量比 「1:1~5:1」という限定が導入された。

出願時明細書には、クエン酸:乳酸 重量比について「0.5:4~4:0.5、好ましくは0.75:2.5~2.5:0.75、特に好ましくは1:2~2:1」と記載があり、(クエン酸+乳酸):アルカリ性カルシウム源 重量比について「1:1~10~1、好ましくは2:1~7.5:1、特に好ましくは2.5:1~5:1」と記載があった。

上記補正に関して、EPO審判部は、(クエン酸+乳酸):アルカリ性カルシウム源 重量比の異なる範囲(即ち、上記の「1:1~10~1」と「特に好ましくは2.5:1~5:1」)の下限と上限を組み合わせることについては問題無い(not contestable under Article 123(2) EPC )が、クエン酸:乳酸 重量比「1:2~2:1」と(クエン酸+乳酸):アルカリ性カルシウム源 重量比「1:1~5:1」を組み合わせることについては、出願時の明細書に明確に示されていないため許容できないと認定した。

尚、Auxiliary Request(副請求)のクレーム1においては、クエン酸:乳酸 重量比と(クエン酸+乳酸):アルカリ性カルシウム源 重量比のそれぞれについて、明細書に記載されている「特に好まし」い範囲に限定されていたが、この「特に好まし」い範囲同士の組み合わせであれば、明細書に明確に支持されていると判断された。

http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/pdf/t071511eu1.pdf

T181/08: 腸溶性コーティング層でコーティングされたコア物質ユニットなどを含む経口固形医薬に関する特許についての特許維持異議決定に対する審判事件。


該コーティング層に関して、明細書中に、この層に含まれる可塑剤の量が「通常、腸溶性コーティング層ポリマーの15~50重量%、好ましくは20~50重量%」、そしてこの層の厚みが「少なくとも約10μm、好ましくは20μm以上」と記載があったところ、可塑剤の「通常」の量である「15~50重量%」と厚みの「好まし」い範囲である「20μm以上」とをクレームに導入する補正が行われたが、EPO審判部に認められなかった。その理由は、出願時の明細書に、これら2つの特定のパラメータ範囲の組み合わせに関する直接的且つ明確な開示がなかったからということであった。

http://www.epo.org/law-practice/case-law-appeals/pdf/t080181eu1.pdf

また、欧州では、根拠が図面にしかないような補正は認められない傾向があります。

 

欧州特許(出願)を補正する際の注意事項

上記のような欧州の厳しい基準に照らして認められる可能性が少ない補正であっても、「認められるかどうか分からないが、取り敢えず補正書を提出してみよう」と考えてしまいがちですが、それは少々危険です。補正に伴うリスクの具体例を以下に挙げます。

1.審査段階で行った減縮補正が、特許後に違法と判断されるリスク

審査段階でクレームを減縮補正して特許を認められ、その後、異議申立を受けて補正が上記したような欧州の基準に違反していると認定された場合、審査段階で行った減縮補正をキャンセルすることは、特許されたクレームの範囲を拡張することになり認められません。従って、この場合、特許取消しということになってしまいます。

- 次項の「欧州(7): 異議申立手続き」で述べますように、「新規事項の導入」は123(2) EPCに違反し、異議申立理由に含まれています[100(c) EPC(指定国でのnational revocationの場合は138(c) EPC)]。

- そして、欧州特許許可後にはクレーム範囲を拡張する補正は認められないことは、123(3) EPCに規定されています。

また、上に例示した判例におけるようなクレームの構成要素を減縮する補正のみならず、クレームの導入部分と特徴部分のつなぎに使用される“comprising” (~を含む)、“consisting essentially of”(本質的に~から成る)、“consisting of” (~のみから成る)といった表現を補正する際にも注意が必要です。

“comprising”はクレームに記載されている以外の要素を含んでいても良いということを意味し、この表現を用いたクレームを開放クレーム(open claim)と称します。対照的に、“consisting of”は、クレームに記載された要素のみから成っているということを意味し、この表現を用いたクレームを閉鎖クレーム(closed claim)と称します。“consisting essentially of”は、これらの中間で、発明の本質に影響しないものであれば、クレームに記載されている以外の要素を含んでいても良いということを意味し、この表現を用いたクレームは、半閉鎖型クレーム(semi-closed claim)などと称されます。

従って、“comprising”を“consisting essentially of”や“consisting of”に変更することは、請求範囲を減縮する補正ということになります。

“comprising”を“consisting essentially of”や“consisting of”に変更する補正は、単に構成要素をクレームに明記したものに(実質的に)制限するだけであり、また日本や米国においてはこの様な補正は審査官に要求されて行うことが多いことから、明細書の記載にサポートされているかに関係なく補正してしまって問題無いと考えている出願人や実務者が多いようです。しかし、特に欧州では、“consisting essentially of”や“consisting of”が明細書に明示的にサポートされていなければ補正は認められません(T 0759/10等)。

例えば、「有効成分Aと有効成分Bを含む(comprising)薬剤」と記載されていたクレームを「有効成分Aと有効成分Bから本質的に成る(consisting essentially of)薬剤」と補正したい場合、明細書中に“consisting essentially of”という表現が無くとも、有効成分がAとBのみで所望の効果が得られることを明確に示す実施例があれば補正が認められる可能性はあります。一方、全ての実施例で有効成分としてAとBに加えて必ず有効成分Cも使用されており、この有効成分Cが存在しなくても所望の効果が達成されるかが定かで無いような場合、“consisting essentially of”への補正は認められないはずです。

“consisting essentially of”が明細書に明確にサポートされていないにも関わらず、審査段階で補正を認められて特許となり、その後、その補正が不正であるという理由に基づいて異議申立を受けた場合、“consisting essentially of”を“comprising”に戻す補正をしようとしても、上記の通り、欧州特許許可後にはクレーム範囲を拡張する補正は認められません(Article 123(3))。従って、EPOの異議部・審判部が“consisting essentially of”は明細書に明確にサポートされていないと認定すれば、特許取消しとなってしまいます。

従って、欧州特許出願に関して審査段階で補正をする際には、補正が明細書にサポートされているか否かについて、審査官の判断任せにせず、出願人側で慎重に検討することが必要です。

2.異議申立や審判におけるクレーム補正により特許取消しとなるリスク

異議申立てや審判手続きにおいてクレームを補正すると、その補正が123条違反ということで特許取消しとなってしまう可能性もあるため、十分に注意が必要です。

異議申立や審判の早い段階であれば、補正に対する異議申立人の主張や異議部・審判部の予備見解などを検討して、その後の対応を考えることも可能ですが、口頭審理の直前などにクレームを補正した場合など、それまでの経緯など関係なく、口頭審理において、その場で補正が明細書にサポートされていないという理由で特許取消しにされてしまうことがあります(T 0283/99等)。

欧州では、補正を行う際に、複数セットのクレームを提出し、それをEPOに検討させることができます。より具体的には、第一希望のクレームセットを"Main Request"(主請求)として提出し、第二希望以降のクレームセットを"Auxiliary Request"(副請求)として提出することができます。

従いまして、異議申立や審判手続きにおいてクレームを補正する際には、出願時の明細書に支持されていることが明らかなクレームを少なくとも1セット、Main Request又はAuxiliary Requestとして含めておくことをお勧めします。

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成分Aの量に関して『好ましい量』

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