Entity

米国(2): RCE (Request for Continued Examination)

もう一つ米国特許制度の大きな特徴と言えるのが、RCE(Request for Continued Examination)の存在です。

RCEは、最後の審査通知(final office action)が出た後に、拒絶を克服できない場合に、継続審査を要求できる制度です。[*但し、意匠特許(design patent)や再審査中の特許に関しては、利用できません。]そしてこのRCEは出願が生きている間は何度でも請求することができます。(数年前に、米国特許庁がこのRCEの回数を制限するためのルール改正を行うことを発表したが、訴訟になり、結局は特許庁が敗訴してルール改正は無くなった。)

要するに、米国出願は、出願が生きている限り何度最後の拒絶を受けても許可になるまで何度でもチャレンジできるということになります。このような制度は、米国にしかありません。例えば、日本でしたら、特許性を否定され続けた場合には以下の経緯を辿ることになります。

日本の場合
最後の審査通知 → 拒絶査定 (特許庁審査部)

拒絶査定不服審判 (特許庁審判部)

知的財産高等裁判所への提訴

最高裁判所への上告

日本においても、裏技的な手段として、拒絶査定を受けたら分割出願を行うということもありますが、この場合、勿論、分割出願の請求項を親出願と同じにならないよう補正する必要があります。即ち、分割出願はあくまで新たな出願として審査されるのであって、米国のように審査が継続されるわけではありません。(日本では、もし仮に分割出願の請求項に親出願の審査において拒絶された発明が含まれていると、最初の審査通知であっても、最後の拒絶理由通知への応答の場合と同様に補正の制限が課される。要するに削除、減縮、誤記訂正、明瞭化の目的の補正のみが可能で、新たな特徴を付加するような補正は許可されない。)

欧州では、拒絶査定になってしまったら、欧州特許庁の審判部(Board of Appeal)における拒絶査定不服審判で争いますが、原則その先はありません。即ち、拒絶査定不服審判で特許性を認められないと特許は不成立ということになります。以前は、日本と同様に分割出願を行って延命するという方法があったのですが、2010年の法改正により、分割出願の時期と機会が制限され、拒絶査定を受けた際の延命措置としての分割出願は実質的に不可能になりました。

RCEが可能な時期

審査終結状態にある(prosecution is closed)が、出願が生きている段階であれば請求することができます。具体的には、例えば、以下のような状況で、RCEが可能です。

・ 最後の審査通知(Final Action)発行後で且つ出願放棄確定前

・ 許可通知(Notice of Allowance)発行後で且つ登録料納付前

・ USPTO審判部における審判係属中

審判請求書(Notice of Appeal)提出後に、RCEした場合には、審判請求は取り下げられたとみなされ、審査が再開されます。

審査中で最新の審査通知がfinalで無い場合には、RCEは認められません。

RCE申請手続き

RCEの申請は、料金(large entityで$930、small entitiyで$465)の支払いと共に、RCE申請フォームと以下の書類を提出することが必要です。

出願の状態 RCE請求時に提出する必要がある書類
最後の審査通知(Final Action)後 最後の審査通知に対する応答(既に提出済みの場合は、原則的に必要無し)
査定系クウェイル通知*(Ex Parte Quayle action)後  (*方式的不備を訂正すれば特許査定となる旨を通知するもの) Ex Parte Quayle actionに対する回答
許可通知(Notice of Allowance)後 IDS、補正、新たな議論、新たな証拠など
審判請求後 最後の審査通知に対する応答(例えば、提出済みの審判理由書や審判部の見解に対する答弁書における議論を援用する旨の上申書)


RCEを提出する状況で一番多いのは、Final Actionを受けて補正書、意見書、証拠などを提出したが、それが新たな争点(New Issue)を提起するものであって考慮出来ないとの指摘をUSPTOから受けて、その対応としてRCEを提出するという状況だと思います。そのような場合に、単に提出済み書類を考慮させたいのであれば、RCE申請フォームと料金を支払うだけで済みます。そしてRCEにより審査が再開され、審査官はFinal Action後に提出したクレームの補正や証拠を考慮した上で、non-finalの審査通知若しくは許可通知(Notice of Allowance)を発行します。

RCEに関する注意事項

場合によっては、折角RCEしたのに、RCE後の最初の審査通知がFinal(しかもRCE前のFinal Actionと同じ拒絶理由)となってしまうことも有りますので注意が必要です。

具体的には、以下の2つの要件が同時に満たされると、RCE後の最初の審査通知がFinal Actionとなってしまいます。

(1) RCE前のクレームとRCE後のクレームとが同一である。

(2) RCE後の審査における拒絶の理由がRCE前の審査における拒絶の理由と同一である。

このような状況になるのは、例えば、Final Actionに対して補正を行わず単に反論のみを提出した場合、Final Actionに対に対する回答が間に合わず、延命措置としてRCEを提出した場合などが挙げられます。

上記のような状況になる可能性がある場合には、RCEと同時若しくはRCE後、速やかに何らかの補正を提出するなどの手段を講じることが望ましいです。その際の補正は純粋に形式的なものでよく、例えば、得に重要でない特徴に関する従属クレームの追加などでも構いません。また、そのクレームが不要であれば、後で削除することもできます。

もしも補正や新たな証拠を提出する予定があるが、準備に暫く時間がかかるような場合には、RCEと同時又はその直後に審査の一時中断を申請する(Request for a 3-month Suspension of Action by the USPTO under 37 CFR 1.103 (c))ということも考えられます。

RCE制度の現状と今後

上記したようにRCEの回数を制限しようとするルール改正は断念されましたが、近年、別の手法でRCE制度の利用を抑制する方向の動きが見られます。

USPTOにおける処理スケジュール

1つは、2009年11月15日から導入されている新たな管理体制です。

以前は、原則として、審査官はRCE後2ヶ月以内にアクションを出すことが求められており、RCEにより、審査が大きく遅れるようなことはありませんでした。しかし、2009年11月15日以降は、RCEが請求された件は、“special new” docket に入れられることになり、そこでは「2ヶ月以内」という制約はなく、審査官は、自らの仕事の負荷に応じて比較的自由なスケジュールで処理することが許されています。

これに伴い、最近は、RCE後の処理の遅れが目立つようになってきています。米国特許庁のウェブサイトで提供されているPAIR(Patent Application Information Retrieval)システムで、出願の経過を確認することができますが、最近は、RCEを請求すると、その後 “Docketed New Case—Ready for Examination” という状態になったまま長らく動きが止まってしまいます。RCE後、半年以上経過してもアクションが出ないケースもあります。

RCE請求の手数料の値上げ

RCEを利用するために、米国特許庁へ支払う料金は、それが何回目の請求であるかに関わらず1回のRCEにつきlarge entityで$930、small entityで$465であったものが、2013年3月19日以降は、一回目のRCEの料金がlarge entity$1,200、small entity$600に、二回目以降のRCEの料金がlarge entity$1,700、small entity$850に値上げされます(2013年1月18日に公表された新料金)。

RCEを不要にする制度の試行

RCE等を利用せずに、審査の効率化を図る目的で以下のような試行プログラムが実施されています。

・ After Final Compact Prosecution (AFCP) 試行プログラム (試行期間:2013年5月18日まで(当初、2012年6月16日までの予定だったが延長された))

現行の規則に従えば、最終庁指令通知(Final Office Action)後に提出された補正や証拠を審査官に考慮させるためには、RCE等の手続きが必要になることが多いが、AFCP試行プログラムでは、Final後に提出された補正や新たな証拠について、限定的な(特許で約3時間、意匠で約1時間以内で済むような)検討や調査によって、該補正や証拠により特許査定できるとの判断が可能な場合、RCE等を行わずに補正や証拠を審査官に考慮させることが可能。

・ Quick Path Information Disclosure Statement (QPIDS)試行プログラム(試行期間:2013年9月30日まで(当初、2012年6月16日までの予定だったが延長された))

米国の現行のシステムにおいては、登録料支払い後にIDSを提出して考慮させる為には、RCEや継続出願が必要だが、QPIDS)試行プログラムでは、登録料支払い後にIDSをUSPTOに考慮させることが可能。


特にAFCPは、試行期間が延長されましたが、出願人や実務者にとって非常に有益な試みであり、常設的なプラクティスとなることが望まれます。これまでは、審査の経緯や審査官の主張の趣旨から考えて、本格的な検討や調査を行わずとも、出願を特許可能な状態にできることが明らかな補正や証拠であっても、Final後は、新たな争点(New Issue)を提起するものであって考慮できないとの指摘を受け、結局、RCEや審判請求が必要になってしまい、非合理的なプラクティスだと感じていた出願人や実務者も多いはずです。そのような指摘も受けての試行プログラムでしょうから、本格実施へ移行する可能性も十分にあると考えられます。

2000年に導入されて以来、盛んに利用されてきたRCE制度ですが、上記のことから分かりますとおり、近い将来、その運用が大きく変わる可能性があります。

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米国(3): 現在の米国における特許政策(並びに自明性審査とその対策)

プロパテント政策の変化

米国においては、プロパテント政策(発明技術の独占的実施権を可能にする特許による権利保護を重視する政策)が、1980年代後半にレーガン大統領により導入され今世紀初頭まで維持されてきましたが、世界的な不況が深刻化するにつれ、大きな変化が見られます。

不況に加えて、プロパテント政策による弊害とも言える所謂「パテント・トロール(patent troll)」による特許権の濫用も大きな問題となっています。「パテント・トロール」とは、大学や研究機関以外のnonpracticing entity(特許発明を実施しない者)であって、第三者の特許権を譲り受け、その特許権を主張して大企業に巨額の損害賠償を要求するような組織のことです。このパテント・トロールの暗躍は、質の低い特許を乱発したことによる弊害であると言われております。

一般的には、近年の不況に伴い、プロパテントからアンチパテント(特許権より独占禁止法の遵守に重きを置く政策)へシフトしたと言われることが多いようですが、一概に、完全にアンチパテントへ傾いたと断言することは難しいようです。 近年の出来事を見ると、審査基準の厳格化や権利行使の範囲を制限する変化が目立ちますが、一方で、特許の活用を促進する方向の変化も見られます。要は、この不況を乗り切るために重要なツールの一つとして特許を有効に活用出来るように制度を整えているということであると思います。

近年の判例や2011年9月の法改正(Leahy-Smith America Invents Act)から読み取れる米国の知的財産権に関する姿勢は以下の通りです:

進歩性基準を厳格化し特許の質を向上

 - KSR Int'l Co. v. Teleflex, Inc., 550 U.S. 398 (2007) (これにより非自明性の審査が厳しくなった。)

付与後特許に対する異議申立ての機会を拡張

 - 付与後異議申立制度(Post-grant review)の導入(2011年のAmerica Invents Act)

過剰な権利行使を抑制

 - Abbott Labs v. Sandoz, 566 F.3d 1282 (Fed. Cir. 2009) (所謂"product-by-process"形式のクレームの権利範囲を、クレームで規定したprocessで得られる物に制限した。)

 - 複数の被告に対する訴訟の併合(joinder of parties)についての制限(2011年のAmerica Invents Act)(以前は、1つの特許訴訟において複数の被告を訴えることが可能であり、パテントトロールが複数の企業に対して同時に特許権侵害訴訟を提起し損害賠償金請求することが問題視されていた。この対策として、「同一の特許を侵害している」ことのみをもって複数の被告を1つの訴訟事件で訴えたり、1つの訴訟事件に併合したりすることができないこととされた(§299)。)

 - In re Seagate Technology, LLC, 497 F. 3d 1360 (Fed. Cir. 2007) (特許侵害訴訟において、3倍賠償の対象となる故意侵害の有無の立証責任を、侵害者から特許権者側に移した)

 - 故意侵害及び侵害教唆対策としての鑑定書の入手・提出の不要化(2011年のAmerica Invents Act)(上記Seagate事件における判示の一部を成文法化。鑑定書を入手しなかったことや裁判所に提示しなかったことを、故意侵害(willful infringement)の認定や、侵害教唆(inducement of infringement)の意思の認定に使用できないと規定された(§298)。2012年9月16日以降に発行された特許に対して適用。)

特許出願人又は特許権者の過失に対する罰則適用条件を緩和

 - ベストモード要件違反を特許無効の理由から除外(2011年のAmerica Invents Act)

 - Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))(不公正行為(Inequitable Conduct)の立証を困難にした)

 - 補助的審査(Supplemental Examination)制度の導入(2011年のAmerica Invents Act)(情報開示義務(IDS)違反の救済措置)

特許出願に関する門戸は狭めない

 - Bilski最高裁判決[Bilski v. Kappos, 130 S. Ct. 3218, 561 US, 177 L. Ed. 2d 792 (2010)] (CAFCの大法廷(en banc)が「machine-or-transformation testが、ビジネス方法に関する発明が特許保護の対象になるか否かについての唯一の判定手段」と判示したのを最高裁が覆した。)

KRS判決による非自明性判定基準の変化:

以前は審査が厳しいと言われている化学分野の特許出願で、かなり厳しい審査結果を予想していたにも関わらず、あっさりと特許になって拍子抜けしたようなケースも多々ありました。しかし、最近は我々も実感として、KSR判決を境に自明性(複数の先行技術文献の組み合わせに対する容易性)の審査が非常に厳しくなったと思います。正直な所、KSR判決以前は、「減縮補正を行わないと103条(自明性)で拒絶されるだろうな」と思う様な件が、拒絶を受けずにそのまま特許にということも結構ありました(しかも、審査結果が出るのが早かった)。現在は、特許庁における審査は、より時間をかけてかなり厳密に行われているという印象です。KSR判決において最高裁は以前よりも厳格な非自明性の基準が提示しましたが、判断基準が厳格になった以上に、米国特許庁審査官の自明性審査に対する姿勢が厳しくなったと感じます。

実際に、統計的にみても、米国ではKSR判決以後では拒絶査定を受け審判請求を行う件数が増え(KSR判決前の2006年では3349件→KSR判決後の2008年では6385件)且つ審判請求を行って拒絶が撤回される確率が率低下しています(KSR判決前の2006年では41%→KSR判決後の2008年では28%)。

尚、参考までに、KSR判決後約2年間において、CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)が、化学・生化学系の発明を非自明(進歩性有り)と判断したケースが約62%であったのに対して、非化学・生化学系の発明を非自明と判断したケースは約33%であったとの統計データもあるそうです(http://www.jurisdiction.com/dsmith.pdf)。このことは、KSR判決によって、化学・生化学の分野のように効果を予見することが難しい分野では非自明と判断されやすく、一方、機械などの構造物などの効果を予見しやすい分野の発明は自明と判断されやすくなったということを示していると解釈することできます。

最近、米国特許成立の確率が回復(向上)傾向にあるという情報も散見されますが、実際、数字上はそうであっても、これが淘汰(即ち、元々特許性が明らかでない出願は繰り返し拒絶を受けたために放棄されてしまった)や出願人が出願する発明を精査していることによるという可能性もあると思います。弊所の印象としては、現在でも、KSR判決直後と比較すると非自明性の判断も大分緩和されたようにも思いますが、KRS判決以前と比較すると未だ厳しいように思います。実際に弊所で扱っている案件でも、非自明性の拒絶に対してほぼ完璧な対応ができたような場合(先行技術の組み合わせに対する阻害要因の存在を明らかにし、更に実験証明で予想外の優れた効果を明らかにしたような場合)であっても、その後、審査官の理解不足による拒絶を受け、更に何度かインタビューを行って説明したり、細かい補正をすることによって漸く許可になったということもありました。要するに審査官の側に、非自明性の審査は厳格に行うべきという意識があると思います。

自明性の拒絶に対する対応

自明性の拒絶を受けた場合の典型的な対応は以下の通りです:

(a) 審査対象出願の発明や先行技術の開示内容に関する審査官の誤認を明らかにする。
(b) 先行技術の組み合わせに対する阻害要因(teach away)の存在を明らかにする。
(c) 予想外の優れた効果を明らかにする。
(d) 先行技術に教示・示唆されていない特徴をクレームに追加して、更にその特徴による予想外の優れた効果を明らかにする。

その他にも商業的な成功(所謂“secondary consideration”(二次的考慮事項)の例)などが考慮されることもありますが、これらはあくまで二次的に考慮される事項であって、一般的には上記の(a)~(d)で十分な対応が難しい場合に補足的に主張すべき事項です。やはり先ず上記(a)~(d)の観点からの反論を検討すべきでしょう。上記のKSR判決以前は、自明性の拒絶に対して「引用された2つの先行技術文献が異なる技術分野に属するものであるから組み合わせは不当」という反論で拒絶が撤回されることが屡々ありました。しかし、KRS判決以降は、異なる技術分野に属する先行技術文献であっても組み合わせることが当業者の常識の範囲内で容易であれば自明であるということになりました。従いまして、原則的には上記のような対応を考えるべきです。

上記(a)の審査官の誤解についてですが、特に米国の審査官は、技術内容の誤解に基づいて拒絶してくることが多いという印象があります。審査官の指摘を鵜呑みにせずに、自らの出願のクレームの記載や先行技術文献の開示内容を詳細に検討することが重要です。

また、その様な場合においても、ただ審査官の誤解を責めることを考えるのではなく、何故そのような誤解が生じたのかを謙虚に検討してみることが望ましい結果につながることが多いです。具体的には、審査官の誤解の理由を検討し、許容範囲内で、誤解の原因を排除し、発明をより明確に定義できる補正が可能であるならば、そのような補正を行うことが望ましいです。仮に審査官の誤解が明らかであっても、何らかの補正を行った方が、権利化がスムーズになります。

上記(b)の「阻害要因」については、一瞥してそのような阻害要因が見あたらないような場合でも、注意深く、執念深く、引用された先行技術文献を徹底検討すると、「阻害要因」として若しくは「阻害要因」とまではいえずとも先行技術の組み合わせを断ち切るために利用できる記載が見つかることも良くあります。一見自明性の拒絶が妥当に思えても、直ぐにあきらめないことが大切です。米国に限らず外国出願の多くは、現地代理人への依存度が高いと思います。しかし、現地代理人は、自分で明細書を作成したのではないということもあり、明細書や引用された先行技術文献を必要以上に詳細に検討することは通常有りません。現地代理人が半ばギブアップの状態でも、弊所で明細書や先行技術文献を徹底的に検討して有効な反論材料を見出したようなことも少なくありません。

上記(c)の「予想外の優れた効果」に関しては、米国の特許プラクティスの1つの大きな特徴として、出願明細書に記載されていない効果について、出願後に主張することが可能です。(日本や欧州においては、出願時の明細書に教示も示唆もされていなかったような効果に基づいて進歩性を主張することは原則的に許されません。)

また、米国において「予想外の優れた効果」の立証に有効なツールとして、37 C.F.R. 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)(以下、纏めて「宣誓供述書」)があります。この宣誓供述書形式で提出された証言やデータについては、審査官は、公知文献や専門家の見解書と同等の証拠として真摯に検討することが義務付けられています。この宣誓供述書は、最後に文字通り「署名者は、故意の虚偽陳述及びそれに類するものは、18 U.S.C.. 1001 に基づき罰金若しくは拘禁、又はその併科により処罰されること・・・について警告を受けており、本人自身の知識によって行う全ての陳述が真実であること・・・を宣言する」と宣誓して署名するものです。

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書の詳細については、以下をご参考下さい:
MPEP §716.01(a)MPEP§716.01(c)

また、宣誓供述書については、こちら にもより具体的な説明と、弊所で作成した宣誓供述書のサンプルを幾つか掲載しておりますので、参考までにご覧下さい。

他の国では一般的に審査段階では宣誓供述書の形式での提出は要求されません。しかし欧州の場合、審査の段階では実験証明書を宣誓供述書の形式にする必要はありませんが、異議申立手続きや審判手続きにおいては宣誓供述書の形式にすることが要求されます。

尚、自明性(進歩性欠如)の拒絶に対する対応の仕方については、こちら でも解説しておりますので、ご覧下さい。

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米国(6): 早期審査・審査促進(特許審査ハイウェイ(PPH)等)

米国には、多岐に亘る早期審査・審査促進に関する制度がありますが、それらの幾つかは非常にプラグマティックであり、お国柄が反映された興味深いものとなっています。例えば、優先審査(Prioritized Examination)は、$4,800という高額の費用を支払えば優先的に審査を行うというものであり、早期審査[MPEP708.02(a)に規定された審査促進プログラム(Accelerated Examination Program)]は、米国特許庁に代って出願人自らの責任で先行技術調査と特許性評価を行えば、早期に処理してもらえるというものです。また、2011年12月31日をもって終了してしまいましたが、未審査の出願を取下げることを条件に、別の出願1件について優先的に審査してもらえるという一種のバーター取引のような制度[Patent Application Exchange Program(出願交換プログラム)]も以前は存在しました。

具体的な要件や手続きについては詳細な説明がなされているサイトが多数存在しますので、ここでは各制度の特徴(メリット・デメリット)を中心に概要について説明致します。

[I] 優先審査(Prioritized Examination)制度

米国特許法改正法(Leahy-Smith America Invents Act: AIA)の発効とほぼ同時に導入された新しい制度です。

2011年9月26日以降に提出された出願について、この優先審査制度を利用すれば、平均で12ヶ月以内に最終的な審査結果(許可通知(Notice of Allowance)または最終拒絶(Final Rejection))が得られることになっています。(尚、この優先審査は"Track One"と称されておりますが、"Track Two"は通常審査であり、"Track Three"は通常より実体審査の開始を30ヵ月遅らせた審査のことを意味します。)

近年の米国特許庁における審査の遅延状況を考えると魅力的な制度では有りますが、この制度には以下のような制約やデメリットが有ります:

(1)優先審査の請求は、特許出願(パリ優先権主張出願、継続出願、分割出願を含む)若しくはRCEと同時に行うことが必要

(2)PCT経由の米国出願は対象外(但し、継続出願やRCEを行って、それと同時に優先審査を請求することは可能)

(3)費用が非常に高額である(米国特許庁に支払う申請料:Large entity $4800 、Small entity $2400)

(4)クレーム数に制限が有る(クレーム総数が30以下、且つ独立クレーム数が4以下)

(5)特許庁からのオフィスアクション(拒絶理由通知等)に対し、応答期間(3ヶ月)の延長を行った場合、優先審査の対象から外され、通常出願の取扱となる(費用の払い戻しは無し)

[II] 早期審査制度[MPEP708.02に規定された審査促進プログラム(Accelerated Examination Program)] 

2006年8月25日以降の出願について、早期審査制度[審査促進プログラム(Accelerated Examination Program)]を利用することもできます。こちらも、優先審査(Prioritized Examination)の場合と同様に、平均して12ヶ月以内に最終的な審査結果(許可通知(Notice of Allowance)または最終拒絶(Final Rejection))が得られることになっております。

対象となる出願や申請のタイミングは、上記の優先審査とほぼ同様(但し、RCE提出と同時に請求することはできない)ですが、優先審査と比較して以下の様な相違点が有ります:

(1)特許庁に支払う申請料は$130と低額(優先審査では、$4,800(Large Entity))

(2)クレーム数の制約が、上記優先審査の場合より若干厳しい(クレーム総数が20以下且つ独立クレーム数が3以下)

(3)出願人は、先行技術調査を行い、出願と同時に、特許性を明らかにした早期審査補助文書(Accelerated Examination Support Document)を提出することが必要

(4)特許庁からのオフィスアクション(拒絶理由通知等)に対して30日以内に応答することが必要。期間延長は原則として認められず、期限を徒過すると出願放棄となる

特に(3)の出願人による先行技術調査と早期審査補助文書(Accelerated Examination Support Document)の作成に要する手間と費用、並びに提出した情報に漏れが合った際にInequitable Conduct(不衡平行為)によって権利行使不能(unenforceable)となるリスクの観点から、この手続きの制度の利用に対するネガティブな意見も多く聞かれます。(絶対に利用すべきではないと強く主張している米国の弁護士もいるようです。)

尚、この審査促進プログラムについて、以下の場合には、申請により(1)の費用が免除されます:

- 発明者の少なくとも1人が、病気又は65歳以上の場合

- 発明が、環境改善(environmental quality)、エネルギー資源の開発又は省エネルギー(development or conservation of energy resources)、対テロリズム(countering terrorism)に関するものの場合

[注:しばしば誤解されている方がいらっしゃるようですので、念のために指摘しておきますと、MPEP 708.02のサブセクションI-II及びV-XII(製造の予定や侵害されている等の事情や組み換えDNA、超伝導など特殊発明に関する要件)は、2006年8月25日以前の申請に関する要件であり、現時点での請求には適用されません。]

上記のことから分かる通り、優先審査及び早期審査は、コスト、手間、リスクの観点から、気軽に利用できる制度とは言い難いものとなっています。

日本において既に所望の権利範囲で特許許可されているならば、日本の審査結果に基づく審査促進を可能にするPPHが、最適なオプションの1つとして検討に値すると思われます。

[III] 特許審査ハイウェイ(PPH)

日米間では、平成20年1月4日から、日米特許審査ハイウェイ(PPH)を本格実施しています。データ的には、日本-米国PPHの適用を受けた場合の許可率は約95%と言われております。(http://www.vennershipley.co.uk/show-news-id-202.html

[III-1] PPHの概要

PPHとは、他国の審査結果又はPCTの調査成果に基づいて審査促進(早期審査)をするものです。これに関して、PPHを利用すると、日本で特許査定になったら、その結果をもって直ちに米国でも特許が取得出来るとお考えの方が多いようですが、そうではありません。あくまで日本の審査結果を利用して審査促進するというものです。結果的に、特許成立する確率は高いですが、例えば米国特許庁(USPTO)は、他国の審査結果に従うことを要求されたり推奨されたりするものではありません。

弊所で、USPTOにPPHを申請した件では、USPTOが日本では引かれなかった新たな先行技術文献を引いてきたり、日本で既に考慮された先行技術文献に基づいた新たな拒絶理由を提示してきたことも有りました。そのような件でも、結果的には通常審査よりも早期に特許成立致しましたが、USPTOが、他国の審査結果に従い直ちに特許許可するとは限らないということは念頭に入れておく必要があります。

PPHの申請に関する情報は、日本特許庁のホームページに公開されています。(http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/highway_pilot_program.htm

[III-2] 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ(PPH)の適用をうけるための条件

PPHの適用をうけるための条件を簡単に纏めますと以下の通りです。

(1) 日本出願と米国出願の対応関係について:

 PPHの適用が可能な日本出願と米国出願の対応関係は大きく分けて以下の3通りになります。
 - 米国出願と日本出願のどちらかが他方の優先権出願である(米国出願又は日本出願がPCT経由の出願である場合を含む)。
 - 米国、日本以外の第三国における出願が、米国出願と日本出願の共通の優先権出願である(米国出願又は米国出願と日本出願の両方がPCT経由の出願である場合を含む)。
 - 米国出願と日本出願とが、共通のPCT出願から派生したものである(ここでPCT出願は、優先権主張していないものや米国及び日本以外の国における出願に基づく優先権を主張しているものも含む)。

尚、米国出願が優先権出願である場合、この出願は仮出願であっても構いません。

また、PCT経由の米国出願で、国際調査機関(JPO又はUSPTO)又は国際予備審査機関(JPO又はUSPTO)が、PCT出願の請求項の特許性に関して肯定的な見解を示した場合には、それに基づいてPPH(PCT-PPH試行プログラム)を申請することも可能です。より具体的には、PCT出願における少なくとも一つの請求項が新規性、進歩性、そして産業上の利用可能性を有することを示す、国際調査機関(JPO又はUSPTO)又は国際予備審査機関(JPO又はUSPTO)の見解書若しくは国際予備審査機関(JPO又はUSPTO)の国際予備審査報告に基づいてPPHを申請することが可能です。詳細につきましては、日本特許庁のホームページに提供されている以下の資料をご参考下さい: http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/pdf/patent_highway/after_uspto_japanese_kai.pdf

このPCT-PPH試行プログラムは、2012年1月28 日に終了する予定であり、現時点では試行期間延長や本格実施についての情報はありません。

(2) JPOによる特許性判断:

日本出願の少なくとも一つの請求項が、JPOによって特許可能と判断されていなければなりません。

(3) 日本出願の請求項と米国出願の請求項の対応関係:

PPHに基づく審査を申請する米国出願のすべての請求項が、対応する日本出願の特許可能と判断された一又は複数の請求項と十分に対応しているか、十分に対応するように補正されていることが必要です。尚、米国該出願の請求項の範囲が日本出願の請求項の範囲より狭い場合も、請求項は「十分に対応」するとみなされます。

(4) PPH申請可能な時期:

PPHに基づく審査を申請する米国出願は、USPTOによる審査が開始されていない必要があります。

尚、親出願において認められたPPHプログラムへの参加申出及び特別な地位は、継続出願には引き継がれません。継続出願も独自に上記(1)~(4)の要件を満たす必要があります。

[III-3] PPH申請時に提出する書類

PPHの申請書と共にJPOによる審査に関する以下の書類を提出する必要があります。

(1) 許可になった請求項及びその英訳文

(2) 日本出願の「特許査定」の直前の日本出願の審査通知(すなわち、最新の「拒絶理由通知書」)の写と、その英訳文(最初の審査通知が特許査定である場合には、特許査定の翻訳文は不要で、最初の審査通知が特許査定であった旨を説明する)

(3) JPOの審査通知においてJPOの審査官により引用された文献[情報開示申告書(IDS)として提出]

(4) 日本出願と米国出願の請求項の対応表

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欧州(10): 費用

欧州特許出願は、登録までの手続きを欧州特許庁で一括できる代わりに出願時の費用は他の国と比較して高額です。依頼する特許事務所や、その他の諸事情にもよって異なりますが、例えば比較的規模の大きい企業(large entity(従業員500人以上の法人))の出願であれば、欧州特許出願時の費用は、米国出願の2~3倍必要になります(米国では、比較的規模の小さい企業(small entity)であれば、出願料などの政府費用が半額になりますが、欧州にはそのような制度はありません。
米国における“small entity”の定義につきましてはこちらをご覧下さい
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/documents/appxr_1_27.htm

また、欧州特許庁によって、特許性を認められたらその後指定国への登録手続きを取ることになり、この登録手続きに関する費用が必要になります。この指定国での登録手続きに関しては、現時点では、1カ国あたり約10~25万円程度と考えればよろしいかと思います。以前は、例えばEP出願明細書が英語だった場合に、スペインなどの英語以外の言語が公用語である国に移行するためには、明細書をスペイン語などのその国の公用語に翻訳して提出する必要があり、多額の翻訳費用が必要になることがありました。しかし、翻訳文の提出を不要にすることを目的とした「ロンドン協定」が2008年に発効し、同協定の加盟国も増え続け、現在では、EP出願明細書が英語であった場合に明細書全体の翻訳が要求されることは無くなりました(請求項の部分のみ翻訳が要求される国はあります)。従いまして、以前は、国によって係る費用が10万円程度~100万円超まで大きく異なっておりましたが、現在では、上記したように1カ国あたり約10~25万円程度の幅と考えて良いと思います。

米国での審査における実施可能性、新規性、非自明性の判断基準について

米国での審査通知への回答書において米国代理人が米国審査基準(MPEP)に参照して実施可能性・新規性・非自明性の法律的基準について述べた説明で、原則的な部分を理解する上で参考になるものがありましたので、多少補足を加えた上で、以下に紹介します。参考までに、英語と日本語訳文の両方を併記します。

Legal Standard for Enablement(実施可能性の法律的基準について)

The Federal Circuit has repeatedly held that "the specification must teach those skilled in the art how to make and use the full scope of the claimed invention without 'undue experimentation'." In re Wright, 999 F.2d 1557, 1561, 27 USPQ2d 1510, 1513 (Fed. Cir. 1993).(連邦巡回裁判所はたびたび、以下の趣旨の判断を示してきた:「明細書は、当業者が『過度な実験』を行なうことなく本発明の全範囲を実現して使用するための方法を教示しなければならない」)

Nevertheless, not everything necessary to practice the invention need be disclosed. In fact, what is well-known is best omitted. In re Buchner, 929 F.2d 660, 661, 18 USPQ2d 1331, 1332 (Fed. Cir. 1991).(しかし、発明の実施に必要な全てを開示する必要はない。実際、周知のものは省略しても構わない。)

All that is necessary is that one skilled in the art be able to practice the claimed invention, given the level of knowledge and skill in the art. Further the scope of enablement must only bear a "reasonable correlation" to the scope of the claims. See, e.g., In re Fisher, 427 F.2d 833, 839, 166 USPQ 18, 24 (CCPA 1970).(必要なことは、当業界の知識と技術の水準に鑑みて、クレームされた発明を当業者が実施できるように記載されていることだけである。)

As concerns the breadth of a claim relevant to enablement, the only relevant concern should be whether the scope of enablement provided to one skilled in the art by the disclosure is commensurate with the scope of protection sought by the claims. In re Moore, 439 F.2d 1232, 1236, 169 USPQ 236, 239 (CCPA 1971).(実施可能性との関連におけるクレームの広さについては、明細書の開示により当業者に提供された実施可能性と、クレームが要求する保護の範囲とが一致していさえすればよい。) How a teaching is set forth, by specific example or broad terminology, is not important. In re Marzocchi, 439 F.2d 220, 223-24 169 USPQ 367, 370 (CCPA 1971).(教示の記載の仕方については、どのように記載されていても構わず、具体的実施態様による記載でもよいし、広い用語による記載でもよい。)

Legal Standard for Determining Anticipation(新規性判断の法律的基準について)

"A claim is anticipated only if each and every element as set forth in the claim is found, either expressly or inherently described, in a single prior art reference." Verdegaal Bros. v. Union Oil Co. of California, 814 F.2d 628, 631, 2 USPQ2d 1051, 1053 (Fed. Cir. 1987).(クレームに記載される全ての要素が明示的または潜在的に単一の先行技術文献に記載されている場合にのみ、クレームの新規性が欠如する。)

"When a claim covers several structures or compositions, either generically or as alternatives, the claim is deemed anticipated if any of the structures or compositions within the scope of the claim is known in the prior art." Brown v. 3M, 265 F.3d 1349, 1351, 60 USPQ2d 1375, 1376 (Fed. Cir. 2001) (クレームが複数の構造や組成物を含む場合には、複数の構造または複数の組成物のいずれか1でも先行技術文献に記載されているならば、クレームの新規性が欠如する。)

"The identical invention must be shown in as complete detail as is contained in the ... claim." Richardson v. Suzuki Motor Co., 868 F.2d 1226, 1236, 9 USPQ2d 1913, 1920 (Fed. Cir. 1989).(クレームされるものと詳細まで完全に一致する発明が示されていることが必要である)

The elements must be arranged as required by the claim, but this is not an ipsissimis verbis test, i.e., identity of terminology is not required. In re Bond, 910 F.2d 831, 15 USPQ2d 1566 (Fed. Cir. 1990).(クレームが要求する通りに要素が配置されていることが必要であるが、用語が同一である必要はない。)

Legal Standard for Prima Facie Obviousness (一応の自明性の判断の法律的基準について)

MPEP § 2141 sets forth the guidelines in determining obviousness. First, the Examiner has to take into account the factual inquiries set forth in Graham v. John Deere Co., 383 U.S. 1, 17, 148 USPQ 459 (1966), which has provided the controlling framework for an obviousness analysis.(MPEP § 2141には、自明性を判断するガイドラインが示されている。審査官は、まず、グラハム事件で採用された事実認定基準(いわゆる、Grahamテスト)を考慮しなければならない。) The four Graham factors are(4つのGrahamテストは以下の通りである):

(a) determining the scope and contents of the prior art(先行技術の範囲と内容を決定すること);

(b) ascertaining the differences between the prior art and the claims in issue(先行技術と当該クレームとの差を明確にすること);

(c) resolving the level of ordinary skill in the pertinent art(当業者の技術水準を確定すること); and

(d) evaluating any evidence of secondary considerations(二次的考慮事項の証拠を評価すること). Graham v. John Deere Co., 383 U.S. 1, 17, 148 USPQ 459, 467 (1966).

Second, the Examiner has to provide some rationale for determining obviousness.(次に審査官は、自明性を支持するための何らかの論理付けを提示することが必要である。) MPEP § 2143 sets forth some rationales that were established in the recent decision of KSR International Co. v Teleflex Inc., 82 USPQ2d 1385 (U.S. 2007)(MPEP § 2143には、KSR事件で確立された論理付けが示されている。). Exemplary rationales that may support a conclusion of obviousness include(自明性を支持するための典型的な論理付けは以下の通りである。):

(a) combining prior art elements according to known methods to yield predictable results(先行技術の要素を公知の方法で組み合わせて予想可能な結果を得ること);

(b) simple substitution of one known element for another to obtain predictable results(ある公知の要素を他の要素で単純に置換して予想可能な結果を得ること);

(c) use of known technique to improve similar devices (methods, or products) in the same way(公知技術を用いて類似の装置(方法や製品)を同様に改善すること);

(d) applying a known technique to a known device (method, or product) ready for improvement to yield predictable results(改善可能な状態にある公知の装置(方法や製品)に公知技術を適用して予想可能な結果を得ること);

(e) "obvious to try" - choosing from a finite number of identified, predictable solutions, with a reasonable expectation of success(「試みることが自明」-成功するという合理的な期待を持って、特定された予測可能な有限個の解決方法から選択すること);

(f) known work in one field of endeavor may prompt variations of it for use in either the same field or a different one based on design incentives or other market forces if the variations are predictable to one of ordinary skill in the art(ある技術分野において公知のものは、設計上の動機やその他の市場の力に基づいて、同じ技術分野や異なる技術分野で使用するためのバリエーションが当業者によって予測可能であれば、そのようなバリエーションを促すかもしれない。); and

(g) some teaching, suggestion, or motivation in the prior art that would have led one of ordinary skill to modify the prior art reference or to combine prior art reference teachings to arrive at the claimed invention.(先行技術文献を改変したり先行技術文献の教示を組み合わせてクレームされた発明に到達するように当業者を導いたであろう、先行技術における教示、示唆または動機。)

As the MPEP directs, all claim limitations must be considered in view of the cited prior art in order to establish a prima facie case of obviousness. See MPEP § 2143.03.(MPEPが示すように、一応の自明性を確立するためには、引用例に鑑みてクレームの全ての限定事項を考慮する必要がある。)

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米国  クレーム  発明  日本  新規性  記載  必要  明細書  以下  審査  or  be  先行技術  判断  可能  英語  審査官  開示  適用  要求  方法  an  範囲  説明  可能性  not  選択  本発明  with  同様  design  考慮  具体的  日本語  claim  明確  実際  使用  審査通知  同一  特定  公知  先行技術文献  EP  文献  at  技術  one  引用  art  当業者  基準  rce  採用  invention  事件  実験  実施  claims  any  証拠  提供  内容  理解  has  審査基準  prior  非自明性  結果  MPEP  通知  詳細  複数  関連  entity  only  ガイドライン  case  within  solution  決定  参照  代理人  Inter  分野  限定  use  技術分野  other  into  参考  issue  自明性  may  要素  自明  we  should  method  specification  合理的  between  Fed  原則的  事項  results  提示  all  but  right  解決  評価  組成物  類似  must  necessary  same  示唆  用語  趣旨  based  明示的  保護  部分  回答  KSR  obviousness  態様  would  so  欠如  ex  Cir  両方  知識  consideration  practice  製品  required  scope  認定  reasonable  状態  回答書  re  新規性判断  similar  ライン  disclosure  each  end  without  Q2  2d  single  置換  national  教示  完全  Further  identified  法律  装置  公知技術  到達  International  成功  claimed  米国代理人  out  shown  skill  need  周知  一応  example  予測  Ex  USPQ2d  Examiner  期待  skilled  secondary  引用例  either  provide  典型的  当該  テスト  differences  provided  test  裁判所  were  known  very  潜在的  補足  given  some  ep  those  確立  予想  protection  仕方  obtain  structure  make  side  明示  set  ordinary  reason  knowledge  well  include  実施可能  reference  原則  teach  cited  another  difference  device  実施可能性  determining  different  limit  Graham  decision  important  3d  USPQ  動機  her  found  per  elements  element  am  work  whether  apply  technique  product  predictable  実現  支持  term  evidence  enablement  非自明  his  forth  rolling  result  expectation  全範囲  order  事実  紹介  訳文  success  described  disclosed  論理  cover  代理  一致  二次的考慮事項  vice  what  単一  単純  prima  products  contained  composition  require  法律的基準  ratio  改善  Legal  deemed  obvious  number  methods  裁判  act  Second  設計  closed  omitted  less  構造  lines  確定  CCPA  specific  she  facie  facto  field  every  four  due  how  First  技術水準  analysis  devices  予想可能  combine  correlation  組成  certain  exam  established  Federal  How  配置  able  actual  Standard  Obviousness  論理付  view  verbis  variations  show  up  ipsissimis  own  日本語訳  over  多少  now  motivation  support  市場  teaching  take  改変  新規  過度  二次的  予測可能  省略  先行  明細  解決方法  設計上  業界  バリエーション  See  oa  Wright  limitations  account  according  Teleflex  mm  Prima  range  read  rationales  John  relevant  relation  recent  red  framework  fr  full  force  considered  content  hard  considerations  contents  establish  evaluating  everything  ed  experimentation  fact  ip  invent  broad  anticipated  arranged  conclusion  compositions  inherently  All  suggestion  try  Facie  terminology  undue  An  simple  yield  Circuit  sets  several  structures  Deere  way 

Design Registration

Q1. If a design application is to be filed in Japan claiming Convention Priority based on a non-Japanese application, is the priority period one year as in patent applications? 

A1.  No. For filing design applications in Japan claiming Convention priority, the priority period is for six (6) months, instead of one year, from the filing of the priority application.  Even if you have a design "patent" application filed at the USPTO, the priority period is 6 months for filing a Japanese patent application with a valid priority claim based on the degisn "patent" application filed in the US.  

You also have to be careful when filing a patent application in Japan claiming priority from both a patent application and a design application.  That is, for example, if you filed in your country a patent application on May 1, 2012 and a design application on October 30, 2012 and are now considering filing a patent application on May 1, 2013 in Japan claiming priority from both of the above-mentioned patent application and design application filed in your country, this date “May 1, 2013” is within one-year priority period based on the patent application but is after the expiration of six-month priority period (October 30, 2012 + 6 months = April 40, 2013) based on the design application.  Therefore, the priority claim based on the design application is not valid.  

Q2. I am planning to file a design patent application in Japan claiming priority from a US design patent application.  What are the major differences in practice between the United States and Japan that require particular attention?

A2.  Firstly, unlike the “design patent” in the United States which is one type of patents and is basically dealt with under the patent law, Japan has a design law separate from a patent law. 

Therefore, in Japan, an application for registration of a design is referred to as “design application”, not “design patent application” as in the United States.  

More importantly, this difference in legal system leads to some significant differences in design registration practice between the US and Japan representative examples of which are enumerated below.

Difference 1)  “Single design per application” system in Japan

It is understood that the US system allows an applicant to pursue two or more designs (embodiments) of a single inventive concept in a single design patent application.  This, however, is not the case in Japan.  According to the Japanese practice, each design application may include only a single design of single shape.

Therefore, in Japan, when a single priority application includes multiple designs, it is necessary to either:

-  file separate design applications with respect to the different designs, or

-  file an application including different designs and later file a divisional application(s).

In this connection, however, it should be noted that it is not allowed to file a divisional application on a “partial” design from a “whole” design application and vice versa.  Concerning the “partial” and “whole” designs, explanations are made below.

Further, there is an exception to the "single design per application" system, and the Japan's Design Law provides "related design" system for covering a plurality of similar designs.

1-1) Exception to the “single design per application” rule

The Japan’s Design Law exceptionally allows for discrete objects to be claimed in a single application if common sense indicates that such discrete objects are usually sold as a “set”, as in the case of, for example, a 3-piece set including a knife, fork and spoon. 

1-2) Related design applications

In the case where the priority US application contains a plurality of different but similar designs (e.g., minor variations of a certain design), such similar designs may be covered by utilizing the related design system in Japan.  Specifically, the similar designs can be covered by filing a principal design application and filing a related design application(s) by one day prior to the publication of the principal design. 

The design registered as the related design can be enforced independently of the registered principal design and other registered related design(s).  That is, a related design right can cover even a design similar to that related design, which, however, is not similar to the principal design. 

For covering such similar designs under the related design regime, it is possible to either:

-  file a principal design application and also file a related design application(s) simultaneously with the principal application or later (by one day prior to the publication of the principal design at the latest), or

-  file general design applications on the similar designs, and later amend the general applications into a principal design application and a related design application(s).

The JPO may find that the designs are not similar enough to be eligible for registration under the related design regime but there is no need to be so nervous about this point.  If the JPO denies the similarity, the JPO will issue an office action requesting the applicant to stop relying on the related design system and change the applications to normal applications.

 

Finally, the right of a registered related design is independent from the right of a registered principal design but there are the following exceptions.

1.   Synchronized protection term: 

The protection term for both of a registered principal design and a registered related design is 20 years from the registration date of the principal design.  This point, however, is substantially immaterial in the present case because the two applications will probably be registered almost simultaneously.  Further, the registered related design can be maintained even if the principal design is allowed to lapse due to non-payment of maintenance fee, and vice versa.   

 2.   Restriction of transfer of rights and licensing: 

The right of a registered related design cannot be transferred or licensed independently from the registered principal design.  That is, for transfer of design rights to a third party by assignment etc., the principal and related designs must be simultaneously transferred together to the same entity.  Further, also for licensing, the principal and related designs must be licensed simultaneously to the same entity.

 

Difference 2)  Partial Design System

The Japan’s Design Law has a “partial design system” which allows registration of parts of shapes or forms with distinct characteristics.  

The US system also provides a similar practice where dotted lines can be used to indicate non-claimed parts.  There is, however, one important difference.  That is, the Japan’s system requires that a partial design application should be filed with a clear indication that the application claims a partial design.  In the absence of such indication, the application will be recognized as claiming a whole design. 

Once filed with the indication of a partial design application, it is in principle not allowed to amend the application into a whole design application and vice versa.  Similarly, a divisional application on a partial design cannot be filed from a whole design application and vice versa. 

Therefore, if it is important to cover both of whole and partial designs, it is recommended to file both a whole design application and a partial design application.

 

Of course, there are many other differences between US and Japanese practices; however, the above differences are believed to be the main differences which require particular attention when filing a design application in Japan claiminig priority from a US design patent application.

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