Action

課題2:中間処理(拒絶理由通知に対する応答など)の効率化とコスト低減

弊所は、他の特許事務所で出願した案件が難しい状況に陥ってから中途で引き受けたことが何度か有りますが、これまで全て成功に導いております。即ち、そのような案件は全て先任の国内外代理人の検討不足によるものであったということになりますが、外国特許出願の場合には、責任の所在が不明確になり、検討不足の状態が生じ易いということがあると思います。その原因として以下のようなことが考えられます。

(1)外国出願の日本国内特許事務所における扱いに関しては、言語と法律の違いにより、翻訳者が外国出願用英文明細書を作成し、その後の対応は外国代理人に一任に近い形になる。即ち、日本出願明細書(若しくはPCT出願和文明細書)を作成した本人は、外国出願で使用する英文明細書の作成にも、その後の中間処理においても余り関与しない。

(2)外国代理人は、自ら明細書を作成したわけではないので、発明の理解が不十分であり且つ権利化に対する責任感が希薄になる傾向がある。

無駄に審査が長引けば、当然、経費が増加します。また、難しい状況になって米国や欧州の代理人の助言を仰いだり、詳細な検討を依頼したりすると高額な請求が来てコストが大きく膨らんでしまうということもあります。

課題2に対する弊所の対応

弊所の外国出願担当者は、上で述べたように、明細書の作成は勿論、米国・欧州特許庁の拒絶に対する回答書や外国での係争における理由書・答弁書などの作成も基本的に自ら行いますので、上記のような問題は起りません。

外国出願であっても、成功するか否かは我々の責任であるという認識を常に持って対応します。

弊所が中途で引き受けた案件には、最終拒絶理由通知(final office action)と継続審査請求(RCE)を繰り返して国内外代理人がお手上げの状況になった米国出願なども有りましたが、弊所で引き継ぎ後1又は2回の回答で許可を得ています。そのような案件の場合、出願時から弊所に任せて頂いていれば権利化までの経費は半額以下で済んだはずであると思います。

『法律も実務も異なる外国出願の中間処理を日本の代理人が処理できるのか?』と疑問を抱かれるかも知れませんが、弊所は開設時から、上記の様な実務を行っており、スタッフは全員厳しく教育され、外国案件も自分でこなせるようになった少数の者のみで構成されています。従って、外国特許関連手続については圧倒的な経験値を有しており、各国の制度や実務に準じたアドバイスや対応が可能です。実際に、外国特許庁へ提出する書類も実質的に弊所で完成させてしまうというスタイルについては、お客様より評価を頂いたことはあっても、クレームを受けたようなことは皆無です。

以上の通り、弊所では明細書を作成した担当者自らが回答書作成も行うため、十分な発明理解に基づいた効果的・効率的な対応が可能であり、現地代理人費用も削減することが出来ます。

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課題3:外国代理人費用の抑制

出願時の費用については、どの国でも実績の有る特許事務所は相場を大きく外れるような料金設定はしませんので、総合的なコストに大きな影響を与えるのは拒絶理由通知に対する応答などの中間処理にかかる費用です。

例えば、1件当たりの出願時の費用を10万円程度節約することに成功したとしても、拒絶に対する対応で欧米の代理人に負担をかけると、直ぐに帳消しになってしまいます。米国で審査官を説得することが出来ずに最後の拒絶理由通知(final office action)を受けて継続審査請求(RCE)というような状況になると、それで中間処理の費用は100万円を超えてしまうと思います。

極端な例では高名な米国弁護士に標準的な難易度の回答書を1回作成させたら500万円を超える請求が来たという話を聞いたことが有ります。

課題3に対する弊所の対応

どのようにすれば中間処理に関する現地からの請求額を減らせるかと考えると、やはり明細書を作成して発明の内容と背景を熟知しており且つ出願人とのコミュニケーションが容易である国内の代理人が処理することが一番効率が良い筈です。

この観点から、既に上記致しましたように、弊所は米国・欧州の特許庁にそのまま提出できるような回答書の作成が可能ですので、現地代理人費用の抑制に大きくご貢献出来るものと考えます。

米国(2): RCE (Request for Continued Examination)

もう一つ米国特許制度の大きな特徴と言えるのが、RCE(Request for Continued Examination)の存在です。

RCEは、最後の審査通知(final office action)が出た後に、拒絶を克服できない場合に、継続審査を要求できる制度です。[*但し、意匠特許(design patent)や再審査中の特許に関しては、利用できません。]そしてこのRCEは出願が生きている間は何度でも請求することができます。(数年前に、米国特許庁がこのRCEの回数を制限するためのルール改正を行うことを発表したが、訴訟になり、結局は特許庁が敗訴してルール改正は無くなった。)

要するに、米国出願は、出願が生きている限り何度最後の拒絶を受けても許可になるまで何度でもチャレンジできるということになります。このような制度は、米国にしかありません。例えば、日本でしたら、特許性を否定され続けた場合には以下の経緯を辿ることになります。

日本の場合
最後の審査通知 → 拒絶査定 (特許庁審査部)

拒絶査定不服審判 (特許庁審判部)

知的財産高等裁判所への提訴

最高裁判所への上告

日本においても、裏技的な手段として、拒絶査定を受けたら分割出願を行うということもありますが、この場合、勿論、分割出願の請求項を親出願と同じにならないよう補正する必要があります。即ち、分割出願はあくまで新たな出願として審査されるのであって、米国のように審査が継続されるわけではありません。(日本では、もし仮に分割出願の請求項に親出願の審査において拒絶された発明が含まれていると、最初の審査通知であっても、最後の拒絶理由通知への応答の場合と同様に補正の制限が課される。要するに削除、減縮、誤記訂正、明瞭化の目的の補正のみが可能で、新たな特徴を付加するような補正は許可されない。)

欧州では、拒絶査定になってしまったら、欧州特許庁の審判部(Board of Appeal)における拒絶査定不服審判で争いますが、原則その先はありません。即ち、拒絶査定不服審判で特許性を認められないと特許は不成立ということになります。以前は、日本と同様に分割出願を行って延命するという方法があったのですが、2010年の法改正により、分割出願の時期と機会が制限され、拒絶査定を受けた際の延命措置としての分割出願は実質的に不可能になりました。

RCEが可能な時期

審査終結状態にある(prosecution is closed)が、出願が生きている段階であれば請求することができます。具体的には、例えば、以下のような状況で、RCEが可能です。

・ 最後の審査通知(Final Action)発行後で且つ出願放棄確定前

・ 許可通知(Notice of Allowance)発行後で且つ登録料納付前

・ USPTO審判部における審判係属中

審判請求書(Notice of Appeal)提出後に、RCEした場合には、審判請求は取り下げられたとみなされ、審査が再開されます。

審査中で最新の審査通知がfinalで無い場合には、RCEは認められません。

RCE申請手続き

RCEの申請は、料金(large entityで$930、small entitiyで$465)の支払いと共に、RCE申請フォームと以下の書類を提出することが必要です。

出願の状態 RCE請求時に提出する必要がある書類
最後の審査通知(Final Action)後 最後の審査通知に対する応答(既に提出済みの場合は、原則的に必要無し)
査定系クウェイル通知*(Ex Parte Quayle action)後  (*方式的不備を訂正すれば特許査定となる旨を通知するもの) Ex Parte Quayle actionに対する回答
許可通知(Notice of Allowance)後 IDS、補正、新たな議論、新たな証拠など
審判請求後 最後の審査通知に対する応答(例えば、提出済みの審判理由書や審判部の見解に対する答弁書における議論を援用する旨の上申書)


RCEを提出する状況で一番多いのは、Final Actionを受けて補正書、意見書、証拠などを提出したが、それが新たな争点(New Issue)を提起するものであって考慮出来ないとの指摘をUSPTOから受けて、その対応としてRCEを提出するという状況だと思います。そのような場合に、単に提出済み書類を考慮させたいのであれば、RCE申請フォームと料金を支払うだけで済みます。そしてRCEにより審査が再開され、審査官はFinal Action後に提出したクレームの補正や証拠を考慮した上で、non-finalの審査通知若しくは許可通知(Notice of Allowance)を発行します。

RCEに関する注意事項

場合によっては、折角RCEしたのに、RCE後の最初の審査通知がFinal(しかもRCE前のFinal Actionと同じ拒絶理由)となってしまうことも有りますので注意が必要です。

具体的には、以下の2つの要件が同時に満たされると、RCE後の最初の審査通知がFinal Actionとなってしまいます。

(1) RCE前のクレームとRCE後のクレームとが同一である。

(2) RCE後の審査における拒絶の理由がRCE前の審査における拒絶の理由と同一である。

このような状況になるのは、例えば、Final Actionに対して補正を行わず単に反論のみを提出した場合、Final Actionに対に対する回答が間に合わず、延命措置としてRCEを提出した場合などが挙げられます。

上記のような状況になる可能性がある場合には、RCEと同時若しくはRCE後、速やかに何らかの補正を提出するなどの手段を講じることが望ましいです。その際の補正は純粋に形式的なものでよく、例えば、得に重要でない特徴に関する従属クレームの追加などでも構いません。また、そのクレームが不要であれば、後で削除することもできます。

もしも補正や新たな証拠を提出する予定があるが、準備に暫く時間がかかるような場合には、RCEと同時又はその直後に審査の一時中断を申請する(Request for a 3-month Suspension of Action by the USPTO under 37 CFR 1.103 (c))ということも考えられます。

RCE制度の現状と今後

上記したようにRCEの回数を制限しようとするルール改正は断念されましたが、近年、別の手法でRCE制度の利用を抑制する方向の動きが見られます。

USPTOにおける処理スケジュール

1つは、2009年11月15日から導入されている新たな管理体制です。

以前は、原則として、審査官はRCE後2ヶ月以内にアクションを出すことが求められており、RCEにより、審査が大きく遅れるようなことはありませんでした。しかし、2009年11月15日以降は、RCEが請求された件は、“special new” docket に入れられることになり、そこでは「2ヶ月以内」という制約はなく、審査官は、自らの仕事の負荷に応じて比較的自由なスケジュールで処理することが許されています。

これに伴い、最近は、RCE後の処理の遅れが目立つようになってきています。米国特許庁のウェブサイトで提供されているPAIR(Patent Application Information Retrieval)システムで、出願の経過を確認することができますが、最近は、RCEを請求すると、その後 “Docketed New Case—Ready for Examination” という状態になったまま長らく動きが止まってしまいます。RCE後、半年以上経過してもアクションが出ないケースもあります。

RCE請求の手数料の値上げ

RCEを利用するために、米国特許庁へ支払う料金は、それが何回目の請求であるかに関わらず1回のRCEにつきlarge entityで$930、small entityで$465であったものが、2013年3月19日以降は、一回目のRCEの料金がlarge entity$1,200、small entity$600に、二回目以降のRCEの料金がlarge entity$1,700、small entity$850に値上げされます(2013年1月18日に公表された新料金)。

RCEを不要にする制度の試行

RCE等を利用せずに、審査の効率化を図る目的で以下のような試行プログラムが実施されています。

・ After Final Compact Prosecution (AFCP) 試行プログラム (試行期間:2013年5月18日まで(当初、2012年6月16日までの予定だったが延長された))

現行の規則に従えば、最終庁指令通知(Final Office Action)後に提出された補正や証拠を審査官に考慮させるためには、RCE等の手続きが必要になることが多いが、AFCP試行プログラムでは、Final後に提出された補正や新たな証拠について、限定的な(特許で約3時間、意匠で約1時間以内で済むような)検討や調査によって、該補正や証拠により特許査定できるとの判断が可能な場合、RCE等を行わずに補正や証拠を審査官に考慮させることが可能。

・ Quick Path Information Disclosure Statement (QPIDS)試行プログラム(試行期間:2013年9月30日まで(当初、2012年6月16日までの予定だったが延長された))

米国の現行のシステムにおいては、登録料支払い後にIDSを提出して考慮させる為には、RCEや継続出願が必要だが、QPIDS)試行プログラムでは、登録料支払い後にIDSをUSPTOに考慮させることが可能。


特にAFCPは、試行期間が延長されましたが、出願人や実務者にとって非常に有益な試みであり、常設的なプラクティスとなることが望まれます。これまでは、審査の経緯や審査官の主張の趣旨から考えて、本格的な検討や調査を行わずとも、出願を特許可能な状態にできることが明らかな補正や証拠であっても、Final後は、新たな争点(New Issue)を提起するものであって考慮できないとの指摘を受け、結局、RCEや審判請求が必要になってしまい、非合理的なプラクティスだと感じていた出願人や実務者も多いはずです。そのような指摘も受けての試行プログラムでしょうから、本格実施へ移行する可能性も十分にあると考えられます。

2000年に導入されて以来、盛んに利用されてきたRCE制度ですが、上記のことから分かりますとおり、近い将来、その運用が大きく変わる可能性があります。

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米国(4): 情報開示義務(IDS)

米国出願に関して、以前からかなり神経質な管理を要する制度でしたが、米国連邦控訴巡回裁判所(CAFC)大法廷の判決(Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))において、Inequitable Conduct (不衡平行為もしくは不公正行為)の判断基準が引き上げられて、その立証が困難になり、さらに2011年の法改正(AIA, America Invents Act)により、Inequitable Conduct (不衡平行為)回避の目的で利用できるSupplemental Examination(補足審査又は補充審査)制度(2012年9月16日から施行)が導入されることになっており、関連情報をIDSとして提出しなかったことが不衡平行為と認められて特許が権利行使不能(unenforceable)となる事例は激減すると見込まれています。

しかし、上記のTherasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co.のケースでは、結局、差し戻された地裁において、CAFC大法廷により引き上げられた基準に基づいてもInequitable Conduct (不衡平行為)があったと判決されました。また2012年9月16日から施行される上記のSupplemental Examination(補足審査又は補充審査)制度を利用するためには、本稿の最後で説明致しますが、非常に高額な手数料を米国特許庁に支払う必要があります。そのような事情を考慮すると、基本的にはこれまでの管理体制を変えないことが望ましいと考えられます。以下、具体的に説明いたします。

概要と近年の動向

情報開示義務は、37 CFR 1.56に定められており、これによると、出願人とその関係者は、特許性に関する重要な(material)情報(対応外国出願のサーチレポートにおける先行技術を含む)を公正かつ誠実に提供する義務を有します。この開示義務に違反して特許を取得したと認められた場合は、Inequitable Conduct (不衡平行為若しくは不公正行為)があったとみなされ特許権の行使が出来なくなってしまいます。

米国の特許訴訟において、これまでは情報開示義務違反によるInequitable Conduct (不衡平行為)の訴えは極めてポピュラーな攻撃手段でありました。米国での特許訴訟の実に約8割において、不衡平行為の主張がなされています。

特許の有効・無効の争いであれば、クレームベースですので、あるクレームが無効と判断されても他のクレームが有効であれば権利は残りますが、情報開示義務違反によるInequitable Conduct(不衡平行為)を認められれば、一切の権利行使が不可能になってしまいます。しかも、場合によっては、関連の特許にまで影響を及ぼすこともあります。

従って、これまでは出願人は、かなり神経質に関連の有りそうな文献は全て提出するということを行っていましたが、この不衡平行為による訴訟費用の高騰や手続遅延などが問題視され、上記Therasense事件におけるCAFC大法廷の判決、2011年9月の法改正による補足(補充)審査(Supplemental Examination)制度の導入(2012年9月16日から施行)と、特許訴訟におけるInequitable Conduct(不衡平行為)の主張を抑制する方向の動きが顕著になってきています。

情報開示義務の規定(37 CFR 1.56)

米国においては、特許性に関する重要(material)な情報について、出願に関係する者(発明者、弁護士・弁理士、その他出願手続に関与した者)は公正かつ誠実に提供する義務があります。

提出すべき情報には、対応外国出願のサーチレポートにおける先行技術などが含まれ、そのような情報を、情報開示申告書(Information Disclosure Statement; IDS)として提出します。この開示義務を怠った場合には特許は認められません。

IDSは、登録料(issue fee)支払までであれば提出することができます(37 CFR 1.97(d))。

出願から3ヶ月以内または最初の審査通知(拒絶理由通知又はNotice of Allowance)発行のうち何れか遅い方までであれば、提出料は不要です(37 CFR 1.97(b))。

上記以後は、提出料[$180(37 CFR 1.17(p))]が必要になります。更にこの場合、IDSとして提出する情報は、出願人がそれを知ってから若しくは外国の特許庁に引用されてから3ヶ月以内に提出する必要が有り、その旨を説明する陳述書を提出することが必要です(37 CFR 1.97(e))。3ヶ月を経過しているような場合には、その情報をIDSとして考慮させる為には、継続出願または継続審査要求(RCE)をすることが必要になります。

また、登録料支払い後にIDSを提出する際も、それを考慮させる為には、継続出願または継続審査要求(RCE)をすることが必要になります。(但し、2013年3月23日までの暫定的な試行プログラムとして、登録料支払い後にIDSをUSPTOに考慮させることを可能にするQuick Path Information Disclosure Statement (QPIDS)が実施されています。)

不衡平行為(inequitable conduct)

特許成立後に、情報開示義務違反が認められると、権利行使不能(unenforceable)となってしまいます。

以前は、情報開示義務違反の判断基準には、"sliding scale"と称されるアプローチが採用されていました。これは、情報開示義務違反を有無を、以下の2つの要件のバランスで判断するものです:

(1)開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性、及び

(2)情報隠蔽の意図の存在の明確性

即ち、sliding scaleアプローチにおいては、(1)の重要性が高ければ、(2)の明確性が低くても不衡平行為(inequitable conduct)認められ、逆に(1)の重要性が低くても、(2)の明確性が高ければ、不衡平行為(inequitable conduct)認められるということになっていました。

しかし、米国連邦控訴巡回裁判所(CAFC)大法廷の判決(Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))において、(1)の重要性と(2)の明確性が共に十分に高いことが立証された場合にのみ不衡平行為があったものと認定すべきと判示されました。

上記(1)の「開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性」については、"But For" Materialityと称される基準に基づいて判定されこととなりました。この基準に従うと、出願人が開示しなかったことが不衡平行為(inequitable conduct)と認められるような先行技術は、もしその先行技術を審査の段階で審査官が知っていたならば、特許許可されなかったであろうと言えるようなものということになります。(但し、出願人側に積極的な悪質不正行為(affirmative egregious misconduct)があったと認められる場合には、"But For" Materiality基準による重要性の立証は不要。)

上記(2)の「情報隠蔽の意図の存在」については「明白且つ説得力のある証拠」(Clear and Convincing Evidence)が要求されます。

以上のようなことから、現在では、不衡平行為(inequitable conduct)の訴えが認められる可能性は相当低くなったと思われます。しかし、上記のTherasense事件のCAFC大法廷からの差し戻し審においては、出願人が、関連のある先行技術の開示内容について、USPTOに対して提出した宣誓書の内容と矛盾した内容の意見書をEPOに提出しながら、このEPOに提出した意見書を、IDSとしてUSPTOに提出しなかったという事実に基づいて、「開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性」及び「情報隠蔽の意図の存在の明確性」の基準を共に満たすとして、不衡平行為の存在が認められてしまいましたので、やはり油断は禁物です。

2012年9月16日から施行されている上記の補充審査(Supplemental Examination)制度は、不衡平行為回避のために導入されるものですが、上記Therasense事件のように、訴訟になってから相手側(被疑侵害人)に初めて指摘された事実に対する補充審査は認められません。補充審査については以下に具体的に説明します。

補充審査(Supplemental Examination)

補充審査制度においては、IDSとして提出し忘れた情報が有っても、その情報を提出しなかったことが情報開示義務違反に当たるかを特許庁に判定してもらい、もし違反に当たるようならば、当該情報に関する再審査を請求できるようになりました。

現行の査定系再審査(ex parte reexamination)も、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)回避の目的で利用できます。この査定系再審査は、2011年の法改正後も特に変更なく維持されます。しかし、補充審査(Supplemental Examination)の導入により、Inequitable Conduct回避の機会は広がりました。

査定系再審査(ex parte reexamination)と補充審査(Supplemental Examination)の違いは以下のようになります。

(1)審査段階でIDSとして提出されなかった情報の種類

査定系再審査: 特許文献又はその他の印刷刊行物に限定されていた。

補充審査: 特に制限がなく、例えば、非公開の情報や販売の申し出を示す情報なども含む、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)の根拠となり得る全ての情報が審査の対象になる。

(2)当該情報の関連性

査定系再審査: "substantial new question of patentability"(特許性に関する実質的に新たな問題)が提起されることが要求されている。

補充審査: 特に制限なし。補充審査で提示された情報に関して、特許性に関する実質的な新たな問題があると判断された場合には、査定系再審査(ex parte reexamination)への移行を命じられる。

IDSとして提出されなかった情報について補充審査を受け、「特許性に関する実質的に新たな問題」が無いと判断されたか、その後の査定系再審査の結果、特許性が認められれば、後に特許訴訟に発展しても、当該情報をIDSとして提出しなかったことが情報開示義務違反(Inequitable Conduct)と認められることはありません。

尚、補充審査(Supplemental Examination)制度は、2012年9月16日から施行され、出願日・登録日を問わずすべての特許に適用される予定です。但し、権利行使を検討していて、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)の恐れがある場合には、警告状の送付や訴訟を提起する前に、補充審査を受けておくことが重要です。補充審査、若しくはその後の査定系再審査の結果に基づく免除権を享受するためには、侵害訴訟を起こす前に、この補充審査が完了していなければなりません。また、Declaratory Judgement Action(確認訴訟:通常、特許権者から侵害者として警告状を受けた者が、非侵害である若しくは特許無効であるとの司法判断を引き出すために提起する)が係属中に、補充審査を請求しても、上記の免除権を享受することはできません。

補充審査の手数料

以上のように、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)回避のための新たな手続きとして注目をあつめている補充(補足)審査(Supplemental Examination)制度ですが、2013年1月18日に発表された最終的な施行規則によると、以前よりはかなり値下げされましたが、それでも非常に高額な費用設定となっています。具体的には、補充審査(Supplemental Examination)請求時に米国特許庁に対して支払う必要がある費用は、$16,500 [*内訳: 補充審査(Supplemental Examination)請求 $4,440 + 査定系再審査(ex parte reexamination)請求 $12,100]であり、査定系再審査が不要となった際("substantial new question of patentability"が無いと判断された場合)には、査定系再審査(ex parte reexamination)費用$12,100が払い戻されるということになっています。

従って、気軽に利用できる手続きとは言えませんが、訴訟における不衡平行為(inequitable conduct)の抗弁には多大な手間と費用を要すること、更には権利行使不能となる可能性を考慮すると、有用な手続きであるということには違いありません。

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特許  米国  出願  クレーム  発明  提出  必要  EPO  RCE  米国特許  費用  上記  以下  審査  拒絶  or  patent  先行技術  判断  サーチレポート  可能  手続  出願人  移行  IDS  利用  審査官  主張  開示  適用  USPTO  要求  対象  an  対応  説明  可能性  請求  要件  制度  プログラム  出来  検討  制限  特許庁  外国  規定  外国出願  公開  通常  変更  情報  考慮  理由  具体的  存在  問題  手数料  明確  拒絶理由  Action  AIA  米国出願  月以内  審査通知  無効  支払  発明者  EP  文献  Examination  規則  at  意見書  技術  最初  登録  特許性  引用  art  継続出願  拒絶理由通知  非常  基準  rce  採用  出願日  宣誓書  事件  重要  実施  十分  最後  補充  Notice  改正  証拠  提供  以前  内容  new  有効  結果  権利  不要  判決  試行  導入  概要  補充審査  現在  通知  再審査  近年  特許権者  許可  根拠  examination  行為  関連  実質的  QPIDS  発行  種類  権利行使  米国特許庁  施行  影響  目的  以上  限定  サーチ  侵害  issue  取得  判断基準  訴訟  Statement  Supplemental  最終的  特許権  基本的  ケース  手段  違反  parte  法改正  under  意図  指摘  顕著  立証  維持  Fed  査定系再審査  アプローチ  確認  提示  reexamination  相当  見込  Conduct  Inequitable  予定  Act  提起  不衡平行為  困難  Invents  America  高額  段階  回避  発表  CFR  CAFC  継続  施行規則  so  審査段階  結局  機会  ex  Cir  重要性  弁理士  義務  認定  特許許可  情報開示義務  送付  re  fee  成立  情報開示義務違反  不可能  Information  現行  販売  判示  特許訴訟  特許無効  意見  form  抑制  関係  経過  登録料支払  Disclosure  特許成立  注目  事情  Allowance  継続審査  Ex  有無  開示内容  当該  question  管理  宣誓  inequitable  弁護士  登録料  査定系  裁判所  暫定  conduct  大法廷  明確性  substantial  係属中  Therasense  プロ  Path  firm  補足  刊行物  関与  事例  Quick  矛盾  説得力  不可  material  Evidence  免除  享受  値下  積極的  Clear  攻撃  相手  banc  方向  情報開示  行使  patentability  her  判定  権利行使不能  am  継続審査要求  レポート  完了  Convincing  ベース  関連性  侵害訴訟  侵害者  警告状  警告  手間  出願手続  気軽  内訳  情報開示申告書  暫定的  最終  事実  unenforceable  以内  有用  問題視  陳述書  ratio  控訴  ability  裁判  本稿  誠実  明白且  part  Becton  Dickinson  当該情報  一切  公正  特許文献  exam  不公正行為  FR  開示義務  陳述  非公開  バランス  able  補足審査又  補充審査制度  請求時  説明致  査定  抗弁  情報隠蔽  up  reexam  改正後  提出料  開示義務違反  費用設定  遅延  対応外国出願  関連情報  神経質  以後  法改正後  動向  米国連邦控訴巡回裁判所  不正行為  不正  管理体制  免除権  先行  出願人側  特許成立後  体制  発展  係属  地裁  クレームベース  説得  設定  訴訟費用  行為若  多大  State  low  Materiality  force  ed  scale  All  But  sliding 

宣誓供述書の書き方について(2):米国(Part 2)

[例2] この例においては、[例1]のように宣誓供述書の供述内容を別紙のExhibit(甲号証又は乙号証)とはしていません。また、発明者以外によって署名された例です。

内容としては、医療装置(変形爪の矯正装置)に関する二次的考慮事項(商業的成功など)に関して提出したものです。(米国出願の中間処理において弊所が実際に提出したものに基づいていますが、固有名詞・用語・数値などは適宜変更してあります。)

(商業的成功に関する宣誓供述書の書式の1例)

IN THE U.S. PATENT AND TRADEMARK OFFICE

Applicant:Taro YAMADA
Serial No.:XX/XXX,XXX
Filed:XXXX, 20XX
For:APPARATUS FOR CORRECTING AN INGROWN NAIL
Art Unit:3772
Examiner:Dan HICKS

 



DECLARATION UNDER 37 C.F.R. 1.132

 

    I, Goro Kimura, a Japanese citizen residing at XXXX, Tokyo, Japan, declare and say: 
    I was graduated from the Faculty of Medicine, XXX University in March 2005.
    In April 2005, I entered XYZ Clinic where I have been practicing the treatment of hallux valgus and ingrown nails.
    I am well familiar with the present case.
    I read and understood the Office Action dated XXXX, 2011 and references cited therein. I have carried out treatments of ingrown nails with the apparatus disclosed in claim 1 of the present application at XYZ Clinic following the instructions given by Mr. Taro Yamada who is the director of the clinic and is the inventor of the present application. Some of the results of the treatments are as reported in the website of XYZ Clinic at http://www.adcdefg-hijk.com.
    In the website, three cases of treatments are reported.  The treatments were performed using an apparatus as shown in Fig. A attached hereto.  As can be seen from Fig. A, the apparatus falls within the scope of claim 1 of the present application.
    As to the three cases (cases 1 to 3), the nails before and after the treatments are shown in Figs. B, C and D attached hereto, which are also shown at the above-mentioned website of XYZ Clinic.  In each of the tree treatments, the apparatus as shown in Fig. A was used as mentioned above.  Further, the reagents and operations in cases 1 to 3 were substantially the same as recited in Example 1 of the present application (paragraphs [00XX] to [00XX] of the specification of the present application) except that the inclination angle A of the lifting members, the lifting intervals and the nail correcting force were slightly varied depending on the characteristics of the ingrown nails of the patients.  As reported in the website of XYZ Clinic, the details of cases 1 to 3 are as follows.

Case 1:
Patient's gender and age:
    A female in her 30's.

Patient's background: 
    The patient wished to avoid a painful treatment because she had heard her acquaintance's report about having received a very painful operation for correcting an ingrown nail at another hospital which seemed to have been carried out without anesthesia.  The patient came to XYZ Clinic because she was attracted by the painless treatment of this clinic.

Results:
    The ingrown nail was corrected as shown in Fig. B by a single treatment which took about only 30 minutes.  The patient was satisfied with the results of the treatment because the ingrown nail had been corrected without feeling any pain during and after the treatment.

Case 2:
Patient's gender and age:
 
    A female in her 40's.

Patient's background: 
    The patient had a previous experience of nail-correction using a wire device which is to be hooked to the edges of the ingrown sides of the nail and is designed to lift the ingrown sides by pulling the hooked portions of the wire toward the center of the nail.
    However, she needed to go to the hospital so frequently that it became troublesome to her. As a result, the patient stopped going to the hospital before the completion of the nail correction.
    The patient also had a previous experience of nail-correction using a correction plate which is to be adhered on the surface of an ingrown nail and lifts the ingrown sides of the nail by the spring force of the plate, but the plate came off from the nail soon.

Results: 
    The ingrown nail was corrected as shown in Fig. C by performing twice an approx. 30-minute treatment, and the patient was pleased with the result.

Case 3:
Patient's gender and age: 
    A female in her 50's.

Patient's background: 
    Previously, the patient had her ingrown nail corrected by treatment using a wire device similar to that used by the patient of case 2, which treatment lasted about 18 months. However, the ingrown nail recurred after the termination of the treatment.

Results: 
    The ingrown nail was corrected as shown in Fig. D by a single approx. 30-minute treatment.  During and after the treatment, the patient did not feel any pain nor uncomfortable feeling.

    Finally, it should be added that almost all of the 900 patients having received this treatment so far were very satisfied with the results.

    From the above, it is apparent that the apparatus of the present invention surely enables the correction of an ingrown nail within a very short period of time, 1.e., within about 30 minutes to about 1 hour, with a very simple operation and without causing any pain nor uncomfortable feeling to the patent.
    Thus, the apparatus of the present invention has realized a surprisingly easy and effective treatment which is far more advantageous than the conventional surgical removal method which is complicated, cumbersome and is accompanied by pain during or after the surgery and risk of microbial infection, and the conventional treatments using various correction devices or apparatuses which are in many cases not so effective and require very long treatment periods.

    The undersigned petitioner declares that all statements made herein of his own knowledge are true and that all statements made on information and belief are believed to be true; and further that these statements were made with the knowledge that willful false statements and the like so made are punishable by fine or imprisonment, or both, under Section 1001 of Title 18 of the United States Code and that such willful false statements may jeopardize the validity of the application or any patent issuing thereon.

Date:

(宣誓者の署名)
Goro Kimura

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米国  出願  発明  提出  application  or  be  patent  弊所  宣誓供述書  Japan  an  Japanese  not  with  design  変更  考慮  Final  claim  実際  Action  米国出願  period  Office  発明者  date  at  one  rce  invention  present  after  any  内容  has  treatment  above  epo  report  only  been  www  case  within  書式  such  use  other  may  months  will  以外  we  more  should  method  under  specification  than  made  事項  mentioned  results  all  but  中間処理  having  処理  Act  also  same  inter  information  was  there  用語  go  Art  nail  both  so  Case  ex  effective  about  医療  University  following  ingrown  time  scope  re  parent  fee  month  similar  each  end  without  residing  However  single  供述内容  署名  中間  Applicant  April  before  Further  装置  Exhibit  treatments  form  using  cases  XXXX  long  statements  成功  further  patient  out  XX  shown  inventor  need  state  Tokyo  数値  United  because  Ex  many  Examiner  during  有名  Mr  used  宣誓  PATENT  were  States  very  宣誓者  correction  substantial  follows  given  XXX  some  where  experience  ep  carried  Clinic  side  knowledge  recited  well  had  商業的成功  true  reference  who  like  供述書  cited  details  another  apparatus  device  declare  Fig  therein  these  willful  satisfied  petition  references  various  her  別紙  per  pending  Patient  see  Date  three  am  XYZ  Title  received  website  back  term  corrected  his  herein  result  March  statement  OFFICE  nor  Example  EC  citizen  convention  members  disclosed  dated  thereon  understood  valid  undersigned  二次的考慮事項  固有名詞  web  vice  宣誓供述  instruction  portion  issuing  depending  require  reported  ratio  nails  background  added  act  performed  petitioner  plate  closed  kg  less  pain  specific  DECLARATION  she  false  surely  far  substantially  how  Faculty  believed  feeling  apparent  female  devices  attached  familiar  complicated  conventional  発明者以外  How  20XX  Taro  Thus  UNDER  TRADEMARK  advantage  able  適宜変更  Results  say  late  wire  instructions  short  show  sides  own  previous  please  perform  商業的  minute  now  most  took  surface  hospital  ground  graduated  hereto  gender  二次的  乙号証  Section  Serial  Some  State  Re  painful  operations  operation  YAMADA  man  lifting  advantageous  accompanied  low  minutes  Unit  read  Kimura  punishable  red  periods  performing  patients  practicing  fr  declares  forming  force  hooked  correcting  except  effect  entered  enables  ed  fine  easy  became  invent  jeopardize  belief  believe  almost  approx  imprisonment  clinic  inform  came  characteristics  validity  uses  surgical  surprising  uncomfortable  site  simple  Code  signed  DE  Goro  toward  00XX  Finally  Filed 

宣誓供述書の書き方について(1):米国(Part 1)

今回は、米国出願における37 C.F.R. § 1.132に基づくDeclaration又はAffidavit(以下、纏めて「宣誓供述書」と証す)の書式についてご説明します。(宣誓供述書で証明が可能な事項については、こちらで説明しております。)

1.形式的な要件

 宣誓供述書に記載する事項は、以下の通りです。

① 「IN THE U.S. PATENT AND TRADEMARK OFFICE」と冒頭に記載する。
② 出願を特定する情報(出願人、出願日、出願番号、審査官の氏名など)。
③ 「DECLARATION UNDER 37 C.F.R. 1.132」という表題。
④ 宣誓者(declarant)の情報、具体的には、氏名、住所、最終学歴、職歴(職歴は、宣誓者として相応しいことを示すことができる限り、「~の研究や開発」という程度で構わない)。こちらでも説明しました通り、宣誓者としては、客観性の観点からは発明者以外が好ましいとされていますが、発明者でも支障はありません。
⑤ 宣誓者と本出願との関係。宣誓者が本出願の現状を理解していること。
⑥ 具体的な供述内容。
⑦ 供述内容に虚偽が無いことの宣誓。
⑧ 署名と日付。

2.供述内容

宣誓供述書を提出する状況として最も多いのは、自明性の拒絶を受けて、それに対して予想外の結果(unexpected results)を証明する場合であると思います。その場合の注意事項を以下に挙げます。

当然のことながら、回答の方針を念頭に入れて作成する必要があります。できれば、宣誓供述書を考慮させたただけで、自明性の拒絶理由が撤回されるような内容にすることが望ましいです。

これに関連して、実験報告書の原案を発明者の方が作成し、それを実質的にそのまま翻訳して提出してしまうということが実務上よく行われています。そして発明者の方は、技術の専門家ではありますが特許の専門家ではないために、必ずしも的確とは言えない内容の宣誓供述書になってしまっているというケースを目にすることがあります。その場合、いかに審査官が供述内容を真摯に検討しようとも、拒絶の撤回の根拠とはならないという状況に陥ってしまいます。従って、少なくとも発明と拒絶理由の内容を完全に理解した国内代理人に宣誓供述書の和文ドラフトを作成させて、それを翻訳させることが望ましいと考えます。(弊所では、必ず発明と拒絶の内容を理解した担当者本人が、英語で宣誓供述書を作成します。)

供述内容の決定手順の例を以下に挙げます。

① 現時点(補正後)のクレームの範囲を把握する。

② 先行技術との違いを特定する。

③ 上記の違いによって効果に差が生じるということが明確になるようなデータを取得する(実施例と比較例の結果の相違がこの特徴の違いに起因することが明確になるような条件設定とし、ここで行う比較実験が先行技術の再現実験として認められるような条件を採用しているかなどの点に留意する)。

④ 発明の特徴と効果の因果関係が明確になるようにデータの提示手段を工夫する。

⑤ データの量が不充分とみなされる可能性がある場合、既存のデータに基づいて、その結果がデータ不足分にも適用が可能であることを、合理的に説明する。場合によっては、公知文献に参照する。

⑥ 結論部(Conclusion)において、提示したデータが非自明の根拠として十分であることを簡潔に整理して説明する。

3.具体例

具体的な宣誓供述書の例を下記に示します。(米国出願の中間処理において弊所が実際に提出したものに基づいていますが、固有名詞・用語・数値などは適宜変更してあります。)

[例1]この例は、新たな実験を行うのではなく、明細書の実施例のデータに基づく考察を行って、結論を述べているものです。

供述内容が長くなる場合や、実験証明書を別途添付したい場合には、下記の例のように詳細をExhibit No.(書証番号、日本での甲号証や乙号証に相当)を付した別紙に記載します。

この例では別紙のExhibit 1において実施例のデータに基づく考察を詳しく行い、上記「⑤ 具体的な供述内容」でその内容を要約して述べています。もちろん、新たな実験に基づく宣誓供述書の場合は、別紙のExhibitにおいてその新たな実験の詳細と結果を述べて、上記「⑤ 具体的な供述内容」でその内容を要約して述べます。

宣誓供述書で結論を含む概要を述べ、詳細は別紙のExhibitとすることのメリットとしては、特に供述内容が長かったり複雑である場合に、審査官に先ず宣誓供述書で供述内容の概要を把握させ、その後、別紙のExhibitに記載された詳細により供述内容の合理性を判断させることにより、供述内容を容易且つ確実に理解してもらえるということが挙げられます。

尚、宣誓者(署名する人)の人称ですが、以前は弊所の実務として"he"や"she"などの三人称を使用しておりましたが、米国の代理人より一人称の"I"を使用するようにとのアドバイスを受けて、現在はこれに従っています。

(明細書の実施例のデータに基づく宣誓供述書の書式の1例)

IN THE U.S. PATENT AND TRADEMARK OFFICE

Applicants: Ichiro SUZUKI et al.
Serial No.: XX/XXX,XXX
Filed: June 10 20XX
For: POLYETHYLENE TEREPHTHALATE RESIN
Art Unit: 4133
Examiner: Thomas More


DECLARATION UNDER 37 C.F.R. 1.132

I, the undersigned, Ichiro SUZUKI, a Japanese citizen, residing at xxxxx, Akasaka 1-Chome, Minatoku, Tokyo 107-0052 Japan, hereby declare and state that:
I took a master course at the Department of Applied Chemistry, School of Engineering, ABCDE University, and I was graduated therefrom in March 1990.[*博士号取得者の場合: I was graduated in 1985 from the Department of Applied Chemistry, Faculty of Engineering, ABCDE University, and took a doctor course in the Graduate School of Engineering, ABCDE University, majoring in applied chemistry, from which I was granted the degree of doctor in 1990.]
I entered FGHIJ Polymer Chemical Co., Ltd. in April 1990.
I have been engaged in the research and development of high performance polyester resins from April 1990 to date.
I am one of the applicants of the above-identified application and I am well familiar with the present case. I have read and understood the Office Action dated October 10, 2007 and the references cited therein.
I carried out Examples 1 to 25 and Comparative Examples 1 to 20 of the present application, and the results are as described on pages 160 to 220 of the specification of the present application.
I have made observations, with reference to Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1, 4 and 9 of the present application, to show that both of the side reaction index (C) requirement (i.e., less than 0.055) of step (1) and the "molten state" requirement of step (2) of the method of claim 4 of the present application must be satisfied for producing the polyethylene terephthalate resin of the present invention which possesses all excellent properties recited in claim 1 of the present application. (Hereinafter, the former requirement is simply referrred to as "side reaction index (C) requirement", and the latter requirement is simply referred to as "molten state requirement".)  The method and results are as described in a paper attached hereto and marked "Exhibit 1".

From the results of Exhibit 1, it can be fairly concluded:
that, as shown in Table A in Exhibit 1, the process employed in each of Examples 1 and 2 satisfies all requirements of claim 4 of the present application, whereas:

each of Comparative Examples 1 and 4 employs a crude PET resin having a C value of 0.082 and, hence, do not satisfy the side reaction index (C) requirement, and 

Comparative Example 9 employs a solid-phase polymerization process and, hence, does not satisfy the molten state requirement

that the results of Examples 1 and 2 (i.e. the properties of the PET resins obtained) are excellent; specifically, the obtained PET resins possess all of the target properties recited in claim 1 of the present application (Table B in Exhibit 1);

that the results of Comparative Examples 1 and 4 are poor in that the PET resins obtained in Comparative Examples 1 and 4, respectively, exhibit cyclic polymer contents (% by weight) of 3.45 and 3.34, which exceed the upper limit (not greater than 3 % by weight) recited in claim 1 of the present application (Table B in Exhibit 1);

that the results of Comparative Example 9 are poor in that the obtained PET resin not only exhibits a molecular weight distribution (Mw/Mn) of 3, which exceeds the upper limit (from 2 to 2.7) recited in claim 1 of the present application, but also exhibits disadvantageously high crystallinity of 55 (which causes high brittleness)  (Table B in Exhibit 1);

that, thus, through a comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Examples 1 and 4, it is clear that the polyethylene terephthalate resin of the present invention cannot be obtained when the crude PET resin used does not satisfy the side reaction index (C) requirement; in other words, the side reaction index (C) requirement is critical for producing the polyethylene terephthalate resin of the present invention which possesses all excellent properties recited in claim 1 of the present application;

that, further, through a comparison between Examples 1 and 2 and Comparative Example 9, it is clear that the polyethylene terephthalate resin of the present invention cannot be obtained by a solid-phase polymerization process that is a representative conventional process; in other words, the molten state requirement is also critical for producing the excellent polyethylene terephthalate resin of the present invention;

that Comparative Example 9 also shows that, even in the case where the requirements of step (1) of the method of claim 4 (including the side reaction index (C) requirement) are satisfied, the excellent PET resin of the present invention cannot be obtained when the molten state requirement is not satisfied;

that thus, it is apparent that the polyethylene terephthalate resin of the present invention which possesses all excellent properties recited in claim 1 of the present application can be obtained only when the process employed satisfies both of the side reaction index (C) requirement and the molten state requirement.

The undersigned petitioner declares that all statements made herein of his own knowledge are true and that all statements made on information and belief are believed to be true; and further that these statements were made with the knowledge that willful false statements and the like so made are punishable by fine or imprisonment, or both, under Section 1001 of Title 18 of the United States Code and that such willful false statements may jeopardize the validity of the application or any patent issuing thereon.

Date:

(宣誓者の署名) Ichiro SUZUKI

タグ:

特許  米国  出願  クレーム  発明  日本  補正  記載  提出  必要  明細書  上記  以下  application  翻訳  審査  効果  拒絶  or  be  patent  先行技術  判断  可能  弊所  英語  宣誓供述書  出願人  比較  審査官  適用  データ  作成  Japan  実施例  an  範囲  説明  可能性  要件  メリット  Japanese  検討  not  with  変更  情報  考慮  理由  具体的  特徴  claim  明確  実際  拒絶理由  使用  Action  米国出願  Office  特定  発明者  公知  action  EP  文献  date  at  技術  容易  one  art  採用  出願日  invention  注意  実験  present  実施  十分  after  any  以前  内容  理解  has  grant  search  結果  観点  概要  現在  状況  above  詳細  根拠  形式  関連  実質的  only  been  www  case  決定  参照  代理人  書式  such  use  other  自明性  pace  may  条件  取得  証明  phase  will  以外  ケース  自明  手段  we  method  under  当然  specification  合理的  than  between  made  事項  results  提示  充分  all  but  right  相違  相当  中間処理  having  処理  Act  must  国内  also  through  information  process  resin  was  there  用語  専門家  Art  requirement  程度  applicant  回答  実務  step  具体例  比較例  both  so  excellent  ex  high  University  Engineering  時点  下記  even  re  parent  granted  each  residing  確実  今回  Declaration  供述内容  署名  中間  Applicant  April  完全  予想外  担当  identified  obtained  Exhibit  Examples  form  Applicants  関係  現時点  注意事項  statements  公知文献  further  撤回  SUZUKI  out  XX  shown  including  state  producing  Tokyo  数値  properties  United  reaction  Ex  Examiner  有名  日付  Comparative  Ichiro  used  宣誓  do  PATENT  referred  does  were  States  宣誓者  Affidavit  simply  index  念頭  添付  手順  requirements  respect  XXX  補正後  where  inoue  実験証明書  ep  複雑  実務上  考察  予想  School  clear  carried  obtain  side  Chemical  knowledge  Department  recited  well  本人  本出願  比較実験  true  reference  like  PET  結論  起因  番号  applied  供述書  cited  和文  terephthalate  limit  polyethylene  Graduate  declare  簡潔  molten  course  therein  these  willful  開発  satisfied  petition  references  her  別紙  per  applicants  Date  Table  現状  am  客観性  sea  its  把握  Title  poor  バイ  resins  支障  ku  非自明  his  herein  出願番号  result  March  工夫  statement  OFFICE  最終  Example  形式的  アドバイス  EC  citizen  convention  住所  described  代理  dated  thus  thereon  understood  valid  undersigned  冒頭  再現  固有名詞  weight  xxx  words  宣誓供述  issuing  degree  的確  require  ratio  既存  act  chemistry  petitioner  part  less  specific  hence  DECLARATION  留意  she  false  exhibits  hereby  how  satisfy  Faculty  believed  apparent  職歴  attached  familiar  development  現実  conventional  不充分  doctor  発明者以外  ABCDE  20XX  UNDER  要約  TRADEMARK  advantage  虚偽  ドラフト  able  October  適宜変更  late  representative  担当者  unexpected  show  氏名  up  isa  報告  own  possesses  方針  polymer  perform  実験証明  実験報告書  xxxx  now  took  graduated  therefrom  hereto  solid  研究  真摯  不足  乙号証  原案  先行  再現実験  別途  明細  設定  Section  Serial  State  major  man  advantageous  master  Unit  read  punishable  Hereinafter  red  polymerization  Polymer  More  Minatoku  Minato  fr  declares  former  content  contents  critical  crude  great  greater  employed  exhibit  employs  entered  ed  fine  invent  jeopardize  belief  believe  imprisonment  comparison  inform  causes  validity  satisfies  uses  Akasaka  upper  respectively  try  FGHIJ  xx  xxxxx  Chemistry  Code  Chome  Applied  shows  signed  DE  whereas  Filed 


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