阻害

米国(3): 現在の米国における特許政策(並びに自明性審査とその対策)

プロパテント政策の変化

米国においては、プロパテント政策(発明技術の独占的実施権を可能にする特許による権利保護を重視する政策)が、1980年代後半にレーガン大統領により導入され今世紀初頭まで維持されてきましたが、世界的な不況が深刻化するにつれ、大きな変化が見られます。

不況に加えて、プロパテント政策による弊害とも言える所謂「パテント・トロール(patent troll)」による特許権の濫用も大きな問題となっています。「パテント・トロール」とは、大学や研究機関以外のnonpracticing entity(特許発明を実施しない者)であって、第三者の特許権を譲り受け、その特許権を主張して大企業に巨額の損害賠償を要求するような組織のことです。このパテント・トロールの暗躍は、質の低い特許を乱発したことによる弊害であると言われております。

一般的には、近年の不況に伴い、プロパテントからアンチパテント(特許権より独占禁止法の遵守に重きを置く政策)へシフトしたと言われることが多いようですが、一概に、完全にアンチパテントへ傾いたと断言することは難しいようです。 近年の出来事を見ると、審査基準の厳格化や権利行使の範囲を制限する変化が目立ちますが、一方で、特許の活用を促進する方向の変化も見られます。要は、この不況を乗り切るために重要なツールの一つとして特許を有効に活用出来るように制度を整えているということであると思います。

近年の判例や2011年9月の法改正(Leahy-Smith America Invents Act)から読み取れる米国の知的財産権に関する姿勢は以下の通りです:

進歩性基準を厳格化し特許の質を向上

 - KSR Int'l Co. v. Teleflex, Inc., 550 U.S. 398 (2007) (これにより非自明性の審査が厳しくなった。)

付与後特許に対する異議申立ての機会を拡張

 - 付与後異議申立制度(Post-grant review)の導入(2011年のAmerica Invents Act)

過剰な権利行使を抑制

 - Abbott Labs v. Sandoz, 566 F.3d 1282 (Fed. Cir. 2009) (所謂"product-by-process"形式のクレームの権利範囲を、クレームで規定したprocessで得られる物に制限した。)

 - 複数の被告に対する訴訟の併合(joinder of parties)についての制限(2011年のAmerica Invents Act)(以前は、1つの特許訴訟において複数の被告を訴えることが可能であり、パテントトロールが複数の企業に対して同時に特許権侵害訴訟を提起し損害賠償金請求することが問題視されていた。この対策として、「同一の特許を侵害している」ことのみをもって複数の被告を1つの訴訟事件で訴えたり、1つの訴訟事件に併合したりすることができないこととされた(§299)。)

 - In re Seagate Technology, LLC, 497 F. 3d 1360 (Fed. Cir. 2007) (特許侵害訴訟において、3倍賠償の対象となる故意侵害の有無の立証責任を、侵害者から特許権者側に移した)

 - 故意侵害及び侵害教唆対策としての鑑定書の入手・提出の不要化(2011年のAmerica Invents Act)(上記Seagate事件における判示の一部を成文法化。鑑定書を入手しなかったことや裁判所に提示しなかったことを、故意侵害(willful infringement)の認定や、侵害教唆(inducement of infringement)の意思の認定に使用できないと規定された(§298)。2012年9月16日以降に発行された特許に対して適用。)

特許出願人又は特許権者の過失に対する罰則適用条件を緩和

 - ベストモード要件違反を特許無効の理由から除外(2011年のAmerica Invents Act)

 - Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))(不公正行為(Inequitable Conduct)の立証を困難にした)

 - 補助的審査(Supplemental Examination)制度の導入(2011年のAmerica Invents Act)(情報開示義務(IDS)違反の救済措置)

特許出願に関する門戸は狭めない

 - Bilski最高裁判決[Bilski v. Kappos, 130 S. Ct. 3218, 561 US, 177 L. Ed. 2d 792 (2010)] (CAFCの大法廷(en banc)が「machine-or-transformation testが、ビジネス方法に関する発明が特許保護の対象になるか否かについての唯一の判定手段」と判示したのを最高裁が覆した。)

KRS判決による非自明性判定基準の変化:

以前は審査が厳しいと言われている化学分野の特許出願で、かなり厳しい審査結果を予想していたにも関わらず、あっさりと特許になって拍子抜けしたようなケースも多々ありました。しかし、最近は我々も実感として、KSR判決を境に自明性(複数の先行技術文献の組み合わせに対する容易性)の審査が非常に厳しくなったと思います。正直な所、KSR判決以前は、「減縮補正を行わないと103条(自明性)で拒絶されるだろうな」と思う様な件が、拒絶を受けずにそのまま特許にということも結構ありました(しかも、審査結果が出るのが早かった)。現在は、特許庁における審査は、より時間をかけてかなり厳密に行われているという印象です。KSR判決において最高裁は以前よりも厳格な非自明性の基準が提示しましたが、判断基準が厳格になった以上に、米国特許庁審査官の自明性審査に対する姿勢が厳しくなったと感じます。

実際に、統計的にみても、米国ではKSR判決以後では拒絶査定を受け審判請求を行う件数が増え(KSR判決前の2006年では3349件→KSR判決後の2008年では6385件)且つ審判請求を行って拒絶が撤回される確率が率低下しています(KSR判決前の2006年では41%→KSR判決後の2008年では28%)。

尚、参考までに、KSR判決後約2年間において、CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)が、化学・生化学系の発明を非自明(進歩性有り)と判断したケースが約62%であったのに対して、非化学・生化学系の発明を非自明と判断したケースは約33%であったとの統計データもあるそうです(http://www.jurisdiction.com/dsmith.pdf)。このことは、KSR判決によって、化学・生化学の分野のように効果を予見することが難しい分野では非自明と判断されやすく、一方、機械などの構造物などの効果を予見しやすい分野の発明は自明と判断されやすくなったということを示していると解釈することできます。

最近、米国特許成立の確率が回復(向上)傾向にあるという情報も散見されますが、実際、数字上はそうであっても、これが淘汰(即ち、元々特許性が明らかでない出願は繰り返し拒絶を受けたために放棄されてしまった)や出願人が出願する発明を精査していることによるという可能性もあると思います。弊所の印象としては、現在でも、KSR判決直後と比較すると非自明性の判断も大分緩和されたようにも思いますが、KRS判決以前と比較すると未だ厳しいように思います。実際に弊所で扱っている案件でも、非自明性の拒絶に対してほぼ完璧な対応ができたような場合(先行技術の組み合わせに対する阻害要因の存在を明らかにし、更に実験証明で予想外の優れた効果を明らかにしたような場合)であっても、その後、審査官の理解不足による拒絶を受け、更に何度かインタビューを行って説明したり、細かい補正をすることによって漸く許可になったということもありました。要するに審査官の側に、非自明性の審査は厳格に行うべきという意識があると思います。

自明性の拒絶に対する対応

自明性の拒絶を受けた場合の典型的な対応は以下の通りです:

(a) 審査対象出願の発明や先行技術の開示内容に関する審査官の誤認を明らかにする。
(b) 先行技術の組み合わせに対する阻害要因(teach away)の存在を明らかにする。
(c) 予想外の優れた効果を明らかにする。
(d) 先行技術に教示・示唆されていない特徴をクレームに追加して、更にその特徴による予想外の優れた効果を明らかにする。

その他にも商業的な成功(所謂“secondary consideration”(二次的考慮事項)の例)などが考慮されることもありますが、これらはあくまで二次的に考慮される事項であって、一般的には上記の(a)~(d)で十分な対応が難しい場合に補足的に主張すべき事項です。やはり先ず上記(a)~(d)の観点からの反論を検討すべきでしょう。上記のKSR判決以前は、自明性の拒絶に対して「引用された2つの先行技術文献が異なる技術分野に属するものであるから組み合わせは不当」という反論で拒絶が撤回されることが屡々ありました。しかし、KRS判決以降は、異なる技術分野に属する先行技術文献であっても組み合わせることが当業者の常識の範囲内で容易であれば自明であるということになりました。従いまして、原則的には上記のような対応を考えるべきです。

上記(a)の審査官の誤解についてですが、特に米国の審査官は、技術内容の誤解に基づいて拒絶してくることが多いという印象があります。審査官の指摘を鵜呑みにせずに、自らの出願のクレームの記載や先行技術文献の開示内容を詳細に検討することが重要です。

また、その様な場合においても、ただ審査官の誤解を責めることを考えるのではなく、何故そのような誤解が生じたのかを謙虚に検討してみることが望ましい結果につながることが多いです。具体的には、審査官の誤解の理由を検討し、許容範囲内で、誤解の原因を排除し、発明をより明確に定義できる補正が可能であるならば、そのような補正を行うことが望ましいです。仮に審査官の誤解が明らかであっても、何らかの補正を行った方が、権利化がスムーズになります。

上記(b)の「阻害要因」については、一瞥してそのような阻害要因が見あたらないような場合でも、注意深く、執念深く、引用された先行技術文献を徹底検討すると、「阻害要因」として若しくは「阻害要因」とまではいえずとも先行技術の組み合わせを断ち切るために利用できる記載が見つかることも良くあります。一見自明性の拒絶が妥当に思えても、直ぐにあきらめないことが大切です。米国に限らず外国出願の多くは、現地代理人への依存度が高いと思います。しかし、現地代理人は、自分で明細書を作成したのではないということもあり、明細書や引用された先行技術文献を必要以上に詳細に検討することは通常有りません。現地代理人が半ばギブアップの状態でも、弊所で明細書や先行技術文献を徹底的に検討して有効な反論材料を見出したようなことも少なくありません。

上記(c)の「予想外の優れた効果」に関しては、米国の特許プラクティスの1つの大きな特徴として、出願明細書に記載されていない効果について、出願後に主張することが可能です。(日本や欧州においては、出願時の明細書に教示も示唆もされていなかったような効果に基づいて進歩性を主張することは原則的に許されません。)

また、米国において「予想外の優れた効果」の立証に有効なツールとして、37 C.F.R. 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)(以下、纏めて「宣誓供述書」)があります。この宣誓供述書形式で提出された証言やデータについては、審査官は、公知文献や専門家の見解書と同等の証拠として真摯に検討することが義務付けられています。この宣誓供述書は、最後に文字通り「署名者は、故意の虚偽陳述及びそれに類するものは、18 U.S.C.. 1001 に基づき罰金若しくは拘禁、又はその併科により処罰されること・・・について警告を受けており、本人自身の知識によって行う全ての陳述が真実であること・・・を宣言する」と宣誓して署名するものです。

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書の詳細については、以下をご参考下さい:
MPEP §716.01(a)MPEP§716.01(c)

また、宣誓供述書については、こちら にもより具体的な説明と、弊所で作成した宣誓供述書のサンプルを幾つか掲載しておりますので、参考までにご覧下さい。

他の国では一般的に審査段階では宣誓供述書の形式での提出は要求されません。しかし欧州の場合、審査の段階では実験証明書を宣誓供述書の形式にする必要はありませんが、異議申立手続きや審判手続きにおいては宣誓供述書の形式にすることが要求されます。

尚、自明性(進歩性欠如)の拒絶に対する対応の仕方については、こちら でも解説しておりますので、ご覧下さい。

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中国(1): 審査

以前は、新規性、進歩性については、それ程厳密な審査は行われないが、とにかくクレームを実施例に開示された具体例に限定することを要求されることが多かったのですが、近年は、そのような具定例への限定を要求されることは殆ど無くなり、新規性、進歩性などに関に関しても詳細な審査通知が発行されるようになりました。しかし、日、米、欧などと比較すると審査自体はそれ程厳しくはありません。

弊所でこれまでに扱った案件でも特許化が困難な状況に陥ったような案件はありません。

尚、以前は、新規性阻害事由となる公知公用について、国内公知(国内における公知、公然の実施や文献の公開が先行技術となること)を採用しておりましたが、2009年10月1日に施行された新中国専利法により、現在は、日本などと同様に世界公知(国内のみならず外国のどこかにおける公知、公然の実施や文献の公開を先行技術に含める)を採用しております(中国専利法第22条)。

国毎の審査プラクティスの違いなどについては、「知財関連情報」のコラムでも解説しておりますのでご覧下さい。

進歩性の拒絶への対応(Part 3)

(D)その他の反論

異なる技術分野に属する先行技術文献の組み合わせ

進歩性欠如の拒絶は、殆どの場合、複数の先行技術文献の組み合わせにより自明というものです。

以前から実務において、先行技術文献が開示している技術が属する分野が異なるため組み合わせることが出来ないと指摘することが有効な手段の1つとして知られています。

しかし、特に近年は、殆どの国において単に属する技術分野が異なるという理由だけで、進歩性が認められることは少なくなっています。日本、米国、欧州など殆どの国において、技術分野が異なっていても、当業者の常識の範囲内で、組み合わせることが合理的であれば自明というスタンスが採用されています。例えば、米国においてこのスタンスを明確にしたのが2007年のKSR判決です。

従って、単に技術分野が異なるということだけでは不十分で、結局は、意外な効果や分野が異なることによる「阻害要因」が存在するということを示すことが必要になることが多いと思います。

「後知恵」(hind-sight)

「後知恵」に基づく拒絶とは、本来、進歩性(非自明性)の判断は、最近似の先行技術から出発して、審査対象の発明の出願時(即ち、この発明が知られていなかった時点)において、当該発明に到達することが容易であったかを検討することにより行わなければなりませんが、審査対象の発明の内容を念頭において、容易性を判断してしまうことを「後知恵」に基づいた判断と言います。

要するに、当該発明を知らない出願当時の当業者にとって容易であったかを判断しなければならないところ、当該発明を既に知っている審査官自身にとって容易と判断してしまうようなケースを指します。

審査官の判断が不適切な「後知恵」(hind-sight)によるものであるとの主張も有効な対応であると言われておりますが、よほど審査官の側に明らかな誤解があった場合を除いて、審査官に自らの判断を「後知恵」に基づくものであったと認めさせるのは難しいと思います。

「後知恵」に基づく拒絶を出してしまうということは、審査官にとってあるまじき判断ミス、最大のタブーの一つであり、自らの判断を出願人に「後知恵」と言われれば、憤りを感じる審査官も少なくないと思います。

少なくとも先進国の特許庁の審査官であれば、明らかな「後知恵」に基づく拒絶を出してくる可能性は極めて低く、「後知恵」であるという解釈も可能だが明らかでないような場合には、出願人が「後知恵」を主張し、それに対して審査官が「常識の範囲内」と反論し、結局のところ水掛け論で終わってしまう可能性が非常に高いです。その場合、審査官にネガティブな心証を与えるだけで余りメリットが有りません。

もっとも「後知恵」であることを示す明確な証拠があれば別ですが、そのような証拠は多くの場合「阻害要因」の存在を示唆するものであるでしょうから、そもそも審査官が認めることに強い抵抗を示すであろう「後知恵」の議論などせずに、「阻害要因」の存在を主張すれば良いことになります。

以上のことから、阻害要因に関する主張や意外な効果に関する主張の補助としては有効であるかも知れませんが、「後知恵」に関する主張のみで審査官を翻意させることは多くの場合、難しいと考えます。審査官の心証の観点から、他の理由に基づく議論が可能であるならば、むしろ「後知恵」の議論はしない方が良いかも知れません。但し、担当の審査官が変った場合や、審判・訴訟手続きにおいて、審査官の判断や相手の主張に対して行うのであれば、この限りではありません。

「商業的成功」(Commercial Success)

更に、商業的成功を主張できる場合は、補助的にこの主張を加えます。

但し、日米欧の特許庁のいずれも商業的成功については、その成功がクレームされた発明の技術的特徴に由来するものであることが認められた場合にのみ、進歩性判断の際に考慮することになっています。

実務においては、商業的成功に基づく主張は、進歩性の主張が少々弱い場合に補助的に利用します。その例として以下の様なシチュエーションがあげられます:

(a) 効果はあるがその度合いが顕著でない場合(例えば、触媒の発明において、収率が従来の触媒の数%向上しただけだが、既に成熟した技術分野であり、その僅か数%の向上が商業的に大きな意味を持ち、それによって大きな利益を得ているというような場合)、及び

(b) 効果は顕著だが、余りに関連性の高い先行技術文献の組み合わせによって進歩性欠如の拒絶を受けた場合(例えば、装置の発明に関する出願の審査において、属する技術分野、目的などが共通し、構造的にも非常に近いものを開示する2件の従来技術文献の組み合わせによって拒絶を受けたような場合)。

これに対して、従来品に対する優位性を示すことが出来ないのに、商業的成功のみをもって進歩性を主張しても、商業的成功は発明の特徴以外に起因するものという推測が成り立ち、全く考慮されないということになってしまいます。即ち、例えば、従来品と性能は同じ程度しかないが、非常によく売れているから当該発明品は従来よりも優れている筈であり進歩性を有するという様な主張をしても、商売上の成功が純粋に発明の特徴によるものか、それともマーケティングの成功によるものか定かでなく、進歩性判断の材料としては考慮されません。

弊所で、商業的成功に基づく進歩性の主張を行った案件は、いずれも上記(a)又は(b)に該当するようなシチュエーションであり、既に特許成立しておりますが、そこで商業的成功が審査官の判断に影響を与えたのかは、審査官の公式な見解には反映されておりませんでしたので定かではありません。しかし、進歩性判断に関する心証形成の上では何らかの効果はあったはずと考えております。

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進歩性の拒絶への対応(Part 2)

想定外の理由に基づいて進歩性を否定された場合:

前回の「想定内の拒絶を受けた場合」では、出願明細書中の記載に基づく議論のみで対応可能な場合についてお話いたしましたが、今回は新たな検討を要する内容の拒絶を受けた場合について説明いたします。 そのような場合の典型的な対応は以下の通りです。

(A)審査対象出願の発明や先行技術の開示内容に関する審査官の誤認・誤解を明らかにする。
(B)先行技術を組み合わせることの困難性[例えば、阻害要因(teach away)の存在]を明らかにする。
(C)予想外の優れた効果を明らかにする。
(D)後知恵(hind-sight)や商業的成功(Commercial Success)を主張する。
(E)先行技術に教示・示唆されていない特徴をクレームに追加して、更にその特徴による予想外の優れた効果を明らかにする。

具体的な対応の例を以下に挙げます。

(A)審査官の誤認・誤解

審査官が、審査対象出願の発明や先行技術の開示内容を誤解して、拒絶理由通知を出してくることは少なくありません。(特に米国の場合に多いという印象があります。)

その様な場合においても、ただ審査官の誤解を責めることを考えるのではなく、何故そのような誤解が生じたのかを謙虚に検討してみることが望ましい結果につながることが多いです。具体的には、以下のような手段が考えられます。

補正

審査官の誤解の理由を検討し、許容範囲内で、誤解の原因を排除し、発明をより明確に定義できる補正が可能であるならば、そのような補正を行うことが望ましいです。

仮に審査官の誤解が明らかであっても、何らかの補正を行った方が、権利化がスムーズになります。但し、補正によるエストッペル(禁反言)が生じないか慎重に検討する必要があります。例えば、特許性を明らかにするために必要な補正(例えば、先行技術に対する新規性・進歩性を明らかにするために行われた補正)であったと判断された場合、その補正によってクレームの範囲外となった部分については、出願人により放棄されたものとみなされ、均等論に基づく権利主張が出来なくなる場合があります。

審査官との面談

どうしても、審査官がどのような理解に基づいて拒絶しているのか分からない場合が有ります。そのような場合には、可能であれば、審査官との電話インタビューなどにより審査官の意図を確認してから具体的な対応を検討することが望ましいです。特に米国出願の場合、審査官との電話インタビューを行って審査官の真意を確認するということをよく行います。

(B)組み合わせの困難性:「阻害要因」ないし「阻害事由」

審査官に引かれた複数の先行技術を組み合わせることの困難性を示すための手段は幾つかありますが、その代表的例として、組み合わせに対する「阻害要因」(「阻害事由」)の存在を指摘することが挙げられます。この「阻害要因」とは、英語では"teach-away"や"negative teaching"などと称され、先行技術文献中に見出される教示であって、当業者が先行技術文献を改変(modify)して審査対象の発明に到達することを妨げる(prevent又はdiscourage)ような教示のことを意味します。

例えば、審査の対象となっている発明Xが、主成分(a)と補助成分(b)とからなる医薬品に関するものであり、この発明Xが、成分(a)を開示する先行技術文献Yと成分(b)を開示する先行技術文献Zとの組み合わせにより容易と認定された場合を想定します。この場合に、例えば、文献Yと文献Zのいずれかに成分(a)と成分(b)を組み合わせると毒性を発揮するというようなことを示唆する記載があれば、「阻害要因」があったと認められ、進歩性(非自明性)が認められることになります。

(C)予想外の優れた効果

効果の立証:

上記したような発明Xの場合に、阻害要因はないとしても、成分(a)と成分(b)とを組み合わせることによって特段のメリットが得られることが教示も示唆もされていなかった場合、成分Aと成分Bとの組み合わせによって、非常に優れた効果が得られるということを明細書の実施例・比較例に参照して説明する、若しくは追加実験によって証明することによって進歩性(非自明性)を立証することが出来ます。

米国における宣誓供述書:

米国であれば、上記のような追加実験を37 C.F.R. § 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)(以下、纏めて「宣誓供述書」)として提出します。また、上記したように出願明細書に記載されている実施例のデータに基づいて非自明性を主張するような場合においても、実施例のデータに基づく考察(observation)を宣誓供述書の形として提出することが有効です。即ち、明細書に既に記載されている事項であっても、署名者が内容の信憑性に関して宣誓した宣誓供述書の形式で提出すれば、単に意見書中で実施例に参照して議論する場合と異なり、学術論文などの公知文献や専門家の見解書と同等の証拠として扱われます。

宣誓者は、発明者本人であってもそれ以外の第三者であってもよく、発明者本人による宣誓供述書であっても審査官はこれを軽んじてはならない旨がMPEP(MPEP§716.01(c)III)に規定されていますが、通常、やはり第三者によるものの方が説得力が高いと見なされます。

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書で証明が可能な事項について、MPEP §716.01(a)は、以下のような事項を例示しております:

(1)発明を構成するパラメーターなどの臨界性(criticality)

(2)発明による予想外の効果(unexpected results)

(3)商業的成功(commercial success)

(4)長きに亘り未解決であった課題(long-felt but unsolved needs)

(5)他者による失敗(failure of others)

(6)専門家により提示された疑念(skepticism of experts)(「こんな発明がうまくいくはずない」というようなことを示唆する専門家の見解)

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書の詳細については、以下をご参考下さい:
MPEP §716.01(a)MPEP§716.01(c)

また、宣誓供述書については、こちら にもより具体的な説明と、弊所で作成した宣誓供述書のサンプルを幾つか掲載しておりますので、参考までにご覧下さい。

実験報告書についての注意点:

(i)実施例の後出し:

上記の効果が出願当時の明細書に全く教示も示唆もされていない効果について、出願後に追加実験において初めてその効果を主張するようことは、日本を含む多くの国(米国を除く)では認められません。そのような主張を認めてしまうと、実際には出願当時には有用性が確認されていないかった発明について、特許を認めてしまうことになるからです。

尚、平成21年(行ケ)第10238号審決取消請求事件の知財高裁判決(日焼け止め剤組成物事件)が、実施例の後出しが認められた判決として良く話題に上りますが、出願当時の明細書に何ら教示も示唆もされていない効果について、出願後に実験証明しても認められると判示している訳ではありません。この件では、出願後に出願人が実験証明した効果について、出願当時の明細書に明記はされていないが、明細書の記載から読み取ることは出来るという判断で認められたものです。

この件は、効果が出願当時の明細書から読み取れるかグレーなところはありますが、明細書に全く示唆もされていない効果について実施例の後出しを許可するということを判示しているわけで無いということに注意が必要です。

一方、米国の場合には、明細書に教示も示唆もされていない効果について実験データの後出しが認められています(In re Chu, 66 F.3d 292, 299, 36 USPQ2d 1089, 1094-95 (Fed. Cir. 1995)、MPEP 2145)。これは、審査官からどのような拒絶理由を受けるか予見することは出来ないのであるから、出願明細書に記載がない効果についても、拒絶に対して、そのような効果について主張することは許されるべきという考え方に基づくようです。

そのような議論や実験データを提出する場合には、37 C.F.R. § 1.132に基づく宣誓供述書の形式で提出しないと考慮されない可能性が高いです。

(ii)実験内容の適性:

特に外国出願に対する拒絶の対応において、実験報告書の原案を発明者が作成し、それを実質的にそのまま翻訳して提出してしまうということが実務上よく行われています。そして発明者の方は、技術のプロではありますが特許のプロではないために的を得ない内容の宣誓供述書になってしまっているというケースを目にすることがあります。

その場合、いかに審査官が供述内容を真摯に検討しようとも、拒絶の撤回の根拠とはならないという状況に陥ってしまいます。

宣誓供述書の内容については、案件を良く理解した代理人と綿密に相談して上で決定することをお勧め致します。

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各国における先行技術の定義と新規性喪失の例外(Part 1)

[I] 米国における先行技術の定義

2011年9月16日、オバマ大統領が米国特許法改正案"Leahy-Smith America Invents Act"に署名し、法律(以下「米国新法」という)として成立しました。この改正における1つの重要な変更は、先発明主義から先願主義への変更です(2013年3月16日から施行)。また、同時にかなり独特であった先行技術の定義も変更されます。先行技術の定義の変更は、基本的には日本などの諸外国の制度との国際的調和を図る物である一方、米国独特のグレース・ピリオド制度は維持されるため、依然として日本などにおける先行技術の定義とは大きく相違する点もあります。

まず、国際的調和に結びつく変更点として、以下が挙げられます:

- 公知公用については、国内公知から世界公知へ変更(新規性阻害事由となる公知公用について、国内のみならず外国における公知、公然の実施や文献の公開を先行技術に含めることになった。詳細な説明はこちら。)

- 所謂「ヒルマードクトリン(Hilmer Doctrine)」の廃止(旧法下では、米国特許出願の外国優先権主張日が、他の米国特許出願に対する先行技術の効力発生日として認められなかったが、新法下では認められるようになった。詳細な説明はこちら。)

そして、依然として残る大きな相違点は、米国においては、同じ発明に関して他人の先願があっても、その前に後願の発明者が自分で発明を公開していれば、該先願は該後願の先行技術とならないことです(日本では、そのような先願は先行技術となります)。米国の新たな制度が、「先願主義」ではく「先開示主義」だと揶揄される所以です。

以下、米国新法の下での先行技術となる発明について、概要を説明します。あくまで概要ですので、微細な点や実務上滅多に遭遇しない場合については触れません。

米国における先行技術:

米国新法の下では、特許出願に係る発明に対して先行技術(prior art)となる発明は、次の2種類です(米国新法第102条)。

(1)当該特許出願の有効出願日の前に公知であった発明 (2)当該特許出願の有効出願日の前の有効出願日を有する他人を発明者とする特許出願であってその後公開又は特許に至ったものに記載された発明

注: 「有効出願日」とは、優先権を有する(先の出願の出願日の利益を受ける)出願の場合には優先日を意味し、優先権を有しない出願の場合には出願日を意味します。

先行技術の例外:

上記項目(1)及び(2)のそれぞれについて、適用が除外される場合が設けられています。

項目(1)(出願前公知)の例外: 自分自身が公表したことによって公知になった発明(ただし、その公表の日から1年以内に特許出願をすることが必要)は、先行技術としては扱われません。

項目(2)(他者の先願)の例外: 当該他人を発明者とする特許出願の前に自分自身が発明を公表している場合や、当該他人を発明者とする特許出願と当該特許出願とが同一の譲受人に所有される場合には、適用されません。

日本における先行技術の定義との比較:

上記項目(1)(出願前公知)の先行技術は、日本の特許法第29条第1項に規定される先行技術に相当し、上記項目(1)についての適用除外(自分自身が公表したことによって公知になった発明)は、日本の特許法第30条の規定(新規性喪失の例外)に相当します(ただし、日本では、発明の公表から6ヶ月以内に新規性喪失の例外適用の申請書類と共に特許出願し、更に出願日から30日以内に証明書類を提出することが必要)。

したがって、適用が除外される場合まで考慮してまとめれば、米国における上記項目(1)の先行技術は、日本では猶予期間が1年でなく6ヶ月であり、またこれを享受するために申請が必要である点を除いては、日本の特許法の第29条第1項及び第30条に規定される先行技術に相当すると考えてよいでしょう。

上記項目(2)(他者の先願)の先行技術は、日本の特許法第29条の2本文に規定される先行技術に相当します。上記項目(2)の先行技術についての適用除外となる場合を2つ挙げましたが、これら2つの場合のうち、第2の場合(当該他人を発明者とする特許出願と当該特許出願とが同一の譲受人に所有される場合)は、日本の特許法第29条の2ただし書に規定される場合に相当します。一方、第1の場合(当該他人を発明者とする特許出願の前に自分自身が発明を公表している場合)は、米国独自の規定であって、日本には対応する規定はありません。したがって、適用が除外される場合まで考慮してまとめれば、米国における上記項目(2)の先行技術は日本の特許法の第29条の2に規定される先行技術に相当するが、米国では他人の特許出願より先に自分が発明を公表してしまえば当該他人の特許出願は先行技術にはならないという点に注意すべきである、ということになるでしょう。

例えば、出願人Aが発明を公表し、その5ヶ月後に出願Yを提出したが、その出願Yの出願日の2ヶ月前に出願人Bが同じ発明に関して出願Xを提出していたとします。このような場合、日本であれば、出願Xは出願Yの先行技術となり、例え出願Yが新規性喪失の例外規定の適用を受けていたとしても、出願Yは先願である出願Xにより新規性を喪失します。勿論、出願Xも出願人Aによる発明の公表によって新規性を喪失します。

一方、米国であれば、出願Xは出願Yに対する先行技術とは見なされません。出願Xは、出願人Aによる発明の公表によって新規性を喪失します。

priorart

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進歩性(非自明性)の判断基準

日本の特許審査基準には、進歩性の判断に関して以下のように記載されています(審査基準第II部 第2章 2.5、(3)参照)。

「引用発明と比較した有利な効果が明細書等の記載から明確に把握される場合には、進歩性の存在を肯定的に推認するのに役立つ事実として、これを参酌する。」

「請求項に係る発明が引用発明と比較した有利な効果を有している場合には、これを参酌して、当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことの論理づけを試みる。そして、請求項に係る発明が引用発明と比較した有利な効果を有していても、当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられたときは、進歩性は否定される。」

「しかし、引用発明と比較した有利な効果が、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものであることにより、進歩性が否定されないこともある。」
(下線は追加しました)

審査基準の上記記載からわかりますように、進歩性を確立するためには、単に「引用発明と比較した有利な効果」があるだけでは不充分であり、

 「当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられ」ないこと、及び

 「予想外の顕著な効果」があること、

のいずれか又は両方を示すことが重要になります。

ここでは、日本の審査基準を例に取りますが、このような考え方は、万国共通と考えて良いと思います。

後者(「予想外の顕著な効果」)は、明細書の実施例や比較例のデータを利用したり、新たな実験データを提出することにより示すことになります。

そして、前者(「当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられ」ないこと)を示すためには、先行技術から本発明を想到することを妨げるような事情ないし事由(所謂「阻害要因」又は「阻害事由」)の存在を示すことが最も有効です。

要するに、複数の先行技術文献の組み合わせから容易、若しくは、本発明と単一の先行技術文献との相違が、当業者が適宜選択し得る「設計的事項」(最適材料の選択、設計変更、周知の均等物との置換など)に過ぎないという理由で拒絶された場合に、先行技術文献同士を組み合わせること、若しくは設計的事項と認定された技術的特徴を先行技術に適用することを阻害する要因が存在したことを明らかにすることが出来れば、進歩性欠如の拒絶を克服することが出来ます。

阻害要因の例

「阻害要因」には大きく分けて2通りあります。一つは引用発明同士を組み合わせると取り返しのつかないデメリットが生じることが技術常識として知られているといったテクニカルな観点からの阻害要因であり、もう一つは技術的課題の解決方法が逆になるというような技術思想的な観点からの阻害要因です。

上記のテクニカルな観点からの阻害要因としては、主成分(a)と補助成分(b)とからなる医薬品を主題とする発明Xが、成分(a)を開示する先行技術文献Yと成分(b)を開示する先行技術文献Zとの組み合わせにより容易と認定されたという場合を例に取りますと、例えば、文献Yと文献Zのいずれかに「成分(a)と成分(b)を組み合わせると毒性を発揮する」ということを示唆する記載があれば、それは理想的な阻害要因の一例といえます。

また、技術思想的な観点からの阻害要因としては、本発明と先行技術の構成的な相違点が一見非常に小さくとも、その相違点が、本発明と先行技術の目的が全く異なる為に生じたものであることが明らかであるような場合が挙げられます。例えば、本発明が屋外用の塗料組成物に関するもので、先行技術が屋内用の塗料組成物に関するものであり、本発明と先行技術の組成物は同一の成分から構成されている場合を想定します。ここで、本発明には、ある特定の成分(A)の量が、屋外用途のための耐候性を維持する目的で組成物全体の10wt%以下とクレームに規定されており、一方、先行技術には、その成分(A)の一般的な量が、本発明と重複する1~50wt%と記載されているが、先行技術全体の開示から、この先行技術の目的が屋内用途のための吸湿性を向上させることであって、その目的を達成するために成分(A)の量が20wt%以上であることが必要であることが明らかであるような場合、先行技術において成分(A)の量を本発明のクレームで規定された10wt%以下にすることに対する阻害要因があったと認められると考えられます。

補助的な阻害要因

もちろん、上記のような明らかな阻害要因が常に存在するとは限りません。しかし、たとえ明らかな阻害要因が見当たらない場合でも、引用文献の記載を注意深く検討すると、単独では「阻害要因」とまでは言えないかも知れないが、他の有効な方策(たとえば、優れた効果を示す比較実験データの提出、証拠資料の提出、主クレームに何らかの補正を行なうことなど)と併用すれば、いわば補助的に進歩性を支持する要因として利用可能な情報を読み取ることができることがあります(以下、そのような利用可能な情報を便宜的に「補助的阻害要因」と称します)。

阻害要因に関する主張と「予想外の顕著な効果」に関する主張が共にそれ程強く無くとも、これらを組み合わせることによって進歩性が認められることもあります。

「補助的阻害要因」については、たとえば、上記の例で言いますと、先行技術文献Zに成分(b)が開示されているとしても、重要なものとして特筆されている場合もあるでしょうが、単に同列に列挙される数多くの化合物例の中の1つである場合もあります。後者の場合は、補助的な議論として「成分(b)は同列に列挙される数多くの選択肢の1つにすぎず、成分(b)が特に好ましい旨の趣旨は教示も示唆も全くされていないので、それを取り出して成分(a)と組み合わせる動機や理由はどこにもない」という趣旨の議論が有効な場合が有ります。

もちろん、この様な議論は、上記の通り、他の方策と組み合わせて行うものであり、単独では余り効果は見込めません。例えば、文献Yと文献Zとが類似の技術に関するものであって、且つ成分(b)を使用しても文献Zに成分(b)と同列に列挙される他の化合物を使用した場合と比較して格別の効果が無いということでは、上記の様な議論のみで審査官を説得することは困難です。

一例として、本発明、文献Y及び文献Zが二液性接着剤(主剤と硬化剤の2成分からなる接着剤)に関するものであったとして、本発明の成分(a)が主剤で成分(b)が硬化剤であると仮定しましょう。そして、本発明の成分(a)が文献Yに開示されていて、文献Zが硬化剤として列挙している中に成分(b)が含まれていたとします。その場合に、成分(a)と成分(b)を組み合わせた時に、硬化性能やその他の性能が、成分(b)以外の硬化剤化合物を使用した場合と変わりないということでは、成分(a)と成分(b)を組み合わせることに格別の困難性や意外性は見いだせないとして、容易性の拒絶は維持されてしまうと思います。また、成分(b)が周知の硬化剤であったならば、本発明における成分(b)の使用は単なる設計事項に過ぎないとして、文献Yのみに基づいて進歩性が否定されてしまうかも知れません。

具体的には、「成分(b)は同列に列挙される数多くの選択肢の1つにすぎず」という趣旨の議論は、以下のような議論と組み合わせると有効であると考えられます。

(1)成分(b)を使用した場合に、文献Zに成分(b)と同列に列挙される他の成分を使用した場合と比較して顕著な効果が有る。
(2)文献Yと文献Zとは一見類似の技術に関するものだが、単純に組み合わせることが出来ない理由がある。

上記(1)については、たとえば、「成分(b)」と同列に列挙される数多くの選択肢の少なくとも1つ以上と「成分(b)」と間の効果の顕著な差を示す比較実験データを提出できるならば、進歩性を証明するために、かなり有効な手段となります。
上記(2)については、文献Zにおいて上記のようにいくつもの選択肢が同列に列挙されているということは、文献Zにおいてはそれが全て互いに「等価物」であると認識されているということです(なお、これを英語の意見書で述べるならば、たとえば「they are equated with each other」などと表現できます)。したがって、もしも、文献Zに列挙されている化合物群の中に文献Yにおいて使用できないものが含まれている場合、当業者は、文献Zに記載されている成分(b)を含む化合物群を直ちに文献Yに適用することは出来ないと考えるでしょうから、その点を「補助的阻害要因」として利用して、文献Yと文献Zを組み合わせることの困難性を主張することが出来ます。

例えば、上で述べた二液性接着剤(主剤と硬化剤の2成分からなる接着剤)の場合を例に取ると、文献Yと文献Zは共に二液性接着剤に関するものであるが、主剤として使用される樹脂が異なる為に、適する硬化剤も異なるという様な状況が考えられます。即ち、文献Zに成分(b)と同列に記載されている硬化剤は、文献Yの主剤樹脂に対しては硬化剤として機能しないことが知られているというようなことがあれば、その事実に基づいて文献Yと文献Zとを組み合わせることが自明でないと主張することができると思います。

このように、引用例の記載を詳細に検討して、明らかな阻害要因とは言えないまでも、先行技術から本発明に想達することの困難性を示す上で少しでも役立つ事項(上記の「補助的阻害要因」)を見出すことが出来れば、他の主張と組み合わせて進歩性の拒絶を克服出来ることがあります。従いまして、特に進歩性を明確にすることが困難な状況に直面した時には、引用例の内容についての審査官の見解を鵜呑みにするのではなく、引用例の全体を様々な観点から徹底的に分析してみることも必要です。

また、上記では阻害要因と「補助的阻害要因」とに分けて述べましたが、実際においては、上記で例示した「明らかな阻害要因」のような極端な例でもない限りは、多くの場合、阻害要因として利用できるのか(それとも「補助的阻害要因」としてしか利用できないのか)は、審査官の判断を待たないと分かりません。つまり、阻害要因と「補助的阻害要因」との間に明確な線引きができないことが多いものと考えます。さらにいえば、特許庁の段階では「阻害要因」が存在しないと判断されたものが、知財高裁の判断では「阻害要因」が存在すると判断されるということもあります(例えば、以下の判例参照:平成19年(行ケ)第10007号事件;及び平成22年(行ケ)10104号事件)。

クレームの補正

拒絶理由通知への回答を行なう際に、仮に拒絶理由が審査官の明らかな誤認に基づくものであっても、まず主クレームに何らかの補正を行なって主クレームと引用例との違いを、より明確にすることで効率的な権利化が可能になることが少なくありません。

審査官が誤解した原因を検討し、実質的にクレームの範囲を変えずに、誤解の可能性を排除するような明確な表現への変更が可能であれば、一般的に、単に審査官の誤解を指摘するよりも、上記のような変更を行う方がスムーズに権利化できる確率が高くなります。

しかし、クレームの範囲に実質的な変更を加える際には、禁反言(エストッペル)の観点から、将来の権利行使に支障を来たすものでないか慎重に検討することが必要です。特許出願手続きにおいて出願人が意識的に除外した対象については、後からそのような対象について権利主張をすることは禁反言の法理に照らし許されません。特に、先行技術に対する進歩性を明確にする目的で行った補正によって、クレームの範囲外となった対象については、後で権利主張することは出来ません。(参考までに、米国では、このようなルールをRecaptureの原理と称します。)

例えば、上記の二液性接着剤の例において、審査段階で、硬化促進剤(c)を更に含むと補正し、硬化剤(b)との相乗効果で、引用例の接着材と比較して接着剤の効果性能が格段に向上するなどと主張して特許が認められたとします。その後、成分(a)と成分(b)のみを含み、成分(c)を含まない接着剤を製造・販売する第三者がいたとしても、それに対して本発明の均等物として権利侵害を主張するようなことは許されません。(この場合、出願人により意識的に除外された対象は、「成分(c)を含まない」接着剤ということになります。)

上記から明らかなように、進歩性拒絶克服の目的で行った補正によってクレームの範囲外となった対象については、後から権利主張することはできないということを念頭に置いておくことが必要です。

もちろん、補正を渋ることで権利化出来ないのであれば本末転倒ですが、進歩性明確化の為の有用性と将来の権利行使の双方の観点から、どのような補正を行うのか決定することが重要です。

まとめ

上記の要点を以下にまとめます。

- 進歩性欠如に基づく拒絶理由を受けた場合には、明確な阻害要因とまでは言えずとも、効果に関する主張などと組み合わせることにより、進歩性の立 証に役立つ事情ないし事由(上記のような「補助的阻害要因」)が存在することがあるため、引用文献の開示や関連の公知技術などを注意深く検討する。

- 将来の権利行使(禁反言)を念頭においた上で、拒絶の克服に有効な補正が可能か検討する(審査官の誤解が明らかであっても、許容範囲内での補正が可能であれば、補正を行った方が効率良く権利化することが可能になることが多い)。

具体例

参考までに、弊所で実際に提出した意見書において「補助的阻害要因」を述べた例を下記にご紹介します。下記の例では、「引用文献1」と「引用文献 2」が主引用例(primary references)として用いられ、「引用文献3」と「引用文献4」が副引用例(secondary references)として用いられて、引用例の組み合わせによる拒絶を受けたものです。

ご紹介するのは、まず各引用例について詳しく議論した後に、まとめを述べた部分です。意見書では、明細書の実施例と比較例のデータを用いて発明の優 れた効果を示し、それに加えて、引用例について下記の趣旨を議論したものです。この例においては、引用例の組み合わせに関する「補助的阻害要因」は特に主 張せず、本発明と各引用例との技術的関連性についての「補助的阻害要因」だけを主張する形になりました。この結果、一回の回答で特許査定を得ております。 主クレームの補正と、発明の優れた効果を示すデータと、各引用例についての詳しい議論との「合わせ技」により、「進歩性あり」との心証を審査官に与えるこ とができたという感触があります。

「(引用文献1~4に関する説明のまとめ、及び引用文献1~4の組み合わせについて)

審査官殿は、「引用文献1、2には、カチオン化澱粉が本願請求項1に係る発明で規定する粘度及びカチオン化度の範囲を満足することの明記はない が、....」と述べられ、本願請求項1に記載されるカチオン化澱粉の「粘度及びカチオン化度の範囲」が、引用文献3や引用文献4に開示されている旨を述 べておられます。

しかし、上記のように、引用文献1ではジアルデヒド澱粉が必須成分です。ジアルデヒド澱粉は、パルプ繊維と共有結合を形成し得るものであり、本発明 で用いられるカチオン化澱粉とは、化学的特性が大きく異なります。そのような引用文献1の開示を、本発明と同列に論じることはできません。

従って、引用文献1を引用文献3や引用文献4とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

上記のように、引用文献2においては、「カチオン性水溶性高分子化合物」としての「カチオン化澱粉」と、「水溶性高分子ポリヒドロキシ化合物」とし ての「澱粉」のいずれも、他の多くの化合物例と単に横並びに列挙されているものです。よって、引用文献2の開示から、「カチオン性水溶性高分子化合物」と しての「カチオン化澱粉」と「水溶性高分子ポリヒドロキシ化合物」としての「澱粉」とを選び出して特に注目する理由はありません。

従って、引用文献2を引用文献3や引用文献4とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

上記のように、引用文献3においては架橋された澱粉を用いることが必須です。従って、粘度に関して、本発明で用いる澱粉(「粘度レベルが低下された澱粉」)は、引用文献3において用いる「架橋された澱粉」とは、技術的に正反対の方向です。

従って、引用文献3を引用文献1や引用文献2とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

また、上記のように、引用文献4においては、アルキルケテンダイマー(AKD)及び/又はアルケニル無水コハク酸(ASA)が必須成分であり、アル キルケテンダイマー(AKD)やアルケニル無水コハク酸(ASA)は、澱粉とは全く異なる種類のサイズ剤ですので、引用文献4は、本発明とはほとんど無関 係の技術です。そのような引用文献4の開示を、本発明と同列に論じることはできません。

引用文献4の技術の中心は、あくまでも「アルキルケテンダイマー(AKD)及び/又はアルケニル無水コハク酸(ASA)」です。

従って、引用文献4を引用文献1や引用文献2と組み合わせる動機はありませんし、また、引用文献4を引用文献1や引用文献2とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

このように、引用文献1~4をどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

従って、本発明の添加剤組成物が引用文献1~4の組み合わせに対して進歩性を有することは明らかです。」

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