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取得済米国特許一例

これまでに井上&アソシエイツで担当して取得した国内外特許は膨大な数にのぼり、ここに全て挙げることは不可能ですので、ご参考のためにこれまでに井上&アソシエイツで取得した米国特許のほんの一部ですが、以下にその例を紹介させていただきます。これらの例からも分かりますように、外国特許出願明細書については他の追随を許さない高品質なものをご提供することができます。
(尚、弊所で外国出願を扱う場合、弊所で作成した英文明細書を外国代理人にチェックさせても実質的に変更がないことが殆どであり、補正なども弊所の指示通りのものが提出されるので、以下の米国特許明細書は井上&アソシエイツで作成したものと考えていただいて結構です。)

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翻訳サンプル(特許以外のものを含む)

様々な分野における 翻訳サンプル

弊所の英語力は、海外のパテントアトーニーにも高く評価されております。 我々は、常に以下の点に注意して翻訳業務を行っております。

1. 正確であること。

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弊所の翻訳の質は弊所で作成した米国特許の例からもお分かり頂けると思いますが、参照しやすいように以下に短い対訳例を幾つか挙げておきます。

また、事前に弊所の翻訳の質をご確認頂くために、無料トライアル翻訳も承っております。弊所の翻訳サービスの具体的な内容につきましてはこちらをご覧下さい。

米国(1): 先発明主義から先願主義への移行とグレースピリオド(発明公開後の出願猶予期間)

米国の特許制度の最大の特徴は、先発明主義とグレースピリオド(発明公開後の出願猶予期間)でしたが、2011年9月16日にオバマ米大統領が「リーヒ・スミス米国発明法案」(Leahy-Smith America Invents Act))に署名したことにより、先発明(first-to-invent)主義から先願(first-to-file)主義へ移行することが決定しました。一方、1年間のグレースピリオド(one year grace period)制度は維持されます。グレースピリオド(猶予期間)の制度自体は、日本など米国以外の国にも存在しますが、米国におけるグレースピリオドは、元来、先発明主義に直結した制度であり、他の国とは適用の条件などが異なります。米国の先願主義は「1年間のグレースピリオド付き先願主義」(又は"first-inventor-to-file system"や"first-to-disclose system")のように称されることもあり、先願主義に移行後、このグレースピリオドの制度がどのように活用されるのか注目が集まっています。

先発明主義から先願主義への移行

米国は、最初に発明をした発明者に特許権を与える先発明主義を採用しておりましたが、2011年の法改正により、原則的に最初に出願をした発明者に特許権を与える先願主義へ移行します。但し、この移行は直ちに行われるわけではなく、2013年3月16日以降の出願が先願主義に基づいて処理されることになります。

先発明主義への移行の主要な目的は、国際的な調和(harmonization)を図ること及び抵触審査(Interference)手続きなどの先発明主義に由来する複雑な手続きを省くことで特許庁における手続きを効率化し、70万件にも及ぶ未処理案件(backlog)を減ずることにあります。

Prior art(先行技術)の定義拡張

日本を含む米国以外のほぼ全ての国は先願主義を採用していますので、今回の米国の先願主義への移行は、米国外における特許実務に与える影響は少ないと思われます。

しかし、先願主義への移行に伴いPrior art(先行技術)の定義が拡張されることに注意する必要が有ります。要するに先願主義への移行前であれば先行技術とならなかったものが、先願主義移行後は先行技術として引用される可能性があります。拡張されるのは以下の2点です。

1. 「世界公知」への移行

旧法下では新規性喪失の事由となり得る公知・公用は、米国内におけるものに限定されていたが、今回の法改正により米国外での公知・公用にも及ぶようになる(所謂「世界公知」への移行)。

即ち、旧法の102条(a)においては、例えば米国特許出願人による発明の前に日本で既に公然実施されていた技術によって米国出願の発明の新規性が否定されることはなかったが、新法の102条(a)(1)では、そのような米国外における公然実施によっても米国出願の発明の新規性が否定されることとなった(但し、米国外で公然実施した技術の発明者や共同発明者(又は発明者若しくは共同発明者により開示された技術を獲得した他人)などが公然実施を開始した日から1年以内に該発明者本人が米国出願した場合を除く)。

2. ヒルマードクトリン(Hilmer Doctrine)の廃止

米国以外の第一国出願の出願日も後願排除目的に有効な出願日(effective filing date)として認められることになった。

旧法の102条(e)では、所謂「ヒルマードクトリン(Hilmer Doctrine)」により、パリ条約ルートで出願された米国出願の第一国における出願日(パリ条約に基づく優先日)は、その米国出願の先行技術(Prior Art)としての有効日としては認められなかった。

例えば、2011年4月1日出願の日本出願に基づく優先権を主張して、2012年3月31日に(PCT出願をせずに直接)米国出願(出願A)した場合、この出願Aが後願排除の効力を発揮する日は、旧法下では、米国出願日である2012年3月31日であった。従って、この出願Aと同一の発明を開示する出願Bが、出願Aの優先日よりも後であり、米国出願日よりも前である2011年6月1日に出願された場合、出願Aは出願Bに対するPrior Art(先行技術)とは認められなかった(但し、出願Aの発明日を発明Bの発明日よりも前に遡及(swear-back)させることが出来る場合を除く)。しかし、改正法下では、この出願Aが後願排除の効力を発揮する日は優先日である2011年4月1日となり、上記出願B(出願日:2011年6月1日)は、出願Aに対して新規性を喪失することとなる。

また、PCT出願からの米国移行出願の場合、旧法下ではPCT公開公報が英語であれば、その国際出願日が、後願排除の有効日として認められる一方、英語以外の場合には、認められないということになっていたが、法改正により、PCT出願の言語に関わらず、そのPCTが優先権主張していれば優先日、優先権主張していなければ国際出願日が、後願排除の有効日と見なされることになる。

先願主義の適用条件

優先権主張日などの最先の出願日が、2013年3月16日以前であれば、原則的に旧法(先発明主義)による扱いになりますが、一つでも2013年3月16日以後のクレームがあると、新法(先願主義)での扱いになってしまいます。

また、優先権主張日が、2013年3月16日よりも前の出願であっても、補正により、優先権出願にサポートされていないクレームが一つでも含まれることになると、新法(先願主義)での扱いになります。そして、この場合、再度の補正によって、補正前のクレームに戻しても、旧法が適用されることとはなりません。

グレースピリオド(猶予期間)

米国においては、発明が公になっても1年以内であれば特許出願できます。これをしばしば“one year grace period”と称します。このグレースピリオドの制度は2011年の法改正においても維持されます。先願主義への移行後のグレースピリオド適用条件(新規性喪失の例外条件)は、改正法の102条(b)(1)に規定されております。

日本、中国などにも発明の公開後6ヶ月の出願猶予期間があり、韓国には米国と同じく1年(12ヶ月)の猶予期間があります(中国における出願猶予期間についてはこちらに、韓国に関してはこちらに、日米の場合と比較しながら説明してあります)。欧州には、猶予期間の規定自体はあるのですが、この利用はほぼ不可能に近いものとなっています(この点についてはこちらをご覧下さい)。また、日本、米国、欧州、中国、韓国におけるグレースピリオド制度の比較をこちらの表に示してあります。

猶予期間は米国の1年に対し日本などでは6ヶ月ですが、米国と日本とではこの期間の違い以外にも実務上の大きな違いがあります。

日本では、特許法第30条に基づいて新規性喪失の例外の適用を受けることができますが、公知になった日から6ヶ月以内に出願と同時に例外規定の適用を受けたい旨の書面を提出し、更に出願から3ヶ月以内に証明書類を提出しなければなりません。

尚、平成23年6月8日に公布され、平成24年4月1日から施行されている改正特許法においては、例外規定の条件(特許法第30条)が緩和されました。旧法においては、新規性喪失の例外の適用を受けるためには公知にした手段に様々な制約(学会発表で公知にした場合、特許庁長官指定の学術団体による学会における発表である必要があるなど)がありましたが、改正後は、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して公となった発明については、広く新規性喪失の例外規定の適用を受けることができるようになりました。それでも所定の期間内に所定の手続きを取った場合に受けられる例外的な措置であることには変りありません。

一方で、米国においては、本人であれば公開した手段は問われず、猶予期間の適用申請手続きも必要ありません。これは、米国における猶予期間は、元々は先発明主義を採用していることに関連して、発明さえしていればその後いつ特許出願しても良いということになってしまうと公益を損なうことになるので、発明を公にしてから1年以内に出願しなければならないという時期的制限を設けることが主要な目的でありました。しかし、上記したように、発明を公知にした発明者本人に限り、先願主義に移行後もこの1年間の猶予期間の制度は維持されます。

従って、先願主義への移行によって発明日への遡及(swear-back)が不可能になった後、この1年間のグレースピリオドというカードをどのように利用するかということに注目が集まっています。

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米国(3): 現在の米国における特許政策(並びに自明性審査とその対策)

プロパテント政策の変化

米国においては、プロパテント政策(発明技術の独占的実施権を可能にする特許による権利保護を重視する政策)が、1980年代後半にレーガン大統領により導入され今世紀初頭まで維持されてきましたが、世界的な不況が深刻化するにつれ、大きな変化が見られます。

不況に加えて、プロパテント政策による弊害とも言える所謂「パテント・トロール(patent troll)」による特許権の濫用も大きな問題となっています。「パテント・トロール」とは、大学や研究機関以外のnonpracticing entity(特許発明を実施しない者)であって、第三者の特許権を譲り受け、その特許権を主張して大企業に巨額の損害賠償を要求するような組織のことです。このパテント・トロールの暗躍は、質の低い特許を乱発したことによる弊害であると言われております。

一般的には、近年の不況に伴い、プロパテントからアンチパテント(特許権より独占禁止法の遵守に重きを置く政策)へシフトしたと言われることが多いようですが、一概に、完全にアンチパテントへ傾いたと断言することは難しいようです。 近年の出来事を見ると、審査基準の厳格化や権利行使の範囲を制限する変化が目立ちますが、一方で、特許の活用を促進する方向の変化も見られます。要は、この不況を乗り切るために重要なツールの一つとして特許を有効に活用出来るように制度を整えているということであると思います。

近年の判例や2011年9月の法改正(Leahy-Smith America Invents Act)から読み取れる米国の知的財産権に関する姿勢は以下の通りです:

進歩性基準を厳格化し特許の質を向上

 - KSR Int'l Co. v. Teleflex, Inc., 550 U.S. 398 (2007) (これにより非自明性の審査が厳しくなった。)

付与後特許に対する異議申立ての機会を拡張

 - 付与後異議申立制度(Post-grant review)の導入(2011年のAmerica Invents Act)

過剰な権利行使を抑制

 - Abbott Labs v. Sandoz, 566 F.3d 1282 (Fed. Cir. 2009) (所謂"product-by-process"形式のクレームの権利範囲を、クレームで規定したprocessで得られる物に制限した。)

 - 複数の被告に対する訴訟の併合(joinder of parties)についての制限(2011年のAmerica Invents Act)(以前は、1つの特許訴訟において複数の被告を訴えることが可能であり、パテントトロールが複数の企業に対して同時に特許権侵害訴訟を提起し損害賠償金請求することが問題視されていた。この対策として、「同一の特許を侵害している」ことのみをもって複数の被告を1つの訴訟事件で訴えたり、1つの訴訟事件に併合したりすることができないこととされた(§299)。)

 - In re Seagate Technology, LLC, 497 F. 3d 1360 (Fed. Cir. 2007) (特許侵害訴訟において、3倍賠償の対象となる故意侵害の有無の立証責任を、侵害者から特許権者側に移した)

 - 故意侵害及び侵害教唆対策としての鑑定書の入手・提出の不要化(2011年のAmerica Invents Act)(上記Seagate事件における判示の一部を成文法化。鑑定書を入手しなかったことや裁判所に提示しなかったことを、故意侵害(willful infringement)の認定や、侵害教唆(inducement of infringement)の意思の認定に使用できないと規定された(§298)。2012年9月16日以降に発行された特許に対して適用。)

特許出願人又は特許権者の過失に対する罰則適用条件を緩和

 - ベストモード要件違反を特許無効の理由から除外(2011年のAmerica Invents Act)

 - Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))(不公正行為(Inequitable Conduct)の立証を困難にした)

 - 補助的審査(Supplemental Examination)制度の導入(2011年のAmerica Invents Act)(情報開示義務(IDS)違反の救済措置)

特許出願に関する門戸は狭めない

 - Bilski最高裁判決[Bilski v. Kappos, 130 S. Ct. 3218, 561 US, 177 L. Ed. 2d 792 (2010)] (CAFCの大法廷(en banc)が「machine-or-transformation testが、ビジネス方法に関する発明が特許保護の対象になるか否かについての唯一の判定手段」と判示したのを最高裁が覆した。)

KRS判決による非自明性判定基準の変化:

以前は審査が厳しいと言われている化学分野の特許出願で、かなり厳しい審査結果を予想していたにも関わらず、あっさりと特許になって拍子抜けしたようなケースも多々ありました。しかし、最近は我々も実感として、KSR判決を境に自明性(複数の先行技術文献の組み合わせに対する容易性)の審査が非常に厳しくなったと思います。正直な所、KSR判決以前は、「減縮補正を行わないと103条(自明性)で拒絶されるだろうな」と思う様な件が、拒絶を受けずにそのまま特許にということも結構ありました(しかも、審査結果が出るのが早かった)。現在は、特許庁における審査は、より時間をかけてかなり厳密に行われているという印象です。KSR判決において最高裁は以前よりも厳格な非自明性の基準が提示しましたが、判断基準が厳格になった以上に、米国特許庁審査官の自明性審査に対する姿勢が厳しくなったと感じます。

実際に、統計的にみても、米国ではKSR判決以後では拒絶査定を受け審判請求を行う件数が増え(KSR判決前の2006年では3349件→KSR判決後の2008年では6385件)且つ審判請求を行って拒絶が撤回される確率が率低下しています(KSR判決前の2006年では41%→KSR判決後の2008年では28%)。

尚、参考までに、KSR判決後約2年間において、CAFC(連邦巡回区控訴裁判所)が、化学・生化学系の発明を非自明(進歩性有り)と判断したケースが約62%であったのに対して、非化学・生化学系の発明を非自明と判断したケースは約33%であったとの統計データもあるそうです(http://www.jurisdiction.com/dsmith.pdf)。このことは、KSR判決によって、化学・生化学の分野のように効果を予見することが難しい分野では非自明と判断されやすく、一方、機械などの構造物などの効果を予見しやすい分野の発明は自明と判断されやすくなったということを示していると解釈することできます。

最近、米国特許成立の確率が回復(向上)傾向にあるという情報も散見されますが、実際、数字上はそうであっても、これが淘汰(即ち、元々特許性が明らかでない出願は繰り返し拒絶を受けたために放棄されてしまった)や出願人が出願する発明を精査していることによるという可能性もあると思います。弊所の印象としては、現在でも、KSR判決直後と比較すると非自明性の判断も大分緩和されたようにも思いますが、KRS判決以前と比較すると未だ厳しいように思います。実際に弊所で扱っている案件でも、非自明性の拒絶に対してほぼ完璧な対応ができたような場合(先行技術の組み合わせに対する阻害要因の存在を明らかにし、更に実験証明で予想外の優れた効果を明らかにしたような場合)であっても、その後、審査官の理解不足による拒絶を受け、更に何度かインタビューを行って説明したり、細かい補正をすることによって漸く許可になったということもありました。要するに審査官の側に、非自明性の審査は厳格に行うべきという意識があると思います。

自明性の拒絶に対する対応

自明性の拒絶を受けた場合の典型的な対応は以下の通りです:

(a) 審査対象出願の発明や先行技術の開示内容に関する審査官の誤認を明らかにする。
(b) 先行技術の組み合わせに対する阻害要因(teach away)の存在を明らかにする。
(c) 予想外の優れた効果を明らかにする。
(d) 先行技術に教示・示唆されていない特徴をクレームに追加して、更にその特徴による予想外の優れた効果を明らかにする。

その他にも商業的な成功(所謂“secondary consideration”(二次的考慮事項)の例)などが考慮されることもありますが、これらはあくまで二次的に考慮される事項であって、一般的には上記の(a)~(d)で十分な対応が難しい場合に補足的に主張すべき事項です。やはり先ず上記(a)~(d)の観点からの反論を検討すべきでしょう。上記のKSR判決以前は、自明性の拒絶に対して「引用された2つの先行技術文献が異なる技術分野に属するものであるから組み合わせは不当」という反論で拒絶が撤回されることが屡々ありました。しかし、KRS判決以降は、異なる技術分野に属する先行技術文献であっても組み合わせることが当業者の常識の範囲内で容易であれば自明であるということになりました。従いまして、原則的には上記のような対応を考えるべきです。

上記(a)の審査官の誤解についてですが、特に米国の審査官は、技術内容の誤解に基づいて拒絶してくることが多いという印象があります。審査官の指摘を鵜呑みにせずに、自らの出願のクレームの記載や先行技術文献の開示内容を詳細に検討することが重要です。

また、その様な場合においても、ただ審査官の誤解を責めることを考えるのではなく、何故そのような誤解が生じたのかを謙虚に検討してみることが望ましい結果につながることが多いです。具体的には、審査官の誤解の理由を検討し、許容範囲内で、誤解の原因を排除し、発明をより明確に定義できる補正が可能であるならば、そのような補正を行うことが望ましいです。仮に審査官の誤解が明らかであっても、何らかの補正を行った方が、権利化がスムーズになります。

上記(b)の「阻害要因」については、一瞥してそのような阻害要因が見あたらないような場合でも、注意深く、執念深く、引用された先行技術文献を徹底検討すると、「阻害要因」として若しくは「阻害要因」とまではいえずとも先行技術の組み合わせを断ち切るために利用できる記載が見つかることも良くあります。一見自明性の拒絶が妥当に思えても、直ぐにあきらめないことが大切です。米国に限らず外国出願の多くは、現地代理人への依存度が高いと思います。しかし、現地代理人は、自分で明細書を作成したのではないということもあり、明細書や引用された先行技術文献を必要以上に詳細に検討することは通常有りません。現地代理人が半ばギブアップの状態でも、弊所で明細書や先行技術文献を徹底的に検討して有効な反論材料を見出したようなことも少なくありません。

上記(c)の「予想外の優れた効果」に関しては、米国の特許プラクティスの1つの大きな特徴として、出願明細書に記載されていない効果について、出願後に主張することが可能です。(日本や欧州においては、出願時の明細書に教示も示唆もされていなかったような効果に基づいて進歩性を主張することは原則的に許されません。)

また、米国において「予想外の優れた効果」の立証に有効なツールとして、37 C.F.R. 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)(以下、纏めて「宣誓供述書」)があります。この宣誓供述書形式で提出された証言やデータについては、審査官は、公知文献や専門家の見解書と同等の証拠として真摯に検討することが義務付けられています。この宣誓供述書は、最後に文字通り「署名者は、故意の虚偽陳述及びそれに類するものは、18 U.S.C.. 1001 に基づき罰金若しくは拘禁、又はその併科により処罰されること・・・について警告を受けており、本人自身の知識によって行う全ての陳述が真実であること・・・を宣言する」と宣誓して署名するものです。

37 C.F.R. § 1.132の宣誓供述書の詳細については、以下をご参考下さい:
MPEP §716.01(a)MPEP§716.01(c)

また、宣誓供述書については、こちら にもより具体的な説明と、弊所で作成した宣誓供述書のサンプルを幾つか掲載しておりますので、参考までにご覧下さい。

他の国では一般的に審査段階では宣誓供述書の形式での提出は要求されません。しかし欧州の場合、審査の段階では実験証明書を宣誓供述書の形式にする必要はありませんが、異議申立手続きや審判手続きにおいては宣誓供述書の形式にすることが要求されます。

尚、自明性(進歩性欠如)の拒絶に対する対応の仕方については、こちら でも解説しておりますので、ご覧下さい。

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欧州(10): 費用

欧州特許出願は、登録までの手続きを欧州特許庁で一括できる代わりに出願時の費用は他の国と比較して高額です。依頼する特許事務所や、その他の諸事情にもよって異なりますが、例えば比較的規模の大きい企業(large entity(従業員500人以上の法人))の出願であれば、欧州特許出願時の費用は、米国出願の2~3倍必要になります(米国では、比較的規模の小さい企業(small entity)であれば、出願料などの政府費用が半額になりますが、欧州にはそのような制度はありません。
米国における“small entity”の定義につきましてはこちらをご覧下さい
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/documents/appxr_1_27.htm

また、欧州特許庁によって、特許性を認められたらその後指定国への登録手続きを取ることになり、この登録手続きに関する費用が必要になります。この指定国での登録手続きに関しては、現時点では、1カ国あたり約10~25万円程度と考えればよろしいかと思います。以前は、例えばEP出願明細書が英語だった場合に、スペインなどの英語以外の言語が公用語である国に移行するためには、明細書をスペイン語などのその国の公用語に翻訳して提出する必要があり、多額の翻訳費用が必要になることがありました。しかし、翻訳文の提出を不要にすることを目的とした「ロンドン協定」が2008年に発効し、同協定の加盟国も増え続け、現在では、EP出願明細書が英語であった場合に明細書全体の翻訳が要求されることは無くなりました(請求項の部分のみ翻訳が要求される国はあります)。従いまして、以前は、国によって係る費用が10万円程度~100万円超まで大きく異なっておりましたが、現在では、上記したように1カ国あたり約10~25万円程度の幅と考えて良いと思います。

中国(1): 審査

以前は、新規性、進歩性については、それ程厳密な審査は行われないが、とにかくクレームを実施例に開示された具体例に限定することを要求されることが多かったのですが、近年は、そのような具定例への限定を要求されることは殆ど無くなり、新規性、進歩性などに関に関しても詳細な審査通知が発行されるようになりました。しかし、日、米、欧などと比較すると審査自体はそれ程厳しくはありません。

弊所でこれまでに扱った案件でも特許化が困難な状況に陥ったような案件はありません。

尚、以前は、新規性阻害事由となる公知公用について、国内公知(国内における公知、公然の実施や文献の公開が先行技術となること)を採用しておりましたが、2009年10月1日に施行された新中国専利法により、現在は、日本などと同様に世界公知(国内のみならず外国のどこかにおける公知、公然の実施や文献の公開を先行技術に含める)を採用しております(中国専利法第22条)。

国毎の審査プラクティスの違いなどについては、「知財関連情報」のコラムでも解説しておりますのでご覧下さい。


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