本来

弊所の基本理念

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例えば同じ所有権でも「土地」であれば、明確な境界線を引いて権利を主張することができます。

一方、特許は、無形の知的財産に関して、言葉で目に見えない境界線を引くことにより、自らの権利範囲を明らかにしなければなりません。これは大変な知識と技術を要する高度な作業です。僅かな表現の違いによって、当然権利範囲に入ると考えていたものに権利が及ばなかったり、逆に意図していた範囲より広すぎて従来の物との違いを明らかにできずに権利が無効となってしまうこともあります。

意図した通りの範囲の知的財産権を取得するためには、法律及び技術に関する知識のみならず、非常に高度な論理構成力が要求されます。料理人が違えば、材料が同じでも全く異なる味の料理が出来るのと同じように、特許の世界でも、出願人から提供される情報が同じであっても、それを処理する人間によって結果は全く異なったものとなります。

所望の範囲の権利取得のために優れた明細書が必須であることはいうまでも無く、審査や係争事件においては、同じ議論や証拠を提出するのであっても、順序や提示の仕方によっては、本来認められるべきであった議論や証拠の有効性が認められないということも起こり得ます。

井上&アソシエイツでは、長年、外国特許実務に携わることで蓄積した経験に基づき、お客様からのご依頼内容と頂いた情報を徹底的に検討し、技術及び法律の知識を駆使し、論理的、明快且つ説得力のある文書を作成することにより、確実且つ効率的な権利の取得と保護を可能にします。

特許実務も一種の職人技ですが、弊所には一切妥協することなく約35年に亘って外国特許実務に携わることによって蓄積した技術とノウハウがあります。また少数精鋭にて高品質なサービスを安定して供給致します。

特に外国への出願について日本国内代理人の意議やあり方に疑問を抱いておいでの方は、是非弊所を 一度お試し下さい。勿論、日本国内の出願につきましても、同様に高度な技術を駆使し、質の高い権利取得を可能にします。

進歩性の拒絶への対応(Part 3)

(D)その他の反論

異なる技術分野に属する先行技術文献の組み合わせ

進歩性欠如の拒絶は、殆どの場合、複数の先行技術文献の組み合わせにより自明というものです。

以前から実務において、先行技術文献が開示している技術が属する分野が異なるため組み合わせることが出来ないと指摘することが有効な手段の1つとして知られています。

しかし、特に近年は、殆どの国において単に属する技術分野が異なるという理由だけで、進歩性が認められることは少なくなっています。日本、米国、欧州など殆どの国において、技術分野が異なっていても、当業者の常識の範囲内で、組み合わせることが合理的であれば自明というスタンスが採用されています。例えば、米国においてこのスタンスを明確にしたのが2007年のKSR判決です。

従って、単に技術分野が異なるということだけでは不十分で、結局は、意外な効果や分野が異なることによる「阻害要因」が存在するということを示すことが必要になることが多いと思います。

「後知恵」(hind-sight)

「後知恵」に基づく拒絶とは、本来、進歩性(非自明性)の判断は、最近似の先行技術から出発して、審査対象の発明の出願時(即ち、この発明が知られていなかった時点)において、当該発明に到達することが容易であったかを検討することにより行わなければなりませんが、審査対象の発明の内容を念頭において、容易性を判断してしまうことを「後知恵」に基づいた判断と言います。

要するに、当該発明を知らない出願当時の当業者にとって容易であったかを判断しなければならないところ、当該発明を既に知っている審査官自身にとって容易と判断してしまうようなケースを指します。

審査官の判断が不適切な「後知恵」(hind-sight)によるものであるとの主張も有効な対応であると言われておりますが、よほど審査官の側に明らかな誤解があった場合を除いて、審査官に自らの判断を「後知恵」に基づくものであったと認めさせるのは難しいと思います。

「後知恵」に基づく拒絶を出してしまうということは、審査官にとってあるまじき判断ミス、最大のタブーの一つであり、自らの判断を出願人に「後知恵」と言われれば、憤りを感じる審査官も少なくないと思います。

少なくとも先進国の特許庁の審査官であれば、明らかな「後知恵」に基づく拒絶を出してくる可能性は極めて低く、「後知恵」であるという解釈も可能だが明らかでないような場合には、出願人が「後知恵」を主張し、それに対して審査官が「常識の範囲内」と反論し、結局のところ水掛け論で終わってしまう可能性が非常に高いです。その場合、審査官にネガティブな心証を与えるだけで余りメリットが有りません。

もっとも「後知恵」であることを示す明確な証拠があれば別ですが、そのような証拠は多くの場合「阻害要因」の存在を示唆するものであるでしょうから、そもそも審査官が認めることに強い抵抗を示すであろう「後知恵」の議論などせずに、「阻害要因」の存在を主張すれば良いことになります。

以上のことから、阻害要因に関する主張や意外な効果に関する主張の補助としては有効であるかも知れませんが、「後知恵」に関する主張のみで審査官を翻意させることは多くの場合、難しいと考えます。審査官の心証の観点から、他の理由に基づく議論が可能であるならば、むしろ「後知恵」の議論はしない方が良いかも知れません。但し、担当の審査官が変った場合や、審判・訴訟手続きにおいて、審査官の判断や相手の主張に対して行うのであれば、この限りではありません。

「商業的成功」(Commercial Success)

更に、商業的成功を主張できる場合は、補助的にこの主張を加えます。

但し、日米欧の特許庁のいずれも商業的成功については、その成功がクレームされた発明の技術的特徴に由来するものであることが認められた場合にのみ、進歩性判断の際に考慮することになっています。

実務においては、商業的成功に基づく主張は、進歩性の主張が少々弱い場合に補助的に利用します。その例として以下の様なシチュエーションがあげられます:

(a) 効果はあるがその度合いが顕著でない場合(例えば、触媒の発明において、収率が従来の触媒の数%向上しただけだが、既に成熟した技術分野であり、その僅か数%の向上が商業的に大きな意味を持ち、それによって大きな利益を得ているというような場合)、及び

(b) 効果は顕著だが、余りに関連性の高い先行技術文献の組み合わせによって進歩性欠如の拒絶を受けた場合(例えば、装置の発明に関する出願の審査において、属する技術分野、目的などが共通し、構造的にも非常に近いものを開示する2件の従来技術文献の組み合わせによって拒絶を受けたような場合)。

これに対して、従来品に対する優位性を示すことが出来ないのに、商業的成功のみをもって進歩性を主張しても、商業的成功は発明の特徴以外に起因するものという推測が成り立ち、全く考慮されないということになってしまいます。即ち、例えば、従来品と性能は同じ程度しかないが、非常によく売れているから当該発明品は従来よりも優れている筈であり進歩性を有するという様な主張をしても、商売上の成功が純粋に発明の特徴によるものか、それともマーケティングの成功によるものか定かでなく、進歩性判断の材料としては考慮されません。

弊所で、商業的成功に基づく進歩性の主張を行った案件は、いずれも上記(a)又は(b)に該当するようなシチュエーションであり、既に特許成立しておりますが、そこで商業的成功が審査官の判断に影響を与えたのかは、審査官の公式な見解には反映されておりませんでしたので定かではありません。しかし、進歩性判断に関する心証形成の上では何らかの効果はあったはずと考えております。

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選択発明(selection invention)について

1.「選択発明」の定義と特許性判断

「選択発明」には、主に「化合物の選択」と「数値範囲の選択」に関する発明があります。

「化合物の選択」は、例えば先行技術において広く定義されていた化合物の中から特定の種を選択してクレームするような場合のことであり、具体例としては、先行技術文献においてある薬品の成分として単にアルコールを使用すると記載されていたところ、特定の炭素数のアルコールを用いると顕著な効果を奏することを見出して、その特定の炭素数のアルコールに限定してクレームするような場合です。

「数値範囲の選択」は、例えば組成物を構成する成分の量に関して先行技術に開示されていた広い数値範囲の中から限定された数値範囲を選択してクレームするような場合のことであり、具体例としては、ある成分の量に関して、先行技術文献において"1~100重量%"としか記載されていなかったところ、30~33重量%というような狭い範囲内にすることで顕著は効果を奏することを見出して、その狭い成分量に限定してクレームするような場合です。

日本の審査基準においては選択発明について次のように記載されています。

「物の構造に基づく効果の予測が困難な技術分野に属する発明で、刊行物において上位概念で表現された発明又は事実上若しくは形式上の選択肢で表現された発明から、その上位概念に包含される下位概念で表現された発明又は当該選択肢の一部を発明を特定するための事項と仮定したときの発明を選択したものであって、前者の発明により新規性が否定されない発明をいう。」(審査基準第Ⅱ部第2章 2.5(3)III)

また、欧州においては、以前から、選択発明の新規性判断の基準として以下の要件を満たすことが要求されていました:
(1)選択された範囲が狭いこと、
(2)従来の範囲から十分に離れていること、
(3)選択された範囲に発明としての効果が有ること(審決T279/89)。

しかし、この効果に関する要件(3)は、新規性ではなく進歩性に関する要求であるという批判が以前からあり、2010年の審決 T230/07においては、効果に関する要件(3)は新規性判断からは除き、進歩性の要件とすると判示されました。

勿論、通常は、いずれにしても新規性のみならず進歩性も有さないと特許は認められませんが、効果に関する要件(3)が新規性判断の基準から除かれると、出願時未公開の先願(先に出願されたが、後願の出願時に公開になっていなかったもの)が引用された場合に大きな影響が有ります。即ち、日本を含む多くの国において、出願時未公開の先願の場合には、これに対して新規性さえあれば進歩性が無くても特許が認められることになっていますが、選択発明の場合に上記(3)も新規性判断の基準に含まれていると、出願時未公開の先願に対しても進歩性が求められることになってしまいます。効果に関する要件(3)が新規性判断基準から除かれれば、他の発明の場合と同様に、出願時未公開の先願に対しては、新規性さえ有していれば、先願に対して効果が無くとも(進歩性が無くとも)特許性を認められることになります。

これは一見尤もであるように見えますが、少々矛盾を含んでいるようにも思います。実際には、選択発明という物は、本来は従来技術に含まれているという観点からは新規性は無いとも解釈でき、選択した範囲が狭く且つ顕著な効果が有る場合に限り認められるものですから、選択発明に関しては、常に新規性と進歩性を分けて考えるべきではないという考え方も成り立ちます。実際にEPOがこれまで採用していた上記の(1)~(3)からなる基準もそのような考え方に基づくものであると思います。

この問題については、EPOの拡大審判部で取り上げられる可能性が有ります。

米国においては、選択発明に関して格別審査基準は設けられておりませんが、弊所の経験から判断しますと、EPOにおいて採用されていた上記(1)~(3)からなる判断基準を満たせば特許性は認められると思います。

2.選択発明の新規性・進歩性に関する注意事項

選択した狭い範囲に含まれる実施例が先行技術に無いこと、そして選択した狭い範囲の優位性について先行技術に教示も示唆もされていないことが重要です。

例えば、ある成分の量に関して、先行技術文献において範囲は"1~100重量%"としか記載されていなかったが、実施例において30重量%が記載されていたような場合、30~32重量%というような狭い範囲を選択しても、新規性が認められません。例え、その先行技術に効果が示唆されていなかったとしても、単なる公知物質に関する「効果の追認」であると見なされて新規性は認められません。

また、上記の例の場合(先行技術文献に"1~100重量%"と記載が有り、"30~32重量%"を選択した場合)、選択した狭い範囲"30~32重量%"と重複する狭い範囲(例えば、"25~33重量%"や"25~31重量%"など)が先行技術において好ましいと記載されていると、仮に新規性は認められても、この先行技術文献単独から自明(進歩性無し)と判断される可能性が高いです。

3.効果の証明

効果の立証においては、当然、選択した範囲において、その範囲外であった場合と比較して顕著な効果が有ることを示すことになります。

場合にもよりますが、通常は、幾つか代表的な態様を選択して実験データを提出すれば十分と考えられています。例えば、数値範囲の選択発明の場合、以下のような比較データを持って効果を証明することが考えられます。

実施例: 選択した範囲内の代表例のデータ(好ましくは選択した範囲の上限と下限付近のデータを含む)

比較例: 選択した範囲外で、上限及び下限付近のデータ及び/又は先行技術文献の実施例の中で該選択した範囲に一番近い態様のデータ

また、主張する効果が、発明の属する技術分野においてよく知られた特性に関するものであるか否かも重要になってきます。

例えば、その技術分野で公知の特性に関する効果であれば、選択した範囲において、突出した効果が要求されることが多い筈です。

逆に特定技術分野で公知でない特性に関する効果であれば、選択した範囲外の場合と比較して、それ程大きな効果の違いがなくても、進歩性が認められる場合が有ります。

4.選択発明を認めていない国

日本、米国、欧州、中国、韓国など殆どの主要な国において、以前から選択発明は認められていますが、ドイツでは原則的に選択発明が認められておりませんでした。

一方で、欧州特許庁(EPO)は、上記の通り、選択発明を認めております。従って、選択発明に関してEPOから特許査定を受けて、ドイツで登録したような場合に、ドイツでは無効訴訟を提起されて無効になってしまうことが実際に発生し、以前から問題視されていました。

これに関連して、2008年12月のオランザピン(Olanzapine)事件の最高裁判決において、ドイツ最高裁が、EPOの判例との整合性を指摘しながら、選択発明の特許性を認めたことが話題になりました。

しかし、こちらのAIPPIの資料にありますように、元々ドイツには「選択発明」という概念がなく、それに関する明確な審査基準も存在しません。そして、オランザピン(Olanzapine)判決は、所謂「選択発明」全般に関して欧州の審査基準と適合させるという意図を明らかにしたものではありません。むしろ、このオランザピン判決のみからは、欧州などで言うとことの「選択発明」に相当する特定の件に関して、それと類似した状況の特定のEPOの判例と同様の判断をしたということしか言えないと思います。

特に注意すべきであるのは、オランザピン事件は、「化合物の選択発明」に関するものであるということです。

今後、ドイツが、欧州と同様の審査基準を採用する可能性は在りますが、ドイツにおける選択発明の特許性判断に関して、現時点で言えることは:
(i) 新規性: 化合物の選択発明の新規性判断は、EPOによる判断と同様になる可能性が高いが、数値範囲の選択発明の新規性については、従来通り新規性が認められないのか、こちらもEPOの判断に合わせるのかが不明、
(ii) 進歩性: 新規性が認められれば、進歩性審査の基準は欧州と実質的に同じ、
ということであると思います。

上記(i)のドイツにおける「選択発明」の新規性が認められるための要件について、代表的な判例などに参照しながら以下に検証したいと思います。

ドイツにおける「選択発明」の新規性判断と特許明細書の開示内容の解釈:

ドイツでは選択発明が認められないと一般的に考えられてきたのは、少なくとも数値範囲に関しては、原則的に明細書に上位概念が開示されていれば、下位概念も(これが明示的に記載されていなくても)開示されていると見なすという考え方が根底にあったからです。これは、先行技術の開示内容の判断のみならず、補正の要件やクレームのサポート要件にも適用されております。

ドイツにおける数値範囲の選択発明の扱い: 

例えば、ドイツでの選択発明の特許性の審査においては、もしも先行文献に「分子量500~2,000,000」の化合物が記載されている場合は、その先行文献は「分子量500~2,000,000」の範囲内の数値をすべて個別に開示していると見なされ、この炭素数の範囲をさらに限定しただけの選択発明(たとえば、「分子量15,000~290,000」)は新規性が認められませんでした。これは、「数値範囲」に関する選択発明に関する代表的な判例として知られているFederal Supreme Court, 07.12.1999, GRUR 2000, 591, 593-594 - Inkrustierungsinhibitorenにおける判示です。

そして、自らの出願を補正する際に、出願明細書やクレームに、例えば「分子量500~2,000,000」とだけ記載してある場合(つまりさらに狭い範囲が記載されていない場合)でも、「分子量500~2,000,000」の範囲内の数値をすべて個別に開示していると見なされ、この範囲内のどのような数値範囲にでもクレームを限定することが許されます。

ドイツにおける化合物の選択発明の扱い:

代表的な判例として、”Fluoran” 判決(GRUR 1988, 447)及び“Elektrische Steckverbindung”判決(GRUR 1995, 330)がありますが、いずれのケースにおいても、先行技術に開示された一般式に含まれるが明示的(explicitly)に記載されていなかった化合物に関する選択発明の新規性が否定されました。

しかし、”Fluoran” 判決(GRUR 1988, 447)においては、上記の数値範囲の選択発明の場合と異なり、先行技術に一般式が開示されていることのみをもって、その一般式に含まれる全ての化合物がこの先行技術文献に開示されているとはみなさないとされています。要するに、化合物の場合には、上位概念が開示されていれば、直ちに下位概念も開示されているとはみなさないと判示されていました。

更に、これらの判例においては、以下の場合に、化合物の選択発明の新規性が認められる可能性を示唆しております。

選択された化合物に関して:

(a) 先行技術の開示のみからでは製造が困難: 先行技術文献に開示された情報に基づいて、選択発明に関する出願当時に、選択された化合物を当業者が困難無く製造できない場合[”Fluoran” 判決(GRUR 1988, 447)]、

(b) 先行技術に潜在的な(implicit)開示もない: 当業者が、先行技術文献の開示内容から、選択された化合物を読み取ることが出来ない[“Elektrische Steckverbindung”判決(GRUR 1995, 330)]。

しかし、2008年12月のオランザピン判決においては、上記(a)「先行技術の開示のみからでは製造が困難」を新規性判断の基準とすることを否定しました。これにより、化合物の選択発明の新規性の判断基準は、EPOの判断基準と実質的に同様になったと考えられます。

要するに、少なくとも化合物の選択発明の新規性判断に関しては、 - オランザピン最高裁判決以前からドイツとEPOは基本的に同じ方向を向いていたが、ドイツの基準の方が相当に厳しかったところ、オランザピン最高裁判決において、これを緩和し、EPOの基準に合わせた - と解釈できると思います。

一方、上記の通り、数値範囲の選択発明に関しては、ドイツとEPOの考え方は全く逆です。ドイツにおいて「上位概念が開示されていれば、下位概念も(これが明示的に記載されていなくても)開示されていると見なす」とう考え方を破棄してEPOに合わせるのか、現在のところ定かではありません。

上記オランザピン事件においては、(b)「先行技術に潜在的な(implicit)開示もない」であれば新規性が認められるということになったわけですが、一般式で表される化合物の場合、そこに含まれる化合物であっても、置換基が異なれば、合成方法や特性等の点で全く別の物質になると考える(従って、一般式の記載のみから、そこに含まれる特定の化合物までも潜在的に開示されているとは考えない)ことが合理的であるケースは多いと思います。

一方で、先行技術が開示する連続的な数値範囲から、特定の狭い範囲が潜在的にも開示されていないと言えるのかということになると話は別であるように思われます。

例えば、ある混合物の組成に関して、先行技術にある成分の量が1~95wt%とのみ記載されていて、この範囲から45~50wt%を選択したような場合、EPOの審査基準では、とりあえず範囲が十分に狭ければ新規性は認めるという立場であります。一方、ドイツにはこのような基準は無く、オランザピン判決に従うと、潜在的にも開示されていなければ新規性を認めるということになると思いますが、上記のような1~95wt%という連続した数値範囲から45~50wt%という狭い範囲を選択した場合に、潜在的にも開示されていなかったとみなされるのかという疑問があります。

「上位概念が開示されていれば、下位概念も(これが明示的に記載されていなくても)開示されていると見なす」という考え自体が完全にキャンセルされるのおあれば、補正に関するプラクティスも大きく変わるはずです。

いずれにしても、この問題に関するドイツ連邦特許裁判所や連邦最高裁判所の更なる判断を待つしかないようです。

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米国:AFCP試行プログラム実施期間延長

米国特許商標庁(USPTO)は、特許(Utility Patent)・意匠(Design Patent)出願に対する最後の拒絶理由通知(Final Office Action)後に、審査の再考を促す機会を与えるAfter Final Consideration Pilot(AFCP)プログラムを、2012年3月25日から6月16日までに提出された応答を対象として実施しておりましたが、この試行期間が2012年9月30日まで延長されることとなりました。

現行の規則では最後の拒絶理由通知(Final Office Action)後に提出された補正や証拠を審査官に考慮させるためには、RCE等の手続きが必要になることが多いのですが、AFCP によって、Final後に提出された補正や証拠について、限定的な(特許で約3時間、意匠で約1時間以内で済むような)検討や調査によって、該補正や証拠により特許査定できるとの判断が可能な場合、RCE等を行わずに補正や証拠を審査官に考慮させることが可能になります。

AFCPにより、Final後に可能になる補正や応答は以下のようなものです:

1.  The amendment places the application in condition for allowance by canceling claims or complying with formal requirement(s) in response to objection(s) made in the final office action. (クレームを削除する補正若しくは方式上の拒絶(objection)理由を取り除く補正であって、それにより出願を特許許可できる状態とするもの)

2.  The amendment places the application in condition for allowance by rewriting objected-to claims in independent form. (方式上の拒絶を受けたクレームを独立形式とする補正であって、それにより出願を特許許可できる状態とするもの)

3.  The amendment places the application in condition for allowance by incorporating limitations from objected-to claims into independent claims, if the new claim can be determined to be allowable with only a limited amount of further consideration or search. (方式上の拒絶を受けたクレームの限定を独立クレームに組み込む補正であって、それにより出願を特許許可できる状態とするものであり、且つ限定的な更なる検討または調査によって、その新たなクレームが特許許可できると判断できる場合)

4.  The amendment can be determined to place the application in condition for allowance with only a limited amount of further search or consideration, even if new claims are added without cancelling a corresponding number of finally rejected claims. (新たなクレームを追加し、それに相当する数の最終的に拒絶(reject)されたクレームを削除しないような場合であっても、その補正によって、限定的な更なる検討または調査で出願が特許許可できる状態となると判断できるもの )

(*注: 本来は、MPEP714.13において、Final後は、新たなクレームを追加することはできないと規定されている)

5.  The amendment can be determined to place the application in condition for allowance by adding new limitation(s) which require only a limited amount of further consideration or search. (限定的な更なる検討または調査のみしか必要としない新たな限定を加える補正であって、その補正により出願が特許許可できる状態となると判断できるもの)

6.  The response comprises a perfected 37 CFR 1.131 or 37 CFR 1.132 affidavit or declaration (i.e. a new declaration which corrects formal defects noted in a prior affidavit or declaration) which can be determined to place the application in condition for allowance with only a limited amount of further search or consideration (37 CFR 1.131 又は 37 CFR 1.132の宣誓供述書(Affidavit)又は宣言書(Declaration)の完全版(即ち、以前に提出されたAffidavit又はDeclarationの形式的な欠陥を訂正したもの)を含む応答であって、その応答により出願が特許許可できる状態となると判断できるもの)

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翻訳の質:レベル2(標準的品質)

レベル2の「技術的観点から、原文の内容と矛盾無く翻訳されている」は、要するに、無難な標準レベルの翻訳が可能ということです。

多くの技術翻訳者・特許翻訳者はこのレベルであり、またこのレベル以上でも無いと思います。技術的に理解出来ない部分が多々有りながらも、とにかく原文との矛盾が起りにくいように工夫して翻訳していると思います。

何故、このような工夫が必要かというと、当然、異なる言語間の直接的変換は不可能である(これが可能であれば、翻訳ソフトで十分なはず)からですが、原文の意味を本当に理解せずに、原文と矛盾しないようにすると、必然的に、原文より広く曖昧な表現になる傾向があります。そして、その結果、原文で意図されていた技術内容が読み取れない翻訳文となってしまうことがあります。

外国特許出願に関しても、誤訳とは言えないまでも翻訳が原因で、審査官に技術を正しく理解してもらえずに問題になることがあります。弊所では、他の翻訳会社などで翻訳された明細書で提出された特許出願案件を中途で預かったり、検討した経験がありますが、その際に発生していた問題の例を以下に挙げます。

尚、以下の例で取り上げている問題点は、プロの翻訳者や技術の専門家にしか理解出来ないというものではなく、特許について多少の知識が有る方であれば容易に理解出来るものであると思います。

例1(翻訳が原因で不明確との拒絶を受けた外国特許出願)

日本企業が出願した米国特許出願のクレームにおいて、特定の膜の物性が、その評価方法と共に規定されていましたが、不明確であるとして112条(記載不備)の拒絶を受けていました。

原文(日本語)とその英訳文

原文:

-- 該膜を介して水と塩水とを対向して接触させた際に、測定開始後5日目の水/塩水の電気伝導度(EC)の差が5.5dS/m以下の膜である --

英訳文(弊所以外の翻訳会社による):

-- the film is one showing a difference in the electric conductivity (EC) in a water/saline solution system at the time of five days after the start of measurement is 5.5 dS/m or less, when the water and saline solution in the system are brought into contact through the film so that the water and saline solution face each other through the film. --

上記英訳文の問題点

この件では、112条(記載不備)の拒絶に対して、当時の日本国内代理人も米国代理人も、このままの表現で明確であると何度か反論して、いずれも審査官に却下されていました。

しかし、弊所で検討させて頂いたところ、この表現では不明確との指摘は尤もであり、補正の必要があると考えました。

問題点(1) : 測定対象特性の不明確さ

“difference in the electric conductivity”が、何処と何処で測定された電気伝導度(EC)の差なのかが不明確である。

問題点(2) : 測定操作の不明確さ

”at the time of five days after the start of measurement ・・・ when the water and saline solution in the system are brought into contact through the film ・・・”というように、afterとwhenが組み合わされて使用されているが、測定において、この水と塩水をどのようなタイミングで接触させているのかが分かり難い。

問題点(3) : テクニカルな観点からの不十分な記載

更に、純粋に翻訳上の問題ではないが、ここで行われているような膜を介したイオン濃度の差の評価においては、測定開始時点の塩水の濃度によって結果は全く異なるものとなるはずであるのに、塩水の濃度が記載されていない。(明細書本文には記載されていた。)

上記の翻訳は標準的なものと言えるかも知れませんが、技術翻訳、特に特許翻訳の場合、原文で意図されたことが翻訳後の文章から明確に読み取れるかということをより一層慎重に検討する必要があります。この際に、技術的観点及び特許実務の観点から、原文に不足・不備が無いかも検討すべきです。

弊所による補正

以上のような観点から、弊所で以下のように補正することを米国代理人に指示し、その結果112条の拒絶は撤回されました。

-- the film shows an electrical conductivity (EC) difference of 5.5 dS/m or less as determined by a method comprising contacting water with a saline solution having a salt concentration of 0.5 % by weight through said nonporous hydrophilic film, measuring respective electrical conductivities of the water and the saline solution 5 days after the start of the contact, and calculating the difference in electrical conductivity as between the water and the saline solution. -- (下線は、強調のために付加した)

要するに、(1)まず、膜を介して水と特定濃度の塩水を接触させ、(2)5日後の水のECと塩水のECを測定し、(3)得られた2つのEC値の差を求める、という測定手順が明確になるように補正しました。実際に、発明者が言わんとしていたのは、このようなシンプルなことです。

ここで、塩濃度は補正でないと追加できませんが、それ以外の箇所については、原文の意味を本当に理解していれば、翻訳の段階で対処出来た筈です。上記の他社による翻訳は、原文の真意を英語に変換することよりも、日本語の翻訳という枠に囚われすぎて、意図が伝わらない英文になってしまったということと推測します。

例2(翻訳が原因で先行技術との違いが不明確になってしまった外国特許出願)

この例は、合金分野の発明に関する日本企業の米国特許出願で、こちらも弊所以外の翻訳会社が明細書を英訳したものです。事情により、弊所で検討する機会がありましたが、翻訳のレベルとしては標準的なものであるようでした。しかし、一見、無難に見えた明細書の英訳文において不明確な翻訳があり、恐らくは、それが原因で審査官に発明の本質を理解してもらえずに困難な状況に陥っていました。

原文(日本語)とその英訳文

まず、原文とその英訳文は以下の通りです。

原文:

-- 最後の中間溶体化熱処理とは、全工程中のある工程と別のある工程の中間に複数回施される溶体化熱処理の内で、工程の順序として最後に施される溶体化熱処理をいう --

英訳文(弊所以外の翻訳会社による):

-- the "final heat treatment for intermediate solution treatment" is the heat treatment for solution treatment which is conducted lastly in order of the steps, among the heat treatments for solution treatment, which are conducted in a plurality of times between one step and another step in the whole process.  --

上記の英訳文が特許出願の審査に及ぼした影響(弊所の推測)

この特許出願案件においては、従来の合金とは異なる合金を製造する上で、「最後の中間溶体化熱処理」が行われるタイミングが非常に重要なのですが、英訳文においては、「最後の中間溶体化熱処理」が、いつ行われる処理なのかが非常に分かり難く、恐らくは、それが原因で、審査官に『製造方法が先行技術に開示されているものと区別できないから、得られる物も区別出来ない』という趣旨の指摘を受けているようでした。

上記英訳文の問題点

上記の英訳文において、「最後の中間溶体化熱処理」が、いつ行われる処理なのかが非常に分かり難くなっている原因は、翻訳者が、完全にこの熱処理のタイミングを理解せずに訳したことによると思われますが、具体的には以下の要因によって原文の意図が伝わり難いものとなってしまっています。

問題点(1) : タイミングを示す単語の不適切な使用

原文の「最後の中間溶体化熱処理」が、“final heat treatment for intermediate solution treatment”と訳されている。これを逆に日本語に直訳すると「中間の溶体化処理のための最後の加熱処理」となる。

この訳だと“final heat treatment”と“intermediate solution treatment”という2つのtreatmentsの関係が分かり難く、特に、中間の(intermediate)処理のための最後の(final)処理ということになってしまっているため、「中間の」と「最後の」という2つのタイミングの相互関係が非常に分かり難い。

問題点(2) : タイミングを示す用語/表現の不統一

上記(1)にも関連して、原文の「最後の中間溶体化熱処理」における「中間」は、原文にも説明されているとおり「全工程中のある工程と別のある工程の中間に複数回施される」という意味だが、この「・・・中間に複数回施される」の英訳において、“intermediate”という用語を使用せずに、単に“plurality of times between one step and another step”としてしまっている。

そのため“intermediate solution treatment”における“intermediate”が「全工程中のある工程と別のある工程の中間」を意味しているということが分かり難い。

問題点(3) : 関係代名詞の不要な重複使用

 “・・・which is conducted lastly in order of the steps, ・・・which are conducted in a plurality of times”というように2重に関係代名詞が使用されており、それぞれの先行詞が分かり難い。その結果、工程のタイミングが分かり難くなっている。

以上(1)~(3)の理由により、日本語の原文を読めばどのような操作を意図しているのか分かるのに、英訳文のみからでは極めて分かり難いということになってしまっており、また米国特許庁の拒絶理由からも、審査官が上記の製法の特徴が理解出来ていないことが伺えました。

弊所案

弊所でしたら、上記の文章は、例えば、以下のように英訳します:

-- the “final intermediate solution heat treatment” means the solution heat treatment carried out as the final one of a set of solution heat treatments each carried out as an intermediate treatment between two different steps involved in the entire process. --

[参考までに、上記の他社による翻訳は以下の通り:

-- the "final heat treatment for intermediate solution treatment" is the heat treatment for solution treatment which is conducted lastly in order of the steps, among the heat treatments for solution treatment, which are conducted in a plurality of times between one step and another step in the whole process.  --]

溶体化や溶体化熱処理の英語表現として“solution heat treatment”という用語は一般的に使用されています。

一応、上記の弊所案でしたら、“final intermediate solution heat treatment”は、中間溶体化のために数回行われる熱処理の内の最後の熱処理を指しているということが容易に分かると思います。

このように、一見無難に見える翻訳であっても、真に技術を理解した上で、それが客観的に理解できるように工夫されていないと、誤解が生じて問題になることが有ります。

また、更に加えて言うならば、合金の業界では「溶体化熱処理」は確立された用語のようですが、審査官が合金分野に精通しているとは限りません。従って、本来、明細書に「溶体化熱処理」の一般的な定義を説明しておくか、若しくは審査通知に対する回答において説明をすべきと考えますが、それがなされておりませんでした。特許の分野では、弁理士のみならず翻訳者もそのような配慮が出来ることが望ましいと考えます。

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米国(4)

Q. 再発行(reissue)で認められる訂正はどのようなものか?また、特許権者が指摘した再発行申請理由以外の理由で特許性を否定されることがあるのか

A. 再発行制度は、出願人の過誤(error)を訂正するためのものであり、その過誤が、それにより特許の全部または一部が実施不能(inoperative)または無効(invalid)となるようものである場合に、訂正が認められます。クレームが狭すぎるという理由でクレームの拡大が許されることも有りますが、その場合、原特許発行から2年以内に申請する必要があります。また、クレームを拡張する場合、その他にも幾つか注意事項が有りますが、それについては、次のQ&Aに譲りますので、そちらをご覧下さい。

訂正の対象としては、クレームのみならず、明細書本文や図面を訂正することも可能です。また、優先権の主張の欠落や誤りを修正することも出来ます。

再発行を申請する際には、既に発行されている特許が、その特許に含まれてしまった詐欺的意図のない特定の過誤により、全体的あるいは部分的に「効力/効果が無い(inoperative)」あるいは「無効である(invalid)」ことを述べる宣誓書を提出しなければなりません。

審査過程においては、上記の過誤だけがチェックされるのではなく、全クレームが全ての特許要件について改めて審査されます。従って、上記の過誤以外の欠陥を審査官に指摘されて拒絶され、有効な回答ができず、結局、再発行特許を受けることができないこともあり得ます。

Q. 本来、発明に不要な要件を米国特許のクレームに記載してしまったため、その必須でない要件を外して発明を実施している第三者に対して侵害差し止めを請求出来ない。米国で、特許後に上記の不要な要件を外す補正をすることは出来ないか?

A. 不要な要件を外すということは、クレームを「拡大」することになりますが、そのような場合、再発行制度(Broadening Reissue)(35 U.S.C. 251)を利用してクレームの拡大することが可能です。(再審査(Reexamination)では、クレームを拡大する補正は不可。)クレームを拡大する再発行については、以下の点に注意することが必要です。

(1)通常の再発行は、特許存続期間中であれば、いつでも可能だが、クレームを拡大する再発行は、原特許発行から2年以内に申請する必要がある(35 U.S.C. 251, MPEP 1412.03)。

(2)審査段階において、特許を取得するために放棄された発明の主題(surrendered subject matter)を再取得(recapture)することは許されない(MPEP 1412.02)。即ち、再発行によりクレームから削除しようとしている主題が、審査段階において拒絶を克服するために、補正によりクレームに導入されたもの、若しくは発明の重要な特徴として主張されたものである場合、これを再発行によって削除することは許されない

(3)特許クレームに変更(ここでいう「変更」とは、減縮、拡張等のクレームの権利範囲を実質的に変更するものをいう。クレームの権利範囲に影響を及ぼさないものは含まない。)を加えた場合、変更前の元の特許クレームは初めから存在しなかったものとみなされる(一方、再発行において変更されずに残ったクレームについては、原特許に基づく権利が有効に維持される)。また、再発行の後の変更されたクレームについては、特許権者は、再発行の後になされた第三者の行為に対してのみ、損害賠償や差止めを請求することができる。しかも、この場合の特許権の行使は、第三者のintervening rightによって制約を受ける("intervening right"は「中用権」と訳されることが多いが、日本の特許法における「中用権」、即ち、日本の特許法第80条に規定される通常実施権とは、意味が異なる)。詳しくは、「米国における特許訂正の効力について」の項を参照されたい。

Q. 米国でパテントトロールとおぼしき会社に特許侵害訴訟を提起された。訴訟が提起されたのは、パテントトロールに好んで利用されることで有名なテキサス州東地区裁判所である。この管轄について、他の管轄への移転を請求することはできるのか?

A. テキサス州東地区裁判所は、パテントトロールの聖地のような裁判所であり、特許権者に対して有利な判決を出す傾向が極めて顕著であることで有名な裁判所です。この裁判所では、特許侵害訴訟における原告(特許権者)の勝訴率が、80%にも及ぶと言われています。

この管轄について、他の管轄への移転を申立てることができ、一定の要件を満たせば、この申立てが認められることがあります。移転の申立てを認めるか否かは、以下の様な「私益」及び「公益」の要因の観点から検証を行う多因子テストによって判断されます。

「私益」の要因: (1) 証明情報源へのアクセスの容易さ、(2) 証人出廷を実現するための強制的な手続が可能か否か、(3) 証人が自発的に出廷するための費用、(4)事実審の容易化、迅速化、費用低減、その他のあらゆる実際的な事項。

「公益」の要因: (1) 裁判所における訴訟の集中による管理上の問題、(2) その地で決定される地方特有の争点に存在する利益、(3) 法廷地と事件に適用される法の親和性、(4) 抵触法または外国法の適用に関する不必要な問題の回避。

但し、上記の申立てが認められるのは、当事者双方がテキサス州東地区において一切事業活動していないなど、他の管轄に移さないことが職権の濫用であることが明らかであるような場合でないと難しいようです。

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