効率的

弊所の基本理念

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例えば同じ所有権でも「土地」であれば、明確な境界線を引いて権利を主張することができます。

一方、特許は、無形の知的財産に関して、言葉で目に見えない境界線を引くことにより、自らの権利範囲を明らかにしなければなりません。これは大変な知識と技術を要する高度な作業です。僅かな表現の違いによって、当然権利範囲に入ると考えていたものに権利が及ばなかったり、逆に意図していた範囲より広すぎて従来の物との違いを明らかにできずに権利が無効となってしまうこともあります。

意図した通りの範囲の知的財産権を取得するためには、法律及び技術に関する知識のみならず、非常に高度な論理構成力が要求されます。料理人が違えば、材料が同じでも全く異なる味の料理が出来るのと同じように、特許の世界でも、出願人から提供される情報が同じであっても、それを処理する人間によって結果は全く異なったものとなります。

所望の範囲の権利取得のために優れた明細書が必須であることはいうまでも無く、審査や係争事件においては、同じ議論や証拠を提出するのであっても、順序や提示の仕方によっては、本来認められるべきであった議論や証拠の有効性が認められないということも起こり得ます。

井上&アソシエイツでは、長年、外国特許実務に携わることで蓄積した経験に基づき、お客様からのご依頼内容と頂いた情報を徹底的に検討し、技術及び法律の知識を駆使し、論理的、明快且つ説得力のある文書を作成することにより、確実且つ効率的な権利の取得と保護を可能にします。

特許実務も一種の職人技ですが、弊所には一切妥協することなく約35年に亘って外国特許実務に携わることによって蓄積した技術とノウハウがあります。また少数精鋭にて高品質なサービスを安定して供給致します。

特に外国への出願について日本国内代理人の意議やあり方に疑問を抱いておいでの方は、是非弊所を 一度お試し下さい。勿論、日本国内の出願につきましても、同様に高度な技術を駆使し、質の高い権利取得を可能にします。

外国出願

外国へ各種知的財産権取得のための出願業務[特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願やマドリッドプロトコルに基づく国際登録商標出願を含む]並びに出願後の諸手続き(拒絶理由通知に対する回答書や審判理由補充書の作成及び提出など)を行います。

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井上&アソシエイツでは、外国出願制度に精通した技術者並びに事務担当者が出願から登録までの手続を行うだけでなく、海外各国に、長年にわたって信頼関係を築き上げた提携事務所がありますので、安心して外国出願への対応をお任せいただけます。

カバーする国につきましては、米国や欧州諸国をはじめ、BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国及び南アフリカ)やNEXT11諸国(イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム及びメキシコ)などの新興国を含む178カ国における出願実績が有ります。

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お客様との綿密なご相談に基づき、お客様の発明並びに関連先行技術を徹底的に検討し、「強い特許」が得られる明細書を作成するサポートを致します。

井上&アソシエイツのスタッフは各々が高度な特許的知識、専門技術の知識並びに英語能力を有する外国特許のプロです。従いまして、外国出願の場合にも、単に出願明細書の翻訳に留まらず、特許的な観点からお客様にアドバイスし、よりよい明細書を作り上げていきます。徹底した対応により成功率も非常に高く、外国特許出願に関しましては、出願人の都合により出願放棄したような場合を除いては、ほぼ100%特許成立させています。

尚、上記の理由により、弊所は、和文・英文に関わらず高品質な特許出願明細書の作成が可能ですので、第一国出願の明細書やPCT出願明細書を最初から英語で作成することも可能です。さらに出願時の打ち合わせなどを英語で行うことも可能です。弊所では顧客企業における外国代理人との会議の司会進行や簡単な逐語通訳なども屡々行っておりますので、知財関連の英語での打ち合わせを効率的且つ効果的に行うことができます。

また、代理人を立てずに提出した日本出願や弊所以外の特許事務所を介して提出した日本出願に基づく外国出願も対応可能です。(実際にそのような案件を数多く扱っております。)

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マドリッド協定議定書(マドリッドプロトコル)に基づく商標登録などの外国商標出願に関しても、経験豊富なスタッフがおります。弊所のスタッフは全員、非常に高い英語でのコミュニケーション能力を有しておりますので、外国商標登録もスムーズに行うことが出来ます。

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出願後の手続き(拒絶理由通知に対する回答書作成など)も同様のスキルをもって対応いたします。

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課題2:中間処理(拒絶理由通知に対する応答など)の効率化とコスト低減

弊所は、他の特許事務所で出願した案件が難しい状況に陥ってから中途で引き受けたことが何度か有りますが、これまで全て成功に導いております。即ち、そのような案件は全て先任の国内外代理人の検討不足によるものであったということになりますが、外国特許出願の場合には、責任の所在が不明確になり、検討不足の状態が生じ易いということがあると思います。その原因として以下のようなことが考えられます。

(1)外国出願の日本国内特許事務所における扱いに関しては、言語と法律の違いにより、翻訳者が外国出願用英文明細書を作成し、その後の対応は外国代理人に一任に近い形になる。即ち、日本出願明細書(若しくはPCT出願和文明細書)を作成した本人は、外国出願で使用する英文明細書の作成にも、その後の中間処理においても余り関与しない。

(2)外国代理人は、自ら明細書を作成したわけではないので、発明の理解が不十分であり且つ権利化に対する責任感が希薄になる傾向がある。

無駄に審査が長引けば、当然、経費が増加します。また、難しい状況になって米国や欧州の代理人の助言を仰いだり、詳細な検討を依頼したりすると高額な請求が来てコストが大きく膨らんでしまうということもあります。

課題2に対する弊所の対応

弊所の外国出願担当者は、上で述べたように、明細書の作成は勿論、米国・欧州特許庁の拒絶に対する回答書や外国での係争における理由書・答弁書などの作成も基本的に自ら行いますので、上記のような問題は起りません。

外国出願であっても、成功するか否かは我々の責任であるという認識を常に持って対応します。

弊所が中途で引き受けた案件には、最終拒絶理由通知(final office action)と継続審査請求(RCE)を繰り返して国内外代理人がお手上げの状況になった米国出願なども有りましたが、弊所で引き継ぎ後1又は2回の回答で許可を得ています。そのような案件の場合、出願時から弊所に任せて頂いていれば権利化までの経費は半額以下で済んだはずであると思います。

『法律も実務も異なる外国出願の中間処理を日本の代理人が処理できるのか?』と疑問を抱かれるかも知れませんが、弊所は開設時から、上記の様な実務を行っており、スタッフは全員厳しく教育され、外国案件も自分でこなせるようになった少数の者のみで構成されています。従って、外国特許関連手続については圧倒的な経験値を有しており、各国の制度や実務に準じたアドバイスや対応が可能です。実際に、外国特許庁へ提出する書類も実質的に弊所で完成させてしまうというスタイルについては、お客様より評価を頂いたことはあっても、クレームを受けたようなことは皆無です。

以上の通り、弊所では明細書を作成した担当者自らが回答書作成も行うため、十分な発明理解に基づいた効果的・効率的な対応が可能であり、現地代理人費用も削減することが出来ます。

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進歩性(非自明性)の判断基準

日本の特許審査基準には、進歩性の判断に関して以下のように記載されています(審査基準第II部 第2章 2.5、(3)参照)。

「引用発明と比較した有利な効果が明細書等の記載から明確に把握される場合には、進歩性の存在を肯定的に推認するのに役立つ事実として、これを参酌する。」

「請求項に係る発明が引用発明と比較した有利な効果を有している場合には、これを参酌して、当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことの論理づけを試みる。そして、請求項に係る発明が引用発明と比較した有利な効果を有していても、当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられたときは、進歩性は否定される。」

「しかし、引用発明と比較した有利な効果が、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものであることにより、進歩性が否定されないこともある。」
(下線は追加しました)

審査基準の上記記載からわかりますように、進歩性を確立するためには、単に「引用発明と比較した有利な効果」があるだけでは不充分であり、

 「当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられ」ないこと、及び

 「予想外の顕著な効果」があること、

のいずれか又は両方を示すことが重要になります。

ここでは、日本の審査基準を例に取りますが、このような考え方は、万国共通と考えて良いと思います。

後者(「予想外の顕著な効果」)は、明細書の実施例や比較例のデータを利用したり、新たな実験データを提出することにより示すことになります。

そして、前者(「当業者が請求項に係る発明に容易に想到できたことが、十分に論理づけられ」ないこと)を示すためには、先行技術から本発明を想到することを妨げるような事情ないし事由(所謂「阻害要因」又は「阻害事由」)の存在を示すことが最も有効です。

要するに、複数の先行技術文献の組み合わせから容易、若しくは、本発明と単一の先行技術文献との相違が、当業者が適宜選択し得る「設計的事項」(最適材料の選択、設計変更、周知の均等物との置換など)に過ぎないという理由で拒絶された場合に、先行技術文献同士を組み合わせること、若しくは設計的事項と認定された技術的特徴を先行技術に適用することを阻害する要因が存在したことを明らかにすることが出来れば、進歩性欠如の拒絶を克服することが出来ます。

阻害要因の例

「阻害要因」には大きく分けて2通りあります。一つは引用発明同士を組み合わせると取り返しのつかないデメリットが生じることが技術常識として知られているといったテクニカルな観点からの阻害要因であり、もう一つは技術的課題の解決方法が逆になるというような技術思想的な観点からの阻害要因です。

上記のテクニカルな観点からの阻害要因としては、主成分(a)と補助成分(b)とからなる医薬品を主題とする発明Xが、成分(a)を開示する先行技術文献Yと成分(b)を開示する先行技術文献Zとの組み合わせにより容易と認定されたという場合を例に取りますと、例えば、文献Yと文献Zのいずれかに「成分(a)と成分(b)を組み合わせると毒性を発揮する」ということを示唆する記載があれば、それは理想的な阻害要因の一例といえます。

また、技術思想的な観点からの阻害要因としては、本発明と先行技術の構成的な相違点が一見非常に小さくとも、その相違点が、本発明と先行技術の目的が全く異なる為に生じたものであることが明らかであるような場合が挙げられます。例えば、本発明が屋外用の塗料組成物に関するもので、先行技術が屋内用の塗料組成物に関するものであり、本発明と先行技術の組成物は同一の成分から構成されている場合を想定します。ここで、本発明には、ある特定の成分(A)の量が、屋外用途のための耐候性を維持する目的で組成物全体の10wt%以下とクレームに規定されており、一方、先行技術には、その成分(A)の一般的な量が、本発明と重複する1~50wt%と記載されているが、先行技術全体の開示から、この先行技術の目的が屋内用途のための吸湿性を向上させることであって、その目的を達成するために成分(A)の量が20wt%以上であることが必要であることが明らかであるような場合、先行技術において成分(A)の量を本発明のクレームで規定された10wt%以下にすることに対する阻害要因があったと認められると考えられます。

補助的な阻害要因

もちろん、上記のような明らかな阻害要因が常に存在するとは限りません。しかし、たとえ明らかな阻害要因が見当たらない場合でも、引用文献の記載を注意深く検討すると、単独では「阻害要因」とまでは言えないかも知れないが、他の有効な方策(たとえば、優れた効果を示す比較実験データの提出、証拠資料の提出、主クレームに何らかの補正を行なうことなど)と併用すれば、いわば補助的に進歩性を支持する要因として利用可能な情報を読み取ることができることがあります(以下、そのような利用可能な情報を便宜的に「補助的阻害要因」と称します)。

阻害要因に関する主張と「予想外の顕著な効果」に関する主張が共にそれ程強く無くとも、これらを組み合わせることによって進歩性が認められることもあります。

「補助的阻害要因」については、たとえば、上記の例で言いますと、先行技術文献Zに成分(b)が開示されているとしても、重要なものとして特筆されている場合もあるでしょうが、単に同列に列挙される数多くの化合物例の中の1つである場合もあります。後者の場合は、補助的な議論として「成分(b)は同列に列挙される数多くの選択肢の1つにすぎず、成分(b)が特に好ましい旨の趣旨は教示も示唆も全くされていないので、それを取り出して成分(a)と組み合わせる動機や理由はどこにもない」という趣旨の議論が有効な場合が有ります。

もちろん、この様な議論は、上記の通り、他の方策と組み合わせて行うものであり、単独では余り効果は見込めません。例えば、文献Yと文献Zとが類似の技術に関するものであって、且つ成分(b)を使用しても文献Zに成分(b)と同列に列挙される他の化合物を使用した場合と比較して格別の効果が無いということでは、上記の様な議論のみで審査官を説得することは困難です。

一例として、本発明、文献Y及び文献Zが二液性接着剤(主剤と硬化剤の2成分からなる接着剤)に関するものであったとして、本発明の成分(a)が主剤で成分(b)が硬化剤であると仮定しましょう。そして、本発明の成分(a)が文献Yに開示されていて、文献Zが硬化剤として列挙している中に成分(b)が含まれていたとします。その場合に、成分(a)と成分(b)を組み合わせた時に、硬化性能やその他の性能が、成分(b)以外の硬化剤化合物を使用した場合と変わりないということでは、成分(a)と成分(b)を組み合わせることに格別の困難性や意外性は見いだせないとして、容易性の拒絶は維持されてしまうと思います。また、成分(b)が周知の硬化剤であったならば、本発明における成分(b)の使用は単なる設計事項に過ぎないとして、文献Yのみに基づいて進歩性が否定されてしまうかも知れません。

具体的には、「成分(b)は同列に列挙される数多くの選択肢の1つにすぎず」という趣旨の議論は、以下のような議論と組み合わせると有効であると考えられます。

(1)成分(b)を使用した場合に、文献Zに成分(b)と同列に列挙される他の成分を使用した場合と比較して顕著な効果が有る。
(2)文献Yと文献Zとは一見類似の技術に関するものだが、単純に組み合わせることが出来ない理由がある。

上記(1)については、たとえば、「成分(b)」と同列に列挙される数多くの選択肢の少なくとも1つ以上と「成分(b)」と間の効果の顕著な差を示す比較実験データを提出できるならば、進歩性を証明するために、かなり有効な手段となります。
上記(2)については、文献Zにおいて上記のようにいくつもの選択肢が同列に列挙されているということは、文献Zにおいてはそれが全て互いに「等価物」であると認識されているということです(なお、これを英語の意見書で述べるならば、たとえば「they are equated with each other」などと表現できます)。したがって、もしも、文献Zに列挙されている化合物群の中に文献Yにおいて使用できないものが含まれている場合、当業者は、文献Zに記載されている成分(b)を含む化合物群を直ちに文献Yに適用することは出来ないと考えるでしょうから、その点を「補助的阻害要因」として利用して、文献Yと文献Zを組み合わせることの困難性を主張することが出来ます。

例えば、上で述べた二液性接着剤(主剤と硬化剤の2成分からなる接着剤)の場合を例に取ると、文献Yと文献Zは共に二液性接着剤に関するものであるが、主剤として使用される樹脂が異なる為に、適する硬化剤も異なるという様な状況が考えられます。即ち、文献Zに成分(b)と同列に記載されている硬化剤は、文献Yの主剤樹脂に対しては硬化剤として機能しないことが知られているというようなことがあれば、その事実に基づいて文献Yと文献Zとを組み合わせることが自明でないと主張することができると思います。

このように、引用例の記載を詳細に検討して、明らかな阻害要因とは言えないまでも、先行技術から本発明に想達することの困難性を示す上で少しでも役立つ事項(上記の「補助的阻害要因」)を見出すことが出来れば、他の主張と組み合わせて進歩性の拒絶を克服出来ることがあります。従いまして、特に進歩性を明確にすることが困難な状況に直面した時には、引用例の内容についての審査官の見解を鵜呑みにするのではなく、引用例の全体を様々な観点から徹底的に分析してみることも必要です。

また、上記では阻害要因と「補助的阻害要因」とに分けて述べましたが、実際においては、上記で例示した「明らかな阻害要因」のような極端な例でもない限りは、多くの場合、阻害要因として利用できるのか(それとも「補助的阻害要因」としてしか利用できないのか)は、審査官の判断を待たないと分かりません。つまり、阻害要因と「補助的阻害要因」との間に明確な線引きができないことが多いものと考えます。さらにいえば、特許庁の段階では「阻害要因」が存在しないと判断されたものが、知財高裁の判断では「阻害要因」が存在すると判断されるということもあります(例えば、以下の判例参照:平成19年(行ケ)第10007号事件;及び平成22年(行ケ)10104号事件)。

クレームの補正

拒絶理由通知への回答を行なう際に、仮に拒絶理由が審査官の明らかな誤認に基づくものであっても、まず主クレームに何らかの補正を行なって主クレームと引用例との違いを、より明確にすることで効率的な権利化が可能になることが少なくありません。

審査官が誤解した原因を検討し、実質的にクレームの範囲を変えずに、誤解の可能性を排除するような明確な表現への変更が可能であれば、一般的に、単に審査官の誤解を指摘するよりも、上記のような変更を行う方がスムーズに権利化できる確率が高くなります。

しかし、クレームの範囲に実質的な変更を加える際には、禁反言(エストッペル)の観点から、将来の権利行使に支障を来たすものでないか慎重に検討することが必要です。特許出願手続きにおいて出願人が意識的に除外した対象については、後からそのような対象について権利主張をすることは禁反言の法理に照らし許されません。特に、先行技術に対する進歩性を明確にする目的で行った補正によって、クレームの範囲外となった対象については、後で権利主張することは出来ません。(参考までに、米国では、このようなルールをRecaptureの原理と称します。)

例えば、上記の二液性接着剤の例において、審査段階で、硬化促進剤(c)を更に含むと補正し、硬化剤(b)との相乗効果で、引用例の接着材と比較して接着剤の効果性能が格段に向上するなどと主張して特許が認められたとします。その後、成分(a)と成分(b)のみを含み、成分(c)を含まない接着剤を製造・販売する第三者がいたとしても、それに対して本発明の均等物として権利侵害を主張するようなことは許されません。(この場合、出願人により意識的に除外された対象は、「成分(c)を含まない」接着剤ということになります。)

上記から明らかなように、進歩性拒絶克服の目的で行った補正によってクレームの範囲外となった対象については、後から権利主張することはできないということを念頭に置いておくことが必要です。

もちろん、補正を渋ることで権利化出来ないのであれば本末転倒ですが、進歩性明確化の為の有用性と将来の権利行使の双方の観点から、どのような補正を行うのか決定することが重要です。

まとめ

上記の要点を以下にまとめます。

- 進歩性欠如に基づく拒絶理由を受けた場合には、明確な阻害要因とまでは言えずとも、効果に関する主張などと組み合わせることにより、進歩性の立 証に役立つ事情ないし事由(上記のような「補助的阻害要因」)が存在することがあるため、引用文献の開示や関連の公知技術などを注意深く検討する。

- 将来の権利行使(禁反言)を念頭においた上で、拒絶の克服に有効な補正が可能か検討する(審査官の誤解が明らかであっても、許容範囲内での補正が可能であれば、補正を行った方が効率良く権利化することが可能になることが多い)。

具体例

参考までに、弊所で実際に提出した意見書において「補助的阻害要因」を述べた例を下記にご紹介します。下記の例では、「引用文献1」と「引用文献 2」が主引用例(primary references)として用いられ、「引用文献3」と「引用文献4」が副引用例(secondary references)として用いられて、引用例の組み合わせによる拒絶を受けたものです。

ご紹介するのは、まず各引用例について詳しく議論した後に、まとめを述べた部分です。意見書では、明細書の実施例と比較例のデータを用いて発明の優 れた効果を示し、それに加えて、引用例について下記の趣旨を議論したものです。この例においては、引用例の組み合わせに関する「補助的阻害要因」は特に主 張せず、本発明と各引用例との技術的関連性についての「補助的阻害要因」だけを主張する形になりました。この結果、一回の回答で特許査定を得ております。 主クレームの補正と、発明の優れた効果を示すデータと、各引用例についての詳しい議論との「合わせ技」により、「進歩性あり」との心証を審査官に与えるこ とができたという感触があります。

「(引用文献1~4に関する説明のまとめ、及び引用文献1~4の組み合わせについて)

審査官殿は、「引用文献1、2には、カチオン化澱粉が本願請求項1に係る発明で規定する粘度及びカチオン化度の範囲を満足することの明記はない が、....」と述べられ、本願請求項1に記載されるカチオン化澱粉の「粘度及びカチオン化度の範囲」が、引用文献3や引用文献4に開示されている旨を述 べておられます。

しかし、上記のように、引用文献1ではジアルデヒド澱粉が必須成分です。ジアルデヒド澱粉は、パルプ繊維と共有結合を形成し得るものであり、本発明 で用いられるカチオン化澱粉とは、化学的特性が大きく異なります。そのような引用文献1の開示を、本発明と同列に論じることはできません。

従って、引用文献1を引用文献3や引用文献4とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

上記のように、引用文献2においては、「カチオン性水溶性高分子化合物」としての「カチオン化澱粉」と、「水溶性高分子ポリヒドロキシ化合物」とし ての「澱粉」のいずれも、他の多くの化合物例と単に横並びに列挙されているものです。よって、引用文献2の開示から、「カチオン性水溶性高分子化合物」と しての「カチオン化澱粉」と「水溶性高分子ポリヒドロキシ化合物」としての「澱粉」とを選び出して特に注目する理由はありません。

従って、引用文献2を引用文献3や引用文献4とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

上記のように、引用文献3においては架橋された澱粉を用いることが必須です。従って、粘度に関して、本発明で用いる澱粉(「粘度レベルが低下された澱粉」)は、引用文献3において用いる「架橋された澱粉」とは、技術的に正反対の方向です。

従って、引用文献3を引用文献1や引用文献2とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

また、上記のように、引用文献4においては、アルキルケテンダイマー(AKD)及び/又はアルケニル無水コハク酸(ASA)が必須成分であり、アル キルケテンダイマー(AKD)やアルケニル無水コハク酸(ASA)は、澱粉とは全く異なる種類のサイズ剤ですので、引用文献4は、本発明とはほとんど無関 係の技術です。そのような引用文献4の開示を、本発明と同列に論じることはできません。

引用文献4の技術の中心は、あくまでも「アルキルケテンダイマー(AKD)及び/又はアルケニル無水コハク酸(ASA)」です。

従って、引用文献4を引用文献1や引用文献2と組み合わせる動機はありませんし、また、引用文献4を引用文献1や引用文献2とどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

このように、引用文献1~4をどのように組み合わせても、本発明の構成に到達することは容易ではありません。

従って、本発明の添加剤組成物が引用文献1~4の組み合わせに対して進歩性を有することは明らかです。」

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特許  米国  出願  クレーム  発明  日本  補正  記載  提出  必要  進歩性  明細書  上記  以下  審査  効果  拒絶  or  先行技術  判断  可能  弊所  請求項  英語  手続  出願人  特許出願  比較  利用  審査官  主張  開示  適用  データ  実施例  対象  方法  an  範囲  説明  可能性  成分  請求  メリット  出来  検討  特許庁  選択  本発明  規定  with  変更  情報  考慮  理由  具体的  存在  特徴  明確  実際  拒絶理由  使用  特許審査  阻害要因  同一  特定  公知  先行技術文献  文献  at  意見書  技術  第三者  追加  容易  引用  当業者  拒絶理由通知  非常  基準  特許査定  事件  注意  重要  10  実験  実施  十分  レベル  引用文献  権利化  改正  証拠  内容  審査基準  一般的  非自明性  有効  結果  デメリット  権利  観点  現在  通知  状況  化合物  製造  詳細  根拠  判例  表現  複数  関連  実質的  否定  向上  www  課題  種類  決定  参照  権利行使  目的  以上  平成  other  参考  侵害  自明性  判断基準  所謂  要素  証明  以外  基本的  自明  手段  pdf  under  達成  指摘  顕著  維持  議論  主題  事項  充分  知財  構成  見解  解決  相違  評価  見込  誤解  医薬  組成物  類似  示唆  困難  段階  趣旨  ルール  19  go  部分  回答  範囲内  具体例  原因  比較例  確率  医薬品  審査段階  欠如  jpo  ex  明記  両方  有利  必須  発見  認識  認定  下記  re  each  販売  置換  一般  教示  禁反言  予想外  公知技術  意見  到達  困難性  htm  カチオン  想到  除外  克服  撤回  列挙  参酌  周知  注目  事情  補助的阻害要因  要因  予測  進歩性欠如  許容  secondary  引用例  同列  エストッペル  相違点  00  見出  澱粉  将来  慎重  共通  硬化剤  念頭  手順  資料  分析  inoue  化学  引用発明  効率的  22  確立  予想  一見  数多  比較実験  reference  格別  技術的課題  発揮  用途  全体  進歩性判断  選択肢  中心  肯定的  事由  特性  意識  方向  they  均等物  行使  references  動機  化澱粉  her  重複  進歩  html  促進  徹底的  把握  接着剤  支持  支障  解説  関連性  想定  阻害事由  構築  極端  ku  権利侵害  非自明  出願手続  範囲外  事実  紹介  本願請求項  仮定  併用  論理  有用  アルケニル  二液性接着剤  主剤  審査基準第  容易性  効率  単一  単独  単純  prima  適宜選択  方策  阻害  相乗効果  直面  100  ratio  補助的  設計  設計的事項  意外  意外性  形成  後者  27  技術水準  技術的  総合的  低下  組成  下線  不充分  AKD  ASA  50wt  コハク  薬品  スムーズ  テクニカル  許容範囲内  論理付  各引用例  技術的特徴  権利主張  査定  機能  樹脂  原理  有用性  特許出願手続  役立  注意深  必須成分  常識  分子  無水  徹底  利用可能  心証  改正後  II  意識的  性能  性水溶性高分子化合物  排除  技術思想的  技術常識  鵜呑  101  水溶性高分子  化合物群  化合物例  化度  粘度及  粘度  克服出来  特筆  先行  理想的  出発  特許審査基準  満足  例示  明細  解決方法  要点  最適  ジアルデヒド  誤認  説得  設計変更  アルキルケテンダイマー  塗料組成物  一例  架橋  一回  格段  号事件  肯定  ポリヒドロキシ  Re  ml  ed  shiryou  10wt 

「後知恵」(hind-sight)による拒絶に対処しやすい明細書作成について

審査基準における「後知恵」

現在の日本の審査基準には「後知恵」の防止に関する規定は存在していません。しかし、1993年に審査基準に導入されて以来、2000年の改訂前までの審査基準には「その他の留意事項」として「後知恵」の防止規定が存在しました。2000年の改訂で削除されたその規定は以下の通りです:

「本願の明細書から得た知識を前提として事後的に分析すると、当業者が容易に想到できたように見える傾向があるので注意を要する。例えば、原因の解明に基づく発明であって、いったん原因が解明されれば解決が容易な発明の進歩性を分析するときは、原因の解明も含めて技術水準に基づいて検討する。解決手段を考えることが当業者にとって容易であるという理由だけでは進歩性を否定することができない。」)

一方、米国の審査基準(MPEP)(MANUAL OF PATENT EXAMINING PROCEDURE)では、「2142: Legal Concept of Prima Facie Obviousness [R-6]」に「However, impermissible hindsight must be avoided and the legal conclusion must be reached on the basis of the facts gleaned from the prior art.」(...許容できない後知恵は防止しなければならず、法律的結論は先行技術から収集した事実に基づいて下さなければならない)と記載され、「後知恵」の防止に関する規定が存在します。

なお、米国の審査基準では、「後知恵」を防止する観点から、prima facie obviousness(一応の自明性)が成立する要件には以下の2項目が含まれています:
(1)TSMテスト(teaching, suggestion, or motivation test)(「2143.01: Suggestion or Motivation To Modify the References [R-6]」などを参照)と
(2)reasonable expectation of success(成功するという合理的な期待)(「2143.02: Reasonable Expectation of Success Is Required [R-6]」などを参照)。

また、EPOの審査基準(Guidelines for Examination in the EPO)では、「C_IV_11.9.2: "ex post facto" analysis; surprising technical advantage」と「C_IV_11.7.3: Could-would approach」に「事後分析("ex post facto" analysis)」(後知恵)の防止に関する規定が存在します。〕

「後知恵」に関する考察

上記のような一種の「戒め」の存在からも分かる通り、国を問わず、特許庁の審査官にとって最大のタブーの一つが、いわゆる「後知恵」(hindsight)に基づく拒絶を出してしまうことです。

「後知恵」は、進歩性(非自明性)の判断において問題になることが多く、「後知恵」による進歩性欠如の拒絶の説明で、しばしば引き合いに出されるのが有名な「コロンブスの卵」です。要するに、以前には誰にも成されていなかった発明に対して、最初に発明したことの価値を無視して、後から結果が容易に見えることのみに基づいて評価してしまうのが、「後知恵」による拒絶です。

しかし、考えてみれば、審査官が審査に先立って先行技術文献をサーチする際には、当然に本発明の内容を頭に入れてそれを基準にしてサーチするわけですのですので、そこには必然的に「後知恵」のバイアスがかかります。そして、そのようにしてサーチしてきた先行技術文献に対する発明の特許性を評価する段に至っては、その「後知恵」に基づく色眼鏡を外して、サーチを行った審査官自身にとってではなく、発明がなされた当時の「当業者」にとって発明が容易であったということを、充分な根拠をもって「理論付け」することが出来るか否かを検討します。

一般人には、この「色眼鏡」を外すことが難しいのですが、特許庁の審査官は必ず「色眼鏡」を外して発明と先行技術の関係を評価することが要求されます。

そして、その「理論付け」の根拠が一応、一見して充分なものであれば、「後知恵」はないことになり、もしもその「理論付け」の根拠が全く無い若しくは明らかに不充分であれば「後知恵」による拒絶ということになります(ただし、欧米・日本・韓国などの先進国では後者の状況は通常はごく稀にしか生じません)。

しかし、実際は、「理論付け」が充分かどうか自体についての純粋に客観的な判断基準はないわけですので、多くの場合の、ある意味では、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得るとも言えます。この点に関連して、米国Albany Law Schoolの教授が、陪審を想定して一般市民400人を対象に、hingsightの影響についての調査を行ったところ、事前に本発明の知識を有していた人が、その発明を自明と判断する確率は、本発明の予備知識がなかった人の場合と比較して約2倍であり、TSMテストやGrahamテストに従って、判断させても結果はそれほど変わらなかったそうです。

また、発明の技術は出願時からの時間経過ともに陳腐化しますので、一般に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増加してゆく傾向があると考えられています。つまり、出願時には「とても意外な知見」に基づくとの印象を与える発明であっても、審査の時点、さらには裁判の時点というように、時間の経過にともない、「意外な知見」との印象はどんどん減少していき、したがって、「後知恵」による判断の生じるリスクが高まると考えられています。

このように、ある意味で、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得ると考えられ、更に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増大してゆく傾向があると考えられます。

そして、一旦、拒絶理由を受けてしまえば、如何にその理由が「後知恵」に基づくように見えたとしても、単に「後知恵」のみを主張して拒絶が撤回されることは殆ど無いと言って良く、結局は、出願人が発明の新規性・進歩性(非自明性)を明確にすることが必要になります。

要するに、如何に「後知恵」に基づくと思われる拒絶であっても、拒絶を受けてから「後知恵だ」と主張しても「後の祭り」であり、予め「後知恵」に基づく拒絶を受けないよう、明細書作成の段階で準備をしておくことが肝心であると考えます。

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書

一般的な考え方

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書とは、一言で言ってしまえば、先行技術に対する新規性・進歩性(非自明性)が明確に示されている明細書ということになります。

要するに、格別な手段が有るわけではないのですが、特に一見して先行技術との構成上の違いが小さい発明は、「後知恵」による進歩性欠如(自明性)の拒絶を受け易いので、発明の構成の困難性(先行技術同士若しくは先行技術と周知技術を組み合わせることに関する困難性)や予想外の効果などについて強調しておくとよいでしょう。

実際には、この点の対応が充分でない明細書を目にすることが良くあります。特に発明者の方は、発明が属する特定の技術分野の専門家ですから、自分では構成上の小さな改変にも困難性を伴うことを良く認識しており、それを当然のことと考えてしまい、専門外の第三者にとっては容易に見えるかもしれないという認識が無い場合が少なくありません。この様なことが原因となって、進歩性(非自明性)が明確に読み取れない明細書となってしまうのだと思います。

したがって、これは、弁理士や特許技術者の仕事の範疇とも言えますが、明細書を書く際に、発明が属する特定分野の専門知識が無い第三者にとって、発明がどのように解釈されるかを客観的にイメージすることが非常に重要です。客観的な視点からの配慮を欠いた明細書での出願は、後知恵に基づく拒絶を受けやすいと言えます。

具体的には、出願明細書において、本発明に最も近い先行技術から本発明に到達することについての困難性や予想外の効果が得られることが直感的に理解できるようなポイントを、発明の課題と解決手段の項目などで、要領よく説明しておけば、「後知恵」による拒絶を未然に防止できることがあります。また、ポイントさえ巧みに述べてあれば、拒絶を受けても、それをベースにして、意見書で大幅に詳しい説明にすることが容易になります。

特に効果の話となると、米国を除く多くの国において、出願時の明細書に教示も示唆もされていないような効果について、出願後の審査の段階で主張しても考慮されませんので、出願時に何らかの記載を含めることが重要です。

具体例と注意事項

たとえば、公知技術として、ある種のポリマーAの重合反応の特徴に着目して設計されたポリマーA製造用の重合反応装置があり、本発明は、その公知の重合反応装置を他のポリマーBの製造に適用した製造方法に関する発明である、という場合を例に取ります。

一般的には、化学分野など結果の予測が難しい分野においては、反応の原料が異なれば、適する反応方式や条件も異なるという一般的常識がありますが、審査官が、上記の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することの容易性について何ら具体的な根拠を示さずに、「本発明で成功している」という結果を念頭において、公知の重合反応装置を他のポリマーに適用することなど当たり前などという理由で拒絶をしたならば、この拒絶は「後知恵」に基づくものと言えるかも知れません。

しかし、具体的な証拠の提示は無くとも、恐らく審査官は「異なる重合反応であっても、殆どの場合に、同じ反応装置が利用できることは周知」などを指摘してくるでしょう。それに対して、単に審査官の主張は、「後知恵」に基づく不当なものだと主張しても、通常、それだけでは審査官の判断が覆ることはなく、結局は、組み合わせの困難性や予想外の効果を明らかにすることが必要になると思います。

従って、「後知恵」の拒絶を防止し、またそのような拒絶を受けても効率的に拒絶を撤回させるためには、やはり出願明細書において、発明の構成の困難性や効果の意外性などを分かり易く説明しておくということが最も有効です。

上記の例では、一見して、先行技術におけるポリマーAを、単にポリマーBに置換しただけという第一印象を受けると思います。そこで、進歩性を明らかにする為に特に有効な手段としては、例えば、以下のような点を明細書で強調しておくことが考えられます:

(1) 当業者が、ポリマーA製造用の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することを阻害する要因(いわゆる「阻害要因」または「阻害事由」)(英語では"teach away")の存在があったことを明らかにする。

(2) 上記(1)を明らかにした上で、先行技術と同じ又は類似の効果(例えば、選択率や転化率の向上など)を証明する。

(3)先行技術には教示も示唆もされていなかったような効果を証明する。(例えば、先行技術において達成された効果が選択率と転化率の向上のみである時に、本発明ではポリマーBの重合で問題視されていた有毒な副生物の生成抑制が達成されることを証明するなど。)

上記(1)の阻害要因については、例えば、上記のポリマーAの重合に関する先行技術文献において、ポリマーAの重合反応の平衡定数の低さに着目して、上記の特定の重合装置を設計し、一定範囲以上の平衡定数を示す重合反応に、この重合装置を利用すると不都合が起きるという趣旨のことが記載されていたとしましょう。そこで、ポリマーBの重合反応の平衡定数が、上記先行技術に記載されている範囲より高ければ、阻害要因があったと言うことが出来ると思います。

上記(2)については、ポリマーAに関する上記先行技術において、上記の重合装置の使用により、選択率や転化率が向上し、本発明における効果も同様であり、且つ阻害要因も無かったということであれば、本発明の効果が意外なものとは認められない可能性が有ります。勿論、例外も有るでしょうが、阻害要因もなく且つ先行技術と同じ方向性の目的の発明ということであれば、一般的には、進歩性を認めさせるのが難しい場合が多いと思います。

一方、上記(3)のように、先行技術には教示も示唆されていなかったような効果であれば、意外な効果と認められる可能性が高いと思います。ただ、やはり、上記の例のように、一見して先行技術との構成上の差が小さい時には、阻害要因の存在を明らかにできることが理想的です。

実際に「後知恵」に基づくと思われる拒絶を受けた場合の対応

拒絶理由通への回答において「後知恵」を明示的に主張することは、審査官の判断能力を否定することに等しいため、心証の観点から、よほどの証拠(たとえば、審査官の拒絶理由の論理における明示的・致命的な欠陥の存在や、明らかな「阻害要因」の存在など)でもないかぎり、あまり露骨に「後知恵」を主張しないほうがよいのではないかと考えます。

多くの場合に望ましいアプローチとしては、「後知恵」には直接言及せずに、阻害要因などの議論をする中で、審査官自身が「後知恵」的な要素の存在を自然に自覚して改めてくれるように話しをもっていくというやり方が望ましいと考えます。

但し、担当の審査官が変った場合や、審判・訴訟手続きにおいて、審査官の判断や相手の主張に対して行うのであれば、この限りではありません。むしろ、「後知恵」を強力に主張することが得策の場合もあると考えます。また、近年の知財高裁判決の進歩性判断において「後知恵」が積極的に言及されることが増えていますので、裁判での「後知恵」の議論の有効性は増す傾向にあると考えられます
(たとえば、平成18年(行ケ)第10422号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070330151919.pdf)
平成20年(行ケ)第10130号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081225160745.pdf)
平成20年(行ケ)第10096号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090129104737.pdf)を参照。)

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《特許出願明細書》

分野 : バイオテクノロジー(細胞生物学) (和英)

原文:

更に、MAPKキナーゼの活性化には、キナーゼドメインVIIとVIIIの境界領域にある2つのセリン及び/又はスレオニン残基(即ち、2つのセリン残基、2つのスレオニン残基又はセリンとスレオニン残基)のリン酸化が必要で、このリン酸化を担うセリン/スレオニンキナーゼをMAPKKキナーゼ(MAPKKK)と総称する。前記のRaf-1はMAPKKキナーゼの一種であり、Ras→Raf-1(即ち、MAPKKK)→MAPKK→MAPKという連鎖は、シグナル伝達の主要経路の一つである。MAPKKK→MAPKK→MAPKという3分子からなるキナーゼの連鎖をMAPキナーゼシグナルカスケードと呼ぶ。

英訳文:

For activating a MAPK kinase, it is necessary to phosphorylate two serine and/or threonine residues (i.e., two serine residues, two threonine residues, or one serine residue and one threonine residue) located in the boundary region between the kinase subdomains VII and VIII, and a serine/threonine kinase responsible for this phosphorylation is designated MAPKK kinase (MAPKKK). The above-mentioned Raf-1 is one example of MAPKK kinase, and the following cascade reaction: Ras → Raf-1 (i.e., MAPKKK) → MAPKK → MAPK, is one of the major signal transduction pathways. The cascade reaction consisting of three kinase molecules, MAPKKK → MAPKK → MAPK, is called a MAP kinase signal cascade.

分野:バイオテクノロジー(遺伝子工学) (和英)

原文:

SIIS-1発現プラスミドの構築上記(ii)で単離したSIIS-1cDNAを制限酵素XbalとPvuIIで消化し、得られた制限酵素断片をブラントエンド化し、哺乳動物発現ベクターpEF-BOSのブラントエンド化したXbalサイトに挿入した。以下、構築したSIIS-1発現ベクターをpEF-BOS/SIIS-1(SH+)とする。SH2領域を欠損した変異型SIIS-1を構築するために、pEF-BOS/SIIS-1(SH+)を制限酵素BssHIIで消化し、生じた360bpの断片を除去した。得られたSH2領 域及びC末端の領域を欠損したSIIS-1発現ベクター(即ち、SIIS-1変異ベクター)を、pEF-BOS/SIIS-1(SH-)とした。 上記で構築したpEF-BOS/SIIS-1(SH+)又はpEF-BOS/SIIS-1(SH-)のいずれか一方の発現ベクターとネオマイシン耐性遺伝子をコードするpSV2 Neoとを20:1の比率で混ぜ、M1細胞にエレクトロポレーション法で形質導入した。ネオマイシン耐性を指標とし、形質導入体(クローン)をGeneticin(米国、GIBCOBRL社製)750μg/mlを含む成長培地中で選択した。

英訳文:

Construction of SIIS-1 expression vectors: SIIS-1 cDNA isolated in step (ii) above was digested with restriction enzymes XbaI and PvuII, and the end of the obtained restriction fragment (XbaI-PvuII) was converted into a blunt end. Then, the resultant blunt-ended fragment was inserted into the blunt-ended XbaI site of the mammalian expression vector pEF-BOS. Hereinafter, the constructed SIIS-1 expression vector is simply referred to as "pEF-BOS/SIIS-1 (SH+)". For the construction of a mutant SIIS-1 which is an SH2 domain-deficient SIIS-1, a BssHII-digested fragment of 360 bp was removed from pEF-BOS/SIIS-1 (SH+). The thus obtained SIIS-1 expression vector (that is, a mutant SIIS-1 vector) which is deficient in the SH2 domain and is truncated at the C-terminus is hereinafter simply referred to as "pEF-BOS/SIIS-1 (SH-)". Each of the expression vectors pEF-BOS/SIIS-1 (SH+) and pEF-BOS/SIIS-1 (SH-) prepared above was individually mixed with expression vector pSV2 Neo (encoding a neomycin-resistance gene) at a ratio of 20:1. Subsequently, each of the resultant vector mixtures was separately transfected into M1 cells by electroporation. Using neomycin resistance as an index, the transfectants (i.e., clones) were selected in the growth medium containing Geneticin (manufactured and sold by GIBCO BRL, USA) at 750 μg/ml.

分野 : 樹脂成形 (和英)

原文:

本発明の発泡射出成形方法によれば、金型キャビティ内壁面形状の転写性が良好で、無発泡の表皮層と高発泡の発泡層を有する成形品を再現性良く、効率的、経済的に製造することができるだけでなく、成形品の表皮層の厚さおよび成形品の発泡倍率を容易に制御することができる。

英訳文:

The foam-injection molding method of the present invention is advantageous not only in that a molded article which exhibits excellent reproduction of the morphology of the inner wall of the mold cavity and which has both a non-foamed surface skin layer and a highly foamed interior portion can be produced with excellent reproducibility and high efficiency and economically, but also in that the thickness of the surface skin layer and the expansion ratio of the molded article can be easily controlled. The foam-injection molding method of the present invention can provide various excellent foam-injection molded articles of a thermoplastic resin at a low cost.

分野 : 電気工学 (和英)

原文:

本発明は、複合色素及びn型半導体を包含する光電変換素子であって、該複合色素は、互いに 異なる励起準位を有する複数の成分色素が互いに化学結合されてなり、それにより、電子移動用の直鎖又は枝分かれ構造体を形成し、該直鎖又は枝分かれ構造体は一端において該n型半導体に保持され、他端は自由端であり、その励起準位が該直鎖又は枝分かれ構造体の上記のn型半導体に保持された端部から、上記の自由端に向かって減少する順序で配列されていることを特徴とする光電変換素子に関する。

英訳文:

The present invention is concerned with a photoelectric conversion element comprising a composite dye and an n-type semiconductor, the composite dye comprising a plurality of component dyes which have different excitation levels and which are chemically bonded to each other to form a straight chain or branched structure for transferring an electron therethrough, wherein the straight chain or branched structure is, at one end thereof, secured to the n-type semiconductor and has, at least at one other end thereof, a free end, and wherein the plurality of component dyes are arranged in an order such that the excitation levels of the plurality of component dyes are decreased as viewed from the one end of the structure toward the at least one other end of the structure.

分野 : 電気工学 (和英)

原文:

本発明の光電変換素子は、光電変換性能に優れ、特に、太陽エネルギーからのエネルギー取り 出し効率(エネルギー変換効率)が高く、また、それを用いて簡便に色素増感型太陽電池を製造 することができるので、色素増感型太陽電池などに有利に用いられる。

英訳文:

The photoelectric conversion element of the present invention exhibits excellent photoelectric conversion properties, especially high efficiency in converting solar energy to electric energy (i.e., high energy conversion efficiency), and a dye sensitized solar battery can be easily produced therefrom. Therefore, the photoelectric conversion element of the present invention can be advantageously used for a dye sensitized solar battery and the like.

分野 : 樹脂成形 (和英)

原文:

文明社会はエネルギーの消費によって成立するが、そのエネルギーの大部分は、自然が長年か けて太陽光エネルギーを蓄えた化石燃料に由来する。近年、その化石燃料の減少やその燃焼に よる地球温暖化問題が、人類社会の持続的発展の足かせとなる危惧が高まっている。 これらの問題を解決するために、太陽エネルギーから直接エネルギーを取り出す研究開発が盛 んに行われている。これらの中で、太陽電池は太陽エネルギーからのエネルギー取り出し効率 (エネルギー変換効率)が高いため多くの研究が為されている。とりわけ、色素に代表される光 増感剤を用い、その励起電子を効率よく取り出すことが可能な色素増感型太陽電池は、Michae l Gratzel等によって、エネルギー変換効率が7%を超えるシステムが発表(Nature 1991,353,737参照)されて以来、複雑な製造工程を経ず、安価に製造できる次世代の太陽 電池として注目を集めている。

英訳文:

Consumption of energy is indispensable to civilized society. Most of the energy which is consumed by civilized society is derived from fossil fuels, in which sunray energy has been accumulated over many years. In recent years, the problem that the amount of fossil fuels available is being reduced and the problem that the burning of fossil fuels causes global warming have arisen, and there is an increasing fear that these problems will be obstacles to the sustainable development of human society. For solving the above-mentioned problems, various studies have been made to directly utilize sunray energy. Among these studies, the studies on solar batteries have been vigorously made, because solar batteries exhibit high efficiency in converting solar energy to electric energy (i.e., high energy conversion efficiency). Among the solar batteries, special attention has been paid to a dye sensitized solar battery, which uses a photosensitizer, such as a dye, and which is capable of efficiently taking out electrons from the photosensitizer by the irradiation of the photosensitizer with sunray. Specifically, since Michael Gratzel et al. reported a system which uses a dye sensitized solar battery having an energy conversion efficiency of more than 7 % (see Nature 1991, 353, 737), a dye sensitized solar battery has drawn special attention as the next generation solar battery which can be produced at a low cost without use of a complicated method.

分野 : 鉄鋼技術、機械 (英和)

原文:

A production line for manufacturing hot steel strips from two casting lines (a, b) for thin slabs of thickness < 100 mm, only one of which (a) is aligned with a rolling line (e, g) characterized by comprising superimposed heating furnaces with mandrel (Al, A.2; Bl, B2), one pair on line (a) and one on line (b) respectively, both provided with internal mandrel to allow winding/unwinding steps of pre-strips having thickness lower than 30 mm, further comprising a bypass length (d) between said two furnaces (Al, A2) for the endless rolling in a finishing rolling mill (g) through a roller path (e), and a transverse path (k.) for transferring said pair of furnaces (Bl, B2) from line (b) to line (a) fox the production of single strips, there being provided an induction furnace (f) downstream of said heating furnaces with mandrel and immediately upstream of said finishing rolling mill (g).

和訳文:

熱間鋼帯を製造するための製造ラインであって、厚み100mm未満の薄いスラブ製造用の2つの鋳造ライン(a)及び(b)、該鋳造ライン(a)と直列に配置されてなる、ローラーコンベア(e)及び仕上用圧延機(g)を含む圧延ライン、上下に重なり合った加熱炉(A1)及び(A2)であって、該鋳造ライン(a)で製造されたスラブから得られる厚み30mm未満の仕上前鋳片の巻き取り及び巻き出し用マンドレルを内部に有しており、該鋳造ライン(a)に設けられた加熱炉(A1)及び(A2)、上下に重なり合った加熱炉(B1)及び(B2)であって、該鋳造ライン(b)で製造されたスラブから得られる厚み30mm未満の仕上前鋳片の巻き取り及び巻き出し用マンドレルを内部に有しており、鋳造ライン(b)に設けられた加熱炉(B1)及び(B2)、該鋳造ライン(a)で製造されたスラブを、ローラーコンベア(e)を介して仕上用圧延機(g)で連続的圧延に付すためのバイパス経路(d)であって、加熱炉(A1)と(A2)との間に設けられたバイパス経路(d)、加熱炉(B1)及び(B2)を、鋳造ライン(b)から鋳造ライン(a)に移動するための横断経路(k)、及びマンドレルを有する該加熱炉の下流であって、該仕上用圧延機(g)の直上流に設けられた誘導炉(f)、を含むことを特徴とする製造ライン。

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米国  発明  必要  上記  以下  or  be  可能  方法  an  成分  制限  not  選択  本発明  with  design  問題  特徴  action  at  技術  容易  one  art  invention  原文  present  after  any  has  導入  近年  above  製造  epo  複数  report  only  been  英訳文  英訳  参照  such  II  分野  工程  use  other  into  will  system  we  more  method  than  between  made  mentioned  III  all  but  解決  problem  having  non  necessary  also  inter  through  resin  was  there  A2  go  部分  A1  consisting  発表  エネルギー  step  type  both  so  excellent  ex  high  following  有利  サイト  和英  said  steps  re  ライン  成立  years  each  end  without  直接  single  comprising  heat  obtained  SIIS  form  prepared  energy  システム  Therefore  further  SIIS  out  動物  機械  two  solar  注目  properties  example  reaction  because  many  ii  provide  kinase  amount  used  least  do  ベクター  provided  year  referred  were  component  conduct  pEF  BOS  simply  index  plurality  conversion  respect  MAPKK  where  ep  化学  複雑  バイオテクノロジー  expression  効率的  articles  DNA  主要  obtain  和訳  structure  dye  efficiency  SH  restriction  main  MAPK  wherein  like  減少  制御  available  battery  細胞  designated  article  directly  construction  being  cost  一端  different  BOS  他端  production  containing  these  一種  開発  VIII  加熱炉  various  MAPKKK  her  pEF  per  element  electric  see  vector  three  am  its  sensitized  バイ  バイオ  B2  セリン  product  太陽  キナーゼ  term  単離  構築  his  herein  rolling  result  長年  該鋳造  order  変換  訳文  経済的  paid  SH  発現  converted  thus  threonine  以来  再現  スラブ  スレオニン  安価  効率  resistance  portion  遺伝子工学  電気工学  individual  順序  reported  ratio  鋳造  Raf  attention  製造用  枝分  VII  mandrel  未満  allow  act  photoelectric  構造体  located  There  less  構造  lines  easily  由来  B1  形成  foam  furnaces  exhibits  domain  due  highly  hereinafter  serine  batteries  耐性  代表  blunt  自然  内部  色素増感型太陽電池  dyes  development  保持  マンドレル  発泡倍率  composite  complicated  簡便  ended  concerned  cells  capable  光電変換素子  cascade  exam  converting  chemical  電池  配置  コード  advantage  able  XbaI  Specifically  Nature  view  late  manufacture  和訳文  residues  半導体  残基  since  injection  separate  樹脂  成形品  up  own  pair  型半導体  over  problems  produced  photosensitizer  path  変換効率  molded  molding  mutant  my  vectors  immediately  前記  fragment  fuels  制限酵素  surface  fossil  分子  therefrom  thickness  studies  sunray  strips  special  society  taking  酸化  連鎖  mm  Xbal  II  性能  指標  電子  除去  領域  エレクトロポレーション  研究  仕上前鋳片  仕上用圧延機  移動  比率  包含  伝達  化学結合  化石燃料  樹脂成形  欠損  消化  励起準位  発展  シグナル  該直鎖又  変異  表皮層  ローラーコンベア  リン  上下  経路  バイパス  ネオマイシン  ブラントエンド  英和  自由端  next  oa  neomycin  Ras  PvuII  SH2  mold  major  man  advantageous  low  mill  mm  ml  USA  range  MAP  Hereinafter  recent  red  free  fr  fox  foamed  deficient  heating  convert  finishing  excitation  exhibit  efficiently  ed  digested  fact  human  ip  invent  branched  internal  levels  layer  arranged  coding  increasing  civilized  causes  called  chain  uses  Each  respectively  resultant  responsible  Among  skin  BssHII  site  Bl  sold  straight  separately  semiconductor  signal  way  steel  transferring  transfer  toward  Gratzel  residue  Geneticin  thereof 


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