不正行為

米国(4): 情報開示義務(IDS)

米国出願に関して、以前からかなり神経質な管理を要する制度でしたが、米国連邦控訴巡回裁判所(CAFC)大法廷の判決(Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))において、Inequitable Conduct (不衡平行為もしくは不公正行為)の判断基準が引き上げられて、その立証が困難になり、さらに2011年の法改正(AIA, America Invents Act)により、Inequitable Conduct (不衡平行為)回避の目的で利用できるSupplemental Examination(補足審査又は補充審査)制度(2012年9月16日から施行)が導入されることになっており、関連情報をIDSとして提出しなかったことが不衡平行為と認められて特許が権利行使不能(unenforceable)となる事例は激減すると見込まれています。

しかし、上記のTherasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co.のケースでは、結局、差し戻された地裁において、CAFC大法廷により引き上げられた基準に基づいてもInequitable Conduct (不衡平行為)があったと判決されました。また2012年9月16日から施行される上記のSupplemental Examination(補足審査又は補充審査)制度を利用するためには、本稿の最後で説明致しますが、非常に高額な手数料を米国特許庁に支払う必要があります。そのような事情を考慮すると、基本的にはこれまでの管理体制を変えないことが望ましいと考えられます。以下、具体的に説明いたします。

概要と近年の動向

情報開示義務は、37 CFR 1.56に定められており、これによると、出願人とその関係者は、特許性に関する重要な(material)情報(対応外国出願のサーチレポートにおける先行技術を含む)を公正かつ誠実に提供する義務を有します。この開示義務に違反して特許を取得したと認められた場合は、Inequitable Conduct (不衡平行為若しくは不公正行為)があったとみなされ特許権の行使が出来なくなってしまいます。

米国の特許訴訟において、これまでは情報開示義務違反によるInequitable Conduct (不衡平行為)の訴えは極めてポピュラーな攻撃手段でありました。米国での特許訴訟の実に約8割において、不衡平行為の主張がなされています。

特許の有効・無効の争いであれば、クレームベースですので、あるクレームが無効と判断されても他のクレームが有効であれば権利は残りますが、情報開示義務違反によるInequitable Conduct(不衡平行為)を認められれば、一切の権利行使が不可能になってしまいます。しかも、場合によっては、関連の特許にまで影響を及ぼすこともあります。

従って、これまでは出願人は、かなり神経質に関連の有りそうな文献は全て提出するということを行っていましたが、この不衡平行為による訴訟費用の高騰や手続遅延などが問題視され、上記Therasense事件におけるCAFC大法廷の判決、2011年9月の法改正による補足(補充)審査(Supplemental Examination)制度の導入(2012年9月16日から施行)と、特許訴訟におけるInequitable Conduct(不衡平行為)の主張を抑制する方向の動きが顕著になってきています。

情報開示義務の規定(37 CFR 1.56)

米国においては、特許性に関する重要(material)な情報について、出願に関係する者(発明者、弁護士・弁理士、その他出願手続に関与した者)は公正かつ誠実に提供する義務があります。

提出すべき情報には、対応外国出願のサーチレポートにおける先行技術などが含まれ、そのような情報を、情報開示申告書(Information Disclosure Statement; IDS)として提出します。この開示義務を怠った場合には特許は認められません。

IDSは、登録料(issue fee)支払までであれば提出することができます(37 CFR 1.97(d))。

出願から3ヶ月以内または最初の審査通知(拒絶理由通知又はNotice of Allowance)発行のうち何れか遅い方までであれば、提出料は不要です(37 CFR 1.97(b))。

上記以後は、提出料[$180(37 CFR 1.17(p))]が必要になります。更にこの場合、IDSとして提出する情報は、出願人がそれを知ってから若しくは外国の特許庁に引用されてから3ヶ月以内に提出する必要が有り、その旨を説明する陳述書を提出することが必要です(37 CFR 1.97(e))。3ヶ月を経過しているような場合には、その情報をIDSとして考慮させる為には、継続出願または継続審査要求(RCE)をすることが必要になります。

また、登録料支払い後にIDSを提出する際も、それを考慮させる為には、継続出願または継続審査要求(RCE)をすることが必要になります。(但し、2013年3月23日までの暫定的な試行プログラムとして、登録料支払い後にIDSをUSPTOに考慮させることを可能にするQuick Path Information Disclosure Statement (QPIDS)が実施されています。)

不衡平行為(inequitable conduct)

特許成立後に、情報開示義務違反が認められると、権利行使不能(unenforceable)となってしまいます。

以前は、情報開示義務違反の判断基準には、"sliding scale"と称されるアプローチが採用されていました。これは、情報開示義務違反を有無を、以下の2つの要件のバランスで判断するものです:

(1)開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性、及び

(2)情報隠蔽の意図の存在の明確性

即ち、sliding scaleアプローチにおいては、(1)の重要性が高ければ、(2)の明確性が低くても不衡平行為(inequitable conduct)認められ、逆に(1)の重要性が低くても、(2)の明確性が高ければ、不衡平行為(inequitable conduct)認められるということになっていました。

しかし、米国連邦控訴巡回裁判所(CAFC)大法廷の判決(Therasense, Inc. v. Becton, Dickinson & Co. (Fed. Cir. 2011) (en banc))において、(1)の重要性と(2)の明確性が共に十分に高いことが立証された場合にのみ不衡平行為があったものと認定すべきと判示されました。

上記(1)の「開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性」については、"But For" Materialityと称される基準に基づいて判定されこととなりました。この基準に従うと、出願人が開示しなかったことが不衡平行為(inequitable conduct)と認められるような先行技術は、もしその先行技術を審査の段階で審査官が知っていたならば、特許許可されなかったであろうと言えるようなものということになります。(但し、出願人側に積極的な悪質不正行為(affirmative egregious misconduct)があったと認められる場合には、"But For" Materiality基準による重要性の立証は不要。)

上記(2)の「情報隠蔽の意図の存在」については「明白且つ説得力のある証拠」(Clear and Convincing Evidence)が要求されます。

以上のようなことから、現在では、不衡平行為(inequitable conduct)の訴えが認められる可能性は相当低くなったと思われます。しかし、上記のTherasense事件のCAFC大法廷からの差し戻し審においては、出願人が、関連のある先行技術の開示内容について、USPTOに対して提出した宣誓書の内容と矛盾した内容の意見書をEPOに提出しながら、このEPOに提出した意見書を、IDSとしてUSPTOに提出しなかったという事実に基づいて、「開示しなかった情報が特許性に及ぼす重要性」及び「情報隠蔽の意図の存在の明確性」の基準を共に満たすとして、不衡平行為の存在が認められてしまいましたので、やはり油断は禁物です。

2012年9月16日から施行されている上記の補充審査(Supplemental Examination)制度は、不衡平行為回避のために導入されるものですが、上記Therasense事件のように、訴訟になってから相手側(被疑侵害人)に初めて指摘された事実に対する補充審査は認められません。補充審査については以下に具体的に説明します。

補充審査(Supplemental Examination)

補充審査制度においては、IDSとして提出し忘れた情報が有っても、その情報を提出しなかったことが情報開示義務違反に当たるかを特許庁に判定してもらい、もし違反に当たるようならば、当該情報に関する再審査を請求できるようになりました。

現行の査定系再審査(ex parte reexamination)も、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)回避の目的で利用できます。この査定系再審査は、2011年の法改正後も特に変更なく維持されます。しかし、補充審査(Supplemental Examination)の導入により、Inequitable Conduct回避の機会は広がりました。

査定系再審査(ex parte reexamination)と補充審査(Supplemental Examination)の違いは以下のようになります。

(1)審査段階でIDSとして提出されなかった情報の種類

査定系再審査: 特許文献又はその他の印刷刊行物に限定されていた。

補充審査: 特に制限がなく、例えば、非公開の情報や販売の申し出を示す情報なども含む、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)の根拠となり得る全ての情報が審査の対象になる。

(2)当該情報の関連性

査定系再審査: "substantial new question of patentability"(特許性に関する実質的に新たな問題)が提起されることが要求されている。

補充審査: 特に制限なし。補充審査で提示された情報に関して、特許性に関する実質的な新たな問題があると判断された場合には、査定系再審査(ex parte reexamination)への移行を命じられる。

IDSとして提出されなかった情報について補充審査を受け、「特許性に関する実質的に新たな問題」が無いと判断されたか、その後の査定系再審査の結果、特許性が認められれば、後に特許訴訟に発展しても、当該情報をIDSとして提出しなかったことが情報開示義務違反(Inequitable Conduct)と認められることはありません。

尚、補充審査(Supplemental Examination)制度は、2012年9月16日から施行され、出願日・登録日を問わずすべての特許に適用される予定です。但し、権利行使を検討していて、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)の恐れがある場合には、警告状の送付や訴訟を提起する前に、補充審査を受けておくことが重要です。補充審査、若しくはその後の査定系再審査の結果に基づく免除権を享受するためには、侵害訴訟を起こす前に、この補充審査が完了していなければなりません。また、Declaratory Judgement Action(確認訴訟:通常、特許権者から侵害者として警告状を受けた者が、非侵害である若しくは特許無効であるとの司法判断を引き出すために提起する)が係属中に、補充審査を請求しても、上記の免除権を享受することはできません。

補充審査の手数料

以上のように、情報開示義務違反(Inequitable Conduct)回避のための新たな手続きとして注目をあつめている補充(補足)審査(Supplemental Examination)制度ですが、2013年1月18日に発表された最終的な施行規則によると、以前よりはかなり値下げされましたが、それでも非常に高額な費用設定となっています。具体的には、補充審査(Supplemental Examination)請求時に米国特許庁に対して支払う必要がある費用は、$16,500 [*内訳: 補充審査(Supplemental Examination)請求 $4,440 + 査定系再審査(ex parte reexamination)請求 $12,100]であり、査定系再審査が不要となった際("substantial new question of patentability"が無いと判断された場合)には、査定系再審査(ex parte reexamination)費用$12,100が払い戻されるということになっています。

従って、気軽に利用できる手続きとは言えませんが、訴訟における不衡平行為(inequitable conduct)の抗弁には多大な手間と費用を要すること、更には権利行使不能となる可能性を考慮すると、有用な手続きであるということには違いありません。

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欧州(8): 新規性喪失の例外規定

欧州特許にも、新規性喪失の例外の規定自体はあります(Article 55(1)(b) EPC)。しかし、適用の条件が非常に厳しく、発明が公知になってしまっても特許出願できるのは以下のような場合に限られます。

①出願人またはその法律上の前権利者(legal predecessor, 即ち出願人に権利を譲渡した人)に対する明らかな不正行為によって公知になった場合。(例えば、貴社が、顧客に対して貴社と守秘義務を負わせた上で、貴社の発明を開示したにも関わらず、貴社の発明を公開してしまったような場合。)

②公のまたは公に認められた国際博覧会における出願人またはその法律上の前権利者によって発明が開示された場合。(http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/epo/pc/chap3.htm)

上記②についてですが、ここでの「公に認められた国際博覧会」とは所謂「万博」であり、何年かに一度しか開催されないようなものです(例えば、2010年は上海万博のみ)(EPO Official Journal April 2010のp.280: http://archive.epo.org/epo/pubs/oj010/04_10/04_2620.pdf)。

従いまして、欧州において新規性喪失の例外の適用を受けられるのは極めて限られた場合のみになりますので、欧州での出願が重要であれば、事前の発表は控えるのが賢明です。

参考までに、日本、米国、欧州、中国、韓国におけるグレースピリオド制度の比較をこちらの表に示してあります。

欧州(1)

Q. EP出願で指定した国に、別途直接ナショナル出願をすることは許されるのか?

A. 許されます。例えば、EP出願でドイツを指定して、さらに別途ドイツ特許庁に直接出願をすることが出来ます。最終的にはどちらかを選択する必要がありますが、重要な案件の場合に、保険の意味でEP出願とナショナル出願を両方提出しておくということが可能です。

Q. 審査通知などに対する回答期限には猶予期間(グレースピリオド(Grace Period))があると聞いたが本当か?

A. 10日間の猶予期間が有ります(Rule 126(2) EPC)。基本的に、EPOからの通知により応答期限が生じる場合全てに当てはまります。ここではEPOの通知の配送に10日間かかったものとみなし、EPO通知の日付から10日後を応答期限の起算日と見なします。

即ち、応答期間の満了日+10日ではないことに注意が必要です。

例えば、応答期間が4ヶ月のEPO通知で、5月30日が発行日である場合、4ヶ月の期限の満了日は9月30日ですが、10日間の猶予期間を加味した満了日は、この9月30日 +10日の10月10日ではなく、6月9日(EPO通知発行日 +10日) + 4ヶ月の10月9日です。

尚、口頭審理(Oral Proceedings)の召喚状に記載されているRule 116 EPCの期限(口頭審理前の書類提出期限)に関しては猶予期間は有りませんのでこの点にも注意が必要です。

Q. 欧州特許にも、新規性喪失の例外の規定(グレースピリオド(Grace Period))はあるのか?

A. 欧州特許にも、新規性喪失の例外の規定自体はあるのですが、適用の条件が非常に厳しく、発明が公知になってしまっても特許出願できるのは以下のような場合に限られます。

①出願人またはその法律上の前権利者(legal predecessor, 即ち出願人に権利を譲渡した人)に対する明らかな不正行為によって公知になった場合。(例えば、貴社が、顧客に対して貴社と守秘義務を負わせた上で、貴社の発明を開示したにも関わらず、貴社の発明を公開してしまったような場合。)

②公のまたは公に認められた国際博覧会における出願人またはその法律上の前権利者によって発明が開示された場合。
(http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/epo/pc/chap3.htm)

上記②についてですが、ここでの「公に認められた国際博覧会」とは所謂「万博」であり、何年かに一度しか開催されないようなものです(例えば、2010年は上海万博のみ)(EPO Official Journal April 2010のp.280:
http://archive.epo.org/epo/pubs/oj010/04_10/04_2620.pdf)。

従いまして、欧州において新規性喪失の例外の適用を受けられるのは極めて限られた場合のみになりますので、欧州での出願が重要であれば、事前の発表は控えるのが賢明です。

Q. EPOに対する異議申立てを、異議申立人が自発的に取下げた場合、その時点で異議終結となるのか?

A. 異議申立を取り下げてもEPOが自らの判断で審理を継続する場合もあります。つまり、EPOは職権により主体的に審査を行なうということで、このことはArticle 114 EPC(http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/epc/2010/e/ar114.html)により規定され、Rule 84(2) EPC(http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/html/epc/2010/e/r84.html)において確認されています。因みに、日本における特許無効審判の場合、無効確定前であれば、無効審判は終結します。

EPOにおける異議申立の場合、ケース毎に以下のような扱いになります。

(a) 唯一の異議申立人が異議を取下げた場合:

異議終結とするかは異議部の判断による。
原則的には、既に提出された証拠が特許性に影響を与えることが明らかな場合にのみ手続きを継続する。
異議終結させる場合にはEPOは通知を出す。

(b) 異議却下(特許維持)の異議決定を受けて、唯一の異議申立人が審判請求並びに理由補充書を提出し、これに対する特許権者の回答書を受けた後に異議を取下げた場合:

控訴が取下げられたものとして、異議決定が確定して異議終了。

(c) 特許取り消しの異議決定を受けて、特許権者が審判請求並びに審判理由補充書を提出した後に、異議申立人が異議取下げた場合:

請求人は特許権者であるから異議取り下げは、審判手続きに影響を与えない。審判部は、審理を継続し、異議決定の妥当性を検証する義務がある。

尚、上記(a)及び(c)において、審理が継続された場合、異議を取下げた異議申立人の当事者としての地位が維持されることがあるが、そのような場合おいて、異議申立人は積極的に参加することを要求されない。

Q. 欧州においても米国のように実験証明書などを宣誓供述書の形式で提出することは有効か?

A. 欧州では、審査の段階では、追加の実験データ等を宣誓供述書の形で提出する必要はないと言われております。しかし、極めて重要なデータなどは宣誓供述書の形で提出すれば、審査官の心証に影響する可能性は有ると考えられます。 一方で、異議申立て手続きや審判手続きにおいては、実験データなどは宣誓供述書の形で提出する必要があります。

Q. EPOで進歩性判断のテストとして採用されているProblem-Solution Approachとはどのようなものか?

A. Problem-Solution Approach(課題-解決手段アプローチ)は、欧州特許庁(EPO)が採用している進歩性判断のテストであり、EPOの審査ガイドラインにおいて解説されています。 具体的には、以下のようの手順で進歩性を評価します。

(i)  determining the "closest prior art",

(ii)  establishing the "objective technical problem" to be solved, and

(iii)  considering whether or not the claimed invention, starting from the closest prior art and the objective technical problem, would have been obvious to the skilled person.

これに補足を加えて訳すと以下のようになります。

(i)クレームされた発明と最も近い技術を開示する"最近似先行技術"を特定する。

(ii)最近似先行技術を念頭に置き、クレームされた発明が解決する技術的課題を決定する。
[補足: ここで実質的に要求されているのは、クレームされた発明と先行技術の技術的相違点(先行技術には記載されていない当該発明の特徴)を特定し、その技術的相違点に起因する先行技術に対する該発明のアドバンテージを特定することです。このアドバンテージを上記の「技術的課題」と考えれば良いと思います。]

(iii)クレームされた発明が提供する当該技術的課題の解決手段について、当業者が、最近似先行技術から出発して、該解決手段に到達することが自明であったかどうかを判断する。

[補足: 最近似先行技術を検討し、当該技術的課題に直面した当業者が、他の公知技術などを考慮した上で、クレームされた発明が提供する解決手段に到達する見込みについて判断し、この見込みが"could"(「したかもしれない」や「した可能性がある」)では「自明であった」とは言えず、"would"(「したであろう」)であった場合に「自明であった」と判断されます。この"would"は、米国MPEPにおける"with reasonable expectation of success"(「合理的成功の見込みをもって」)とほぼ同意と考えて良いと思います。]

国毎に独自の進歩性判断のテストがありますが、根本的な部分は共通していると考えて良いと思います。 我々も明細書を書くときには、上記の様なアプローチに従って、進歩性を確保できるようなクレームや明細書本文、実施例の構成を考えます。

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