一括

欧州(10): 費用

欧州特許出願は、登録までの手続きを欧州特許庁で一括できる代わりに出願時の費用は他の国と比較して高額です。依頼する特許事務所や、その他の諸事情にもよって異なりますが、例えば比較的規模の大きい企業(large entity(従業員500人以上の法人))の出願であれば、欧州特許出願時の費用は、米国出願の2~3倍必要になります(米国では、比較的規模の小さい企業(small entity)であれば、出願料などの政府費用が半額になりますが、欧州にはそのような制度はありません。
米国における“small entity”の定義につきましてはこちらをご覧下さい
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/documents/appxr_1_27.htm

また、欧州特許庁によって、特許性を認められたらその後指定国への登録手続きを取ることになり、この登録手続きに関する費用が必要になります。この指定国での登録手続きに関しては、現時点では、1カ国あたり約10~25万円程度と考えればよろしいかと思います。以前は、例えばEP出願明細書が英語だった場合に、スペインなどの英語以外の言語が公用語である国に移行するためには、明細書をスペイン語などのその国の公用語に翻訳して提出する必要があり、多額の翻訳費用が必要になることがありました。しかし、翻訳文の提出を不要にすることを目的とした「ロンドン協定」が2008年に発効し、同協定の加盟国も増え続け、現在では、EP出願明細書が英語であった場合に明細書全体の翻訳が要求されることは無くなりました(請求項の部分のみ翻訳が要求される国はあります)。従いまして、以前は、国によって係る費用が10万円程度~100万円超まで大きく異なっておりましたが、現在では、上記したように1カ国あたり約10~25万円程度の幅と考えて良いと思います。

その他(商標)

Q1. 日本の商標登録出願に基づく優先権主張をして外国に商標登録出願する場合、特許の場合と同様に、日本出願から1年以内に外国出願すれば良いのか?

A2. パリ条約に基づく優先期間は、特許については1年ですが、商標については6ヶ月と定められています。従って、日本の商標登録出願の日から6ヶ月以内に外国出願手続きを完了させなければ優先権を享受することはできません。

Q2. 直接外国へ商標登録出願することに対する国際商標出願(マドリッドプロトコル出願)のメリットとデメリットは

A2. マドリッドプロトコル出願(所謂「マドプロ出願」)のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

マドプロ出願のメリットとしては、現地代理人を介さずに出願から登録手続までを完結できますので、基本的には現地代理人費用が発生しません

但し、いずれかの指定国において拒絶理由が見つかった場合には、その指定国の代理人が応答手続を行わなければならないことになっているため、その時点からの現地代理人費用が発生します。

また、もしも登録する国や商標を使用する対象を増やす可能性があるならば、マドプロ出願には、事後指定(指定国、指定商品・役務の追加)が可能です。但し、指定商品・役務の追加は、国際登録の範囲内でのみ可能です。従って、後に商標を活用する国や対象が増えた場合に対応できるというメリットがあります。

さらに、登録後も更新、各種変更手続きを一括で行うことができます。

デメリット

マドプロ出願の場合、先ず、日本に出願する必要があります。従って、日本での商標権が不要という場合は、日本での出願費用が無駄になってしまいます。

また、基礎出願が登録にならない場合や基礎登録が取消された場合、マドプロ出願・登録も取消されてしまうという不利があります(所謂「セントラルアタック」)。この場合、各国出願への切り替えを行うことができますが、新たに出願費用がかかります。

Q3. マドリッドプロトコルの加盟国は

A3. 現在のところ、日本、米国、EU、ロシア、中国、韓国などを含む86カ国が加盟しています。近年、注目を集めている新興国では、ベトナム、フィリピン、イラン、エジプトなどは加盟していますが、マレーシア、タイ、インド、インドネシア、メキシコ、バングラディシュなどの国は未加盟です(2012年9月現在)。詳しくは、こちらで確認できます。

Q4. 展示会に自社製品を出品するにあたり、新たな商標を使用しようと考えているが、特許出願の場合のように、展示の後に、新たな商標について新規性を喪失せずに出願することはできるのか?

A4. まず、商標に関しては、特許におけるような所謂「新規性」という概念は存在しません。特許、実用新案、意匠等は、新たな技術などを発明、考案又は創作し、その新しい技術などの保護を目的とするものですが、商標権は「選択物」であると言われます。これは、商標権に関しては、既存の言葉などを選択して特定の商品やサービスを特定するために用いる権利であるという考え方に基づきます。

しかし、商標登録出願にも、特許制度などにおける「新規性の喪失の例外」(特許法第30条)の規定に類似の規定は存在します。商標法の第9条(出願時の特例)においては、特定の博覧会において出品・出展した商品やサービスについて使用をした商標について、その出品・出展の日から6ヶ月以内にその商標について出願した場合は、その出品・出展の日が商標登録出願の出願日とみなされます。この際、商標自体並びに商標登録出願の指定商品又は役務は、出品・出展したものと同一にする必要があります。

特許等の場合、新規性の喪失の例外の適用を受ける場合、出願前に公開した技術と出願に係る発明は必ずしも同一である必要はありませんが、商標に関する上記「出願時の特例」については、上記の通り、商標及び指定商品・役務は、出品・出展の時のものと同一であることが要求されます。また、特許などの場合、特許出願の出願日は、出願前の公開の日に遡及することは有りませんが、商標の上記「出願時の特例」においては、出願日は出品・出展した日に遡及します。

また、商標登録出願について「出願時の特例」を受けるためには、その旨を記載した書面を商標登録出願と同時に特許庁に提出し、且つ当該商標登録出願における商標及び指定商品・役務は、出品・出展の時のものと同一であることを証明する書面を商標登録出願の日から30日以内に提出しなければなりません。

尚、商標法第9条(出願時の特例)において定める特定の博覧会は以下のようなものです。

 ①日本政府等が開設する博覧会、
 ②日本政府等以外の者が開設する博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの、
 ③パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会、
 ④パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国若しくは商標法条約の締約国のいずれにも該当しない国の領域内でその政府等若しくはその許可を受けた者が開設する国際的な博覧会であつて特許庁長官の定める基準に適合するもの。

タグ:

特許  米国  中国  出願  発明  日本  新規性  記載  提出  必要  米国特許  費用  韓国  上記  以下  拒絶  or  be  商標  可能  例外  宣誓供述書  手続  意匠  特許出願  利用  主張  適用  申請  実用新案  日本出願  要求  対象  方法  an  範囲  対応  可能性  制度  優先権  メリット  特許庁  外国  選択  指定国  規定  同様  外国出願  公開  変更  情報  理由  存在  出願時  応答  手数料  拒絶理由  使用  月以内  同一  支払  特定  期間  各国  at  技術  加盟国  登録  追加  パリ  基準  rce  特許法  出願日  宣誓書  10  指定  Notice  証拠  優先権主張  拡張  デメリット  権利  不要  現在  近年  許可  詳細  declaration  猶予期間  file  www  書類  発行  参照  代理人  喪失  米国特許庁  目的  use  参考  年以内  IP  インド  所謂  証明  以外  基本的  pdf  基礎出願  under  同時  維持  特許制度  確認  宣言書  放棄  類似  サービス  was  取下  出願費用  A2  保護  go  A1  マドプロ  タイ  範囲内  商標登録  継続  インドネシア  条約  jpo  ex  書面  米国特許商標庁  製品  活用  加盟  サイト  時点  従属  送付  現地代理人  re  特許法第  ライン  Q2  Q1  Information  登録後  ベトナム  直接  日本国特許庁  ロシア  affidavit  現地  基礎  form  htm  該当  優先  追加手数料  国際事務局  注目  マレーシア  出品  商標登録出願  代理人費用  遡及  当該  WIPO  宣誓  マドリッドプロトコル  展示  do  商標出願  Q3  A3  取消  日以内  プロ  世界  国際的  発生  新興国  EU  特例  博覧会  本出願  期間内  フィリピン  Q4  享受  番号  供述書  登録手続  自体  出展  エジプト  締約国  A4  更新  月現在  商品  商標権  展示会  役務  am  協定  自社  指定商品  完了  猶予  現地代理人費用  申請人  ku  出願手続  無駄  members  代理  以内  未加盟  tetuzuki  出願前  宣誓供述  商標法  ratio  開設  既存  act  一括  メキシコ  事務  ウェブ  ウェブサイト  オンライン  actual  適合  イラン  kokusai  国際登録  国際商標出願  外国出願手続  国際  創作  特許庁長官  識別  政府等若  新規  意思  電子  領域内  領域  101  事後指定  事後  直接外国  世界貿易機関  正当  機関  猶予期間内  特許商標庁  加盟国若  優先期間  特別  言葉  裏付  日本国  同盟国  概念  バングラディシュ  商標法第  商標法条約  商標及  Q5  mm  ip  A5  FAX 

欧州:単一効特許制度

欧州における「統一特許」(Unitary Patent)の制度については、30年以上議論されておりましたが、2012年12月11日、ついに欧州連合(EU)は、「統一特許」(Unitary Patent)に関する一括法案の採択を決定しました。イタリアとスペインは、自国の言語での申請が認められないことを理由に反対しており、結局、当面はこの2国を除いた25カ国で発足することとなります。この25カ国には、EU加盟国以外、スイス、ノルウェー、トルコなどの非EU加盟国も含まれています*。 

現在の欧州特許条約(EPC)に基づく欧州出願においては、欧州特許庁(EPO)が出願審査を行い、EPOによる許可(特許査定)を得た後に、登録を希望するEPC加盟国への登録手続きを行うことにより、各国へ「枝分かれ」し、所謂「特許の束」(bundle of national patents)として存在することとなります。

統一特許制度発行後も、従来通り、審査は欧州特許庁が行いますが、特許許可後の手続きが統一化されます。統一化される手続きは、以下の通りです:

・ 各国への登録手続き: 現在は、登録を希望する国毎の手続きが必要で、請求項の翻訳文の提出が必要な国も有るが、この手続きを一本化する。欧州特許庁による許可の公告日から1ヶ月以内に単一特許を選択することができる。 

・ 維持年金の支払い: 現在は、各国で登録後は、国毎にまちまちの維持年金を支払う必要があるが、これを一本化する。具体的な金額は未定。

・ 係争の取扱い: 現在は、侵害訴訟や無効訴訟などは、各国の裁判所で取り扱われていたが、これらは一括して欧州統一特許裁判所の管轄となる。

差し当って、既存の欧州特許や係属中の欧州特許出願には影響ありません。統一特許制度に関する法案の採択は決定されましたが、具体的な発効時期は未だ不明です。加盟国の批准や必要な規則改正等が済んでいれば、2014年1月1日に発効となりますが、現実的には難しく、発効は2015年以降になることが見込まれています。


* 25カ国は以下の通り:オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ、キプロス、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、及びイギリス。

タグ:

特許  出願  欧州  提出  必要  EPO  明細書  上記  以下  翻訳  審査  or  be  patent  判断  可能  請求項  英語  EPC  手続  移行  特許出願  欧州特許  適用  申請  an  Patent  請求  制度  特許庁  選択  考慮  理由  具体的  存在  翻訳文  月以内  無効  ドイツ  支払  期間  EP  各国  at  加盟国  最初  登録  パリ  特許査定  Appeal  権利  30  現在  欧州特許庁  欧州出願  特許権者  許可  複数  言語  only  決定  影響  以上  侵害  訴訟  特許権  以外  同時  維持  特許制度  議論  従来  構成  all  相当  効力  予定  提起  国内  information  用語  保護  欧州特許出願  patents  タイ  条約  一部  ex  欧州特許条約  加盟  正確  フランス  特許許可  shall  re  特許明細書  登録後  現行  申請可能  legal  national  リスク  form  関係  経過  システム  除外  機械  希望  英語以外  発効  無効訴訟  合計  裁判所  国毎  係属中  プロ  年金  スペイン  特許付与後  不可  EU  係争  イギリス  目指  登録手続  Reg  スイス  作業  月現在  管轄  地域  Court  開発  許可後  イタリア  トルコ  自国  救済  参加  侵害訴訟  満了  年以上  訳文  以内  公用  センター  フィンランド  単一  取扱  ratio  控訴  既存  枝分  裁判  First  公用語  統一特許  維持年金  一括  ポルトガル  付与後  付与  箇所  FR  EU  クロアチア  オランダ  査定  月前  purpose  従来通  適用除外  金額  採択  二重  移行期間  欧州統一特許裁判所  参加国  法案  特許許可後  係属  明細  ギリシャ  国以上  デンマーク  セルビア  一審  統一化  一本化  ノルウェー  ベルギー  マケドニア  Re  mm  Unit  Unitary  effect  ed  inform  try 


お問い合わせ

Share | rss
ホームページ制作