一定

「後知恵」(hind-sight)による拒絶に対処しやすい明細書作成について

審査基準における「後知恵」

現在の日本の審査基準には「後知恵」の防止に関する規定は存在していません。しかし、1993年に審査基準に導入されて以来、2000年の改訂前までの審査基準には「その他の留意事項」として「後知恵」の防止規定が存在しました。2000年の改訂で削除されたその規定は以下の通りです:

「本願の明細書から得た知識を前提として事後的に分析すると、当業者が容易に想到できたように見える傾向があるので注意を要する。例えば、原因の解明に基づく発明であって、いったん原因が解明されれば解決が容易な発明の進歩性を分析するときは、原因の解明も含めて技術水準に基づいて検討する。解決手段を考えることが当業者にとって容易であるという理由だけでは進歩性を否定することができない。」)

一方、米国の審査基準(MPEP)(MANUAL OF PATENT EXAMINING PROCEDURE)では、「2142: Legal Concept of Prima Facie Obviousness [R-6]」に「However, impermissible hindsight must be avoided and the legal conclusion must be reached on the basis of the facts gleaned from the prior art.」(...許容できない後知恵は防止しなければならず、法律的結論は先行技術から収集した事実に基づいて下さなければならない)と記載され、「後知恵」の防止に関する規定が存在します。

なお、米国の審査基準では、「後知恵」を防止する観点から、prima facie obviousness(一応の自明性)が成立する要件には以下の2項目が含まれています:
(1)TSMテスト(teaching, suggestion, or motivation test)(「2143.01: Suggestion or Motivation To Modify the References [R-6]」などを参照)と
(2)reasonable expectation of success(成功するという合理的な期待)(「2143.02: Reasonable Expectation of Success Is Required [R-6]」などを参照)。

また、EPOの審査基準(Guidelines for Examination in the EPO)では、「C_IV_11.9.2: "ex post facto" analysis; surprising technical advantage」と「C_IV_11.7.3: Could-would approach」に「事後分析("ex post facto" analysis)」(後知恵)の防止に関する規定が存在します。〕

「後知恵」に関する考察

上記のような一種の「戒め」の存在からも分かる通り、国を問わず、特許庁の審査官にとって最大のタブーの一つが、いわゆる「後知恵」(hindsight)に基づく拒絶を出してしまうことです。

「後知恵」は、進歩性(非自明性)の判断において問題になることが多く、「後知恵」による進歩性欠如の拒絶の説明で、しばしば引き合いに出されるのが有名な「コロンブスの卵」です。要するに、以前には誰にも成されていなかった発明に対して、最初に発明したことの価値を無視して、後から結果が容易に見えることのみに基づいて評価してしまうのが、「後知恵」による拒絶です。

しかし、考えてみれば、審査官が審査に先立って先行技術文献をサーチする際には、当然に本発明の内容を頭に入れてそれを基準にしてサーチするわけですのですので、そこには必然的に「後知恵」のバイアスがかかります。そして、そのようにしてサーチしてきた先行技術文献に対する発明の特許性を評価する段に至っては、その「後知恵」に基づく色眼鏡を外して、サーチを行った審査官自身にとってではなく、発明がなされた当時の「当業者」にとって発明が容易であったということを、充分な根拠をもって「理論付け」することが出来るか否かを検討します。

一般人には、この「色眼鏡」を外すことが難しいのですが、特許庁の審査官は必ず「色眼鏡」を外して発明と先行技術の関係を評価することが要求されます。

そして、その「理論付け」の根拠が一応、一見して充分なものであれば、「後知恵」はないことになり、もしもその「理論付け」の根拠が全く無い若しくは明らかに不充分であれば「後知恵」による拒絶ということになります(ただし、欧米・日本・韓国などの先進国では後者の状況は通常はごく稀にしか生じません)。

しかし、実際は、「理論付け」が充分かどうか自体についての純粋に客観的な判断基準はないわけですので、多くの場合の、ある意味では、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得るとも言えます。この点に関連して、米国Albany Law Schoolの教授が、陪審を想定して一般市民400人を対象に、hingsightの影響についての調査を行ったところ、事前に本発明の知識を有していた人が、その発明を自明と判断する確率は、本発明の予備知識がなかった人の場合と比較して約2倍であり、TSMテストやGrahamテストに従って、判断させても結果はそれほど変わらなかったそうです。

また、発明の技術は出願時からの時間経過ともに陳腐化しますので、一般に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増加してゆく傾向があると考えられています。つまり、出願時には「とても意外な知見」に基づくとの印象を与える発明であっても、審査の時点、さらには裁判の時点というように、時間の経過にともない、「意外な知見」との印象はどんどん減少していき、したがって、「後知恵」による判断の生じるリスクが高まると考えられています。

このように、ある意味で、拒絶理由にはほとんど必然的に「後知恵」的な要素が存在し得ると考えられ、更に、「後知恵」による判断が生じるリスクは出願時から経時的に増大してゆく傾向があると考えられます。

そして、一旦、拒絶理由を受けてしまえば、如何にその理由が「後知恵」に基づくように見えたとしても、単に「後知恵」のみを主張して拒絶が撤回されることは殆ど無いと言って良く、結局は、出願人が発明の新規性・進歩性(非自明性)を明確にすることが必要になります。

要するに、如何に「後知恵」に基づくと思われる拒絶であっても、拒絶を受けてから「後知恵だ」と主張しても「後の祭り」であり、予め「後知恵」に基づく拒絶を受けないよう、明細書作成の段階で準備をしておくことが肝心であると考えます。

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書

一般的な考え方

「後知恵」に基づく拒絶を未然に防止するための明細書とは、一言で言ってしまえば、先行技術に対する新規性・進歩性(非自明性)が明確に示されている明細書ということになります。

要するに、格別な手段が有るわけではないのですが、特に一見して先行技術との構成上の違いが小さい発明は、「後知恵」による進歩性欠如(自明性)の拒絶を受け易いので、発明の構成の困難性(先行技術同士若しくは先行技術と周知技術を組み合わせることに関する困難性)や予想外の効果などについて強調しておくとよいでしょう。

実際には、この点の対応が充分でない明細書を目にすることが良くあります。特に発明者の方は、発明が属する特定の技術分野の専門家ですから、自分では構成上の小さな改変にも困難性を伴うことを良く認識しており、それを当然のことと考えてしまい、専門外の第三者にとっては容易に見えるかもしれないという認識が無い場合が少なくありません。この様なことが原因となって、進歩性(非自明性)が明確に読み取れない明細書となってしまうのだと思います。

したがって、これは、弁理士や特許技術者の仕事の範疇とも言えますが、明細書を書く際に、発明が属する特定分野の専門知識が無い第三者にとって、発明がどのように解釈されるかを客観的にイメージすることが非常に重要です。客観的な視点からの配慮を欠いた明細書での出願は、後知恵に基づく拒絶を受けやすいと言えます。

具体的には、出願明細書において、本発明に最も近い先行技術から本発明に到達することについての困難性や予想外の効果が得られることが直感的に理解できるようなポイントを、発明の課題と解決手段の項目などで、要領よく説明しておけば、「後知恵」による拒絶を未然に防止できることがあります。また、ポイントさえ巧みに述べてあれば、拒絶を受けても、それをベースにして、意見書で大幅に詳しい説明にすることが容易になります。

特に効果の話となると、米国を除く多くの国において、出願時の明細書に教示も示唆もされていないような効果について、出願後の審査の段階で主張しても考慮されませんので、出願時に何らかの記載を含めることが重要です。

具体例と注意事項

たとえば、公知技術として、ある種のポリマーAの重合反応の特徴に着目して設計されたポリマーA製造用の重合反応装置があり、本発明は、その公知の重合反応装置を他のポリマーBの製造に適用した製造方法に関する発明である、という場合を例に取ります。

一般的には、化学分野など結果の予測が難しい分野においては、反応の原料が異なれば、適する反応方式や条件も異なるという一般的常識がありますが、審査官が、上記の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することの容易性について何ら具体的な根拠を示さずに、「本発明で成功している」という結果を念頭において、公知の重合反応装置を他のポリマーに適用することなど当たり前などという理由で拒絶をしたならば、この拒絶は「後知恵」に基づくものと言えるかも知れません。

しかし、具体的な証拠の提示は無くとも、恐らく審査官は「異なる重合反応であっても、殆どの場合に、同じ反応装置が利用できることは周知」などを指摘してくるでしょう。それに対して、単に審査官の主張は、「後知恵」に基づく不当なものだと主張しても、通常、それだけでは審査官の判断が覆ることはなく、結局は、組み合わせの困難性や予想外の効果を明らかにすることが必要になると思います。

従って、「後知恵」の拒絶を防止し、またそのような拒絶を受けても効率的に拒絶を撤回させるためには、やはり出願明細書において、発明の構成の困難性や効果の意外性などを分かり易く説明しておくということが最も有効です。

上記の例では、一見して、先行技術におけるポリマーAを、単にポリマーBに置換しただけという第一印象を受けると思います。そこで、進歩性を明らかにする為に特に有効な手段としては、例えば、以下のような点を明細書で強調しておくことが考えられます:

(1) 当業者が、ポリマーA製造用の重合反応装置をポリマーBの製造に適用することを阻害する要因(いわゆる「阻害要因」または「阻害事由」)(英語では"teach away")の存在があったことを明らかにする。

(2) 上記(1)を明らかにした上で、先行技術と同じ又は類似の効果(例えば、選択率や転化率の向上など)を証明する。

(3)先行技術には教示も示唆もされていなかったような効果を証明する。(例えば、先行技術において達成された効果が選択率と転化率の向上のみである時に、本発明ではポリマーBの重合で問題視されていた有毒な副生物の生成抑制が達成されることを証明するなど。)

上記(1)の阻害要因については、例えば、上記のポリマーAの重合に関する先行技術文献において、ポリマーAの重合反応の平衡定数の低さに着目して、上記の特定の重合装置を設計し、一定範囲以上の平衡定数を示す重合反応に、この重合装置を利用すると不都合が起きるという趣旨のことが記載されていたとしましょう。そこで、ポリマーBの重合反応の平衡定数が、上記先行技術に記載されている範囲より高ければ、阻害要因があったと言うことが出来ると思います。

上記(2)については、ポリマーAに関する上記先行技術において、上記の重合装置の使用により、選択率や転化率が向上し、本発明における効果も同様であり、且つ阻害要因も無かったということであれば、本発明の効果が意外なものとは認められない可能性が有ります。勿論、例外も有るでしょうが、阻害要因もなく且つ先行技術と同じ方向性の目的の発明ということであれば、一般的には、進歩性を認めさせるのが難しい場合が多いと思います。

一方、上記(3)のように、先行技術には教示も示唆されていなかったような効果であれば、意外な効果と認められる可能性が高いと思います。ただ、やはり、上記の例のように、一見して先行技術との構成上の差が小さい時には、阻害要因の存在を明らかにできることが理想的です。

実際に「後知恵」に基づくと思われる拒絶を受けた場合の対応

拒絶理由通への回答において「後知恵」を明示的に主張することは、審査官の判断能力を否定することに等しいため、心証の観点から、よほどの証拠(たとえば、審査官の拒絶理由の論理における明示的・致命的な欠陥の存在や、明らかな「阻害要因」の存在など)でもないかぎり、あまり露骨に「後知恵」を主張しないほうがよいのではないかと考えます。

多くの場合に望ましいアプローチとしては、「後知恵」には直接言及せずに、阻害要因などの議論をする中で、審査官自身が「後知恵」的な要素の存在を自然に自覚して改めてくれるように話しをもっていくというやり方が望ましいと考えます。

但し、担当の審査官が変った場合や、審判・訴訟手続きにおいて、審査官の判断や相手の主張に対して行うのであれば、この限りではありません。むしろ、「後知恵」を強力に主張することが得策の場合もあると考えます。また、近年の知財高裁判決の進歩性判断において「後知恵」が積極的に言及されることが増えていますので、裁判での「後知恵」の議論の有効性は増す傾向にあると考えられます
(たとえば、平成18年(行ケ)第10422号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070330151919.pdf)
平成20年(行ケ)第10130号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081225160745.pdf)
平成20年(行ケ)第10096号 審決取消請求事件
(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090129104737.pdf)を参照。)

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パラメータ発明、パラメータ特許について(Part 2 国毎の記載要件など)

[II] 「パラメータ発明」について主要国での取り扱いの相違

(II-1)パラメータ発明を許容しているか否か:

日本、米国、欧州、中国、韓国などを含む主要な国で、所謂「特殊パラメータ」で発明を規定することが禁止されている国は有りません。

欧州や中国では、審査基準に、発明をパラメータで特徴付けることは、発明を他の方法で十分に規定することが出来ない場合に限り許されるべきという趣旨の規定が有ります(EPO審査便覧、F部、第IV章、4.11)(中国専利審査指南、第二部分、第二章、3.2.2項)。しかし、通常、特殊パラメータの場合、これを使用せずに他の方法で十分に規定することが出来たということを明確にすることは難しいため、上記の規定が問題になることは少ないと思います。

(II-2)「パラメータ発明」の記載要件(実施可能要件、サポート要件、明確性要件):

発明の分野に関わらず、実施可能要件、サポート要件及び明確性などの記載要件については、各国ほぼ同様の基本的要求が有ります。

- 実施可能要件を満足するためには、クレームされたものを、公知物質から出発して過度の試行錯誤なしに製造する方法を明確に記載することが要求されます。

- サポート要件を満足するためには、クレームに記載した発明は、明細書によってサポートされ、裏付けられていることが要求されます。

- 明確性要件を満たすためには、特許請求の範囲の記載は明確でなくてはなりません。

パラメータ発明の場合に特に注意すべきこととしては、以下の様な点が挙げられます。

注意点(i) 

パラメータの達成手段の記載: 実施可能要件を満足するために、一般的な製造方法のみならず、如何にしてクレームしたパラメータを達成出来るかについて具体的な手段を記載することが必要です。

このことは実施可能要件の観点からのみならず、新規性の立証においても重要になる場合が少なくありません。即ち、特殊パラメータは当然、従来知られていなかったものですので、一見して先行技術においてそれが満たされているか分かりません。先行技術においてパラメータが満たされていなかったことを立証する際に、この特殊パラメータを満足するための方法について、先行技術が、全く開示していない、若しくは異なった製造方法を採用しているということを根拠にすることが多いからです。

パラメータ発明の製造方法が、先行技術に記載された方法と区別できないようなものであると、新規性が欠如しているか、実施可能要件が満たされていないかのいずれかの筈と見なされてしまいますので、この点はパラメータ発明に関する明細書において極めて重要です。

注意点(ii)

日本における記載要件に関する審査基準の厳しさ: パラメータ発明の記載要件について、日本は格段に厳しい判断基準を設けており、且つ出願後に実験データを提出すること(所謂「実施例の後出し」)によって記載要件(サポート要件や実施可能要件)の不備を解消することが認められていません。

日本の記載要件の厳しさについては、日米欧三極特許庁の「記載要件に関する事例研究」という資料に顕著に示されています。

(ii-a) サポート要件:
この資料の事例1においては、日本におけるサポート要件の厳しさが浮き彫りになっています。この事例1は、実際に日本において知財高裁大合議で争われた案件(「偏光フィルム事件」、平成 17年 (行ケ) 10042号 特許取消決定取消請求事件)をモデルにしておりますので、日本特許庁の理解と比較して欧米特許庁の理解が十分で無かった可能性は否めませんが、それでも大いに参考になると思います。(参考までに、「偏光フィルム事件」で取り消された日本特許に対応する米国及び欧州の出願はありませんでした。)

問題となった特許発明は、偏光フィルムの製造法であって、以下の2つのパラメータを満たすことが特徴となっておりました。

原料フィルムの完溶温度(X)と平衡膨潤度(Y)が、
Y > ‐0.0667X + 6.73   ・・・(I)
X ≧ 65          ・・・(II)

そして、この特許には、実施例が2つと比較例が2つ記載されています。

実際には、日本においては、出願後に補正がなされたり、実験データが提出されたりしたのですが、そのようなことは無かったものと仮定して、三極の見解が出されました(この資料の事例1、条件1)。

ここで米国特許庁と欧州特許庁が、記載要件を満たすとの見解を出したのに対し、日本特許庁は十分な記載がないとの見解を示しました。具体的には、日本特許庁は、このような発明において、特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するためには、以下のことが必要であると述べております:

- 発明の詳細な説明は、その数式が示す範囲と得られる効果(性能)との関係の技術的な意味が、特許出願時において具体例の開示がなくとも当業者に理解できる程度に記載するか、又は、

- 特許出願時の技術常識を参酌して、当該数式が示す範囲内であれば、所望の効果(性能)が得られると当業者において認識できる程度に、具体例を開示して記載することを要する。

その上で、日本特許庁は、本件においては、具体例として二つの実施例及び二つの比較例が記載されているに過ぎず、また、本願発明が、具体例の開示がなくとも当業者に理解できるものであったことを認めるに足りる証拠はないと述べております。

更に、上記したように、日本においては、出願後に実験データを提出して瑕疵を治癒することは許容されません(資料の事例1、条件2)。

(ii-b) 明確性要件:
また「記載要件に関する事例研究」の事例2、条件1においては、日本における明確性要件の厳しさが顕著に示されています。

この事例2、条件1においては、微粒子の平均粒径が発明の特徴として記載されておりますが、この「平均粒径」の具体的な種類(個数平均径、長さ平均径、体積平均径など)及び測定方法が特定されていません。この事例の明確性要件に関する日米欧特許庁の見解は概ね以下の通りです。

日本: 発明の範囲が不明確。平均粒径の定義、測定方法等が複数あり、当業者間において、どれを使用するのが通常であるとの共通の認識はないというのが当該分野の技術常識。

欧州: 明確性は問題なし。測定方法等の記載が不十分で、権利範囲が定まらない場合、偶発的に先行技術に含まれてしまう恐れがある。しかし、これは開示の十分性の問題では無い。

米国: 技術常識などにもよるので一概には言えないが恐らく記載要件を満たしている。測定方法等が複数あったとしても、結果が非常に類似する場合、特定の測定方法を選択することは重要ではなく、一方で、結果が非常に異なる場合、当該特定の測定方法は容易に明らかだと言える。

(II-3)日本以外の国で、記載要件の拒絶理由を解消するために、実験データを出願後に提出することが許容されるか否か:


記載要件の拒絶理由を解消するために、実験データを出願後に提出することは、日本では上記したように許されませんが、米国、欧州、中国、韓国における運用は以下の通りです。

米国: 可能です。米国は、パラメータ特許に限らず、また記載要件のみならず、非自明性立証目的で明細書に根拠の無い効果に関する実験証明の提出なども認められており、出願後の実験証明書の提出に関しては寛容です。その様な実験証明書を提出する場合、37 C.F.R. § 1.132に基づく宣誓書(affidavit)又は宣言書(declaration)の形式で提出することが望ましいと考えられています。

欧州: 明細書の開示不十分を補う目的での実験証明書の提出は認められていません。

しかし、上記の通り、EPOはパラメータ発明に関して、日本のように特別な記載要件を要求していません。

欧州では、明細書中に当業者が実施可能なように発明が記載されていれば、原則的に具体例は少なくとも1つ開示されていればよいことになっております(EPC施行規則、第III部、第II章、規則42)。もしクレームされた範囲が広い場合には、クレームの範囲全般をカバーする複数の具体例を提示することが要求されます(審査便覧C-II,4.9)。

上記の「偏光フィルム」の例に関しては、EPOはクレームされた範囲に鑑みて実施例が2つもあれば十分という判断を示しています。

しかし、明細書の開示不十分を補う目的では提出できませんので、例えば、出願当時の明細書に全く具体的な開示がないのに、実験証明書で補うことは許されません。

一方、クレームした範囲と比較して明細書に具体例が少な過ぎるなどと指摘を受けた際に、具体例が少なくても明細書の記載から当業者が容易に実施可能ということを実験証明書をもって立証することは禁止されていません。勿論、拒絶理由を解消できるかは証拠の説得力次第になります。

中国: EPOとほぼ同様と考えて良いと思います。化学分野などの予測が困難な技術分野において、明細書の開示が十分か否かを判断する際に、出願日以降に補足提出された実施例や実験データなどは考慮されません(中国専利審査指南、第二部分、第十章、3.4項(2))。

韓国: 審査基準には明確な記載は無いように思われますが、こちらのAIPPIの資料から判断する限り、EPOとほぼ同様と考えて良いと思います。尚、韓国もパラメータ発明の記載要件に関して、日本同様の審査基準を導入するという話が以前ありましたが、現状が定かではありません。少なくとも現行の審査基準の「パラメータ発明の進歩性の判断」の項目において、パラメータの技術的意味の検討の必要性やパラメータと効果の明確化の必要性など、日本で記載要件に含まれているような事項が挙げられており、進歩性が否定された場合に実験成績証明書の提出による反論が可能とされております(韓国特許要件審査基準、第3章、6.4.3)。

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米国における特許訂正の効力について - 再発行、再審査による補正に関する注意点 -

特許を取得した後に、特許クレームの訂正(補正)をする必要が生ずる場合があります(ここで言う「訂正」とは、クレームの減縮、拡張等、クレームの権利範囲に実質的な変更を加えることをいう。クレームの権利範囲に影響を及ぼさないものは含めない。)。

米国においては、日本の場合と同様に、特許後にクレームを訂正することができます。しかし、米国では、特許クレームを訂正すると、訂正を受ける前の原特許クレームについては、権利放棄されたとみなされて訂正前に行われた第三者の行為に対する権利行使は不可能になり、訂正後の特許クレームに対しても第三者に一定の実施権が認められますので、注意が必要です。このことについて、以下具体的に説明します。

再発行(reissue)と再審査(reexamination)によるクレーム訂正

米国においては、特許クレームを訂正するための手段として、再発行(reissue)と再審査(reexamination)とがあります。再審査の場合には、クレームの拡張はできませんが、再発行の場合にはクレームの拡張も可能です(ただし、特許クレームを拡張するような訂正を申請することができるのは、原特許取得後2年以内に限られます)。特許クレームを拡張するような訂正が可能であるという点では、米国の特許法は、日本の特許法と大きく異なります。日本では、特許クレームを拡張するような訂正は認められません。

訂正クレームの分類

米国において特許の訂正を行う場合、原クレームのいくつかは訂正を受けずにそのまま残り、原クレームのいくつかは訂正(減縮、拡張等)を受けるでしょう。また、原クレームのいくつかは削除されることもあり、新たなクレームが追加されることもあるでしょう。原特許及び訂正後の特許の効力の観点からは、特許クレームは次の3種類に分類するのが便利です。

(1)維持クレーム: 原特許にあって、訂正後の特許においても訂正されずにそのまま維持されたクレーム

(2)削除(又は訂正前)クレーム: 原特許にはあったが、訂正後の特許からは削除されたクレーム(特許クレームが訂正された場合、訂正前の原特許クレームは削除されたクレームと考える)

(3)追加(又は訂正後)クレーム: 原特許にはなく、訂正後の特許において追加されたクレーム(特許クレームが訂正された場合、訂正後のクレームは追加されたクレームと考える)

訂正クレームに基づく権利行使

訂正クレームの効力については、35 U.S.C. § 252、及び35 U.S.C. § 307(b)に規定されています。

第1の維持クレームについては、原特許発行の時点から存在したクレームとみなされます。つまり、維持クレームについては、特許権者は、特許訂正後の第三者の行為に対してだけでなく、特許訂正前の第三者の行為に対しても、特許権を行使することができます。

第2の削除(又は訂正前)クレーム(上記のように、特許クレームが訂正された場合は、訂正前の原クレームは削除クレームと考える)については、初めから存在しなかったものとみなされます。つまり、削除(又は訂正前)クレームについては、特許権者は、特許訂正後の第三者の行為に対してだけでなく、特許訂正前の第三者の行為に対しても、損害賠償を請求することができません。したがって、米国においては、特許クレームを訂正した場合、たとえその訂正が原クレームを減縮するものであり且つ特許訂正前の第三者の行為が減縮したクレームを侵害するものであったとしても、特許権者は、特許訂正前の第三者の行為に対して損害賠償を請求することができません。

これは、日本の場合と大きく異なる点です。日本では、特許クレームを訂正した場合、訂正後のクレームで原特許が発行されたものとみなされますから、特許訂正前の第三者の行為が特許訂正後のクレームを侵害するものであった場合には、特許権者は、特許訂正前の第三者の行為に対して損害賠償を請求することができます。

第3の追加(又は訂正後)クレームについては、特許権者は、特許訂正後の第三者の行為に対してしか損害賠償や差止めを請求することができません。しかも、この場合の権利行使には一定の制限を伴います。この制限は、第三者が特許訂正前に上記した第1の維持クレーム(原特許発行の時点から存在して訂正されずに維持されたクレーム)を侵害しないで事業の実施をしていた場合に、特許訂正後における第三者の事業の実施を保護するために設けられたものです。このような第三者の実施権を"intervening right"と称します。

Intervening Right

米国における"intervening right"は、一般に「中用権」という日本語に訳されることが多いようですが、日本の特許法における「中用権」(日本の特許法第80条に規定される通常実施権)とは全く意味が異なりますので、注意しなければなりません。日本における「中用権」とは、自らの特許の有効性を信じて、特許発明の実施(あるいは実施の準備)をしていた場合、その特許が無効にされ且つその発明と同一の発明に関する他人の特許が存在したとしても、実施を継続できるという権利(通常実施権)のことを指します。要するに、日本では、結局は無効になったとしても自らの特許を実施していたとう前提があって、初めて「中用権」が認められますが、米国において"intervening right"が認められるために特許の所有は要求されません。

米国において特許訂正前に上記した第1の維持クレームを侵害することなく事業の実施をしていた第三者に認められるintervening rightには、2つの種類があります。

第1は、特許訂正前にその事業で既に製造した物について認められる、その物の処分権(特許訂正後に使用、販売等をする権利)です。

第2は、特許訂正前に実施していた事業について認められる事業継続権です。

第1の権利は、必ず認められます。第2の権利は、認めるかどうか、また、認めるとしてもどの程度認めるかを、公平性の観点から、裁判所が判断します。

纏め

このように、米国では、再発行(reissue)や再審査(reexamination)によって、特許クレームの権利範囲に実質的な変更を加える訂正をすると、訂正を受ける前の原特許クレームについては、特許訂正前の第三者の行為に対して損害賠償を請求することができなくなり、また訂正後のクレームに基づく権利行使もintervening rightにより制限されてしまうことがあります。

したがって、特許クレームの減縮又は拡張をしようとする場合、原クレームを残しつつ、原クレームを減縮し又は拡張したクレームを追加するという方針で臨むのがよいでしょう。即ち、クレーム1の特許性をより明確にする為に、クレーム1を減縮補正(新たな特徴を追加)したい場合に、クレーム1そのものを補正してしまうのではなく、上記のような新たな特徴を記載した従属クレームを追加するなどの方策を検討すべきです。同様に、再発行によって拡張する場合も、原クレームを残したまま、拡張したクレームを追加することが賢明です。

PCT(6): 国際出願のメリットとデメリット

PCT国際出願には、例えば以下のようなメリットとデメリットがあります。

PCT国際出願のメリット

出願手続きの簡便さ

パリ条約に基づく優先件を主張して外国に直接出願する場合には、その国の言語の明細書を準備し、その他、その国で要求される書類(国によっては公証・認証が必要な場合もある)と共に提出するといった手続きを、優先日から1年以内に完了させる必要があります。

一方で、PCT国際出願の場合には、一定の形式にさえ従っていれば、日本語で日本の特許庁に出願できます。従って、翻訳文作成の時間がない場合などにも便利です。また、各国に直接出願した場合には、それぞれの国に優先権証明書を提出する必要がありますが、国際出願で行えば、各国ごとに優先権証明書を提出する必要はありません。

実際に外国へ出願する時期を先延ばしすることができる

30月乃至31ヶ月まで各国への移行手続きを繰り延べることができるので、その間の市場や技術の動向、企業方針等の変化に応じて柔軟な対応ができます。

また、翻訳文作成の時間が十分にあるので質の高い翻訳文の作成が可能になります。

以前は、国際出願時に権利取得をしたい国を指定し、指定手数料を支払う必要がありましたが、現在は、出願時に全ての加盟国を自動的に指定したことになり(みなし全指定)ますので、国際調査や国際予備審査の結果や、30月(乃至31ヶ月)の期限内に発明の価値変化などに応じて実際に国内へ移行する国を決めるということができます。

明細書の修正・補強が出来る

この点については、別項で詳細に説明しますが、基本的に日本国内の最初の出願は、通常、早期に提出することを最重要視しますので、PCT国際出願の際に、時間をかけて明細書を再検討して、修正・補強できるということは非常に大きなメリットです。

殆どの国において誤訳補正ができる

パリ優先権を主張して直接外国に出願した場合は、優先権出願の明細書の記載を根拠にして誤記補正をすることはできません。パリ優先権主張して提出された外国出願に関して、優先権出願の明細書は、外国出願明細書に記載された発明が優先権出願時になされたものであることを証明するための証拠とはなりますが、外国出願の明細書は、優先権出願明細書の翻訳文という扱いにはなりません。

日本や米国のように、基礎出願から1年以内に差し当ってその国の言語以外の言語の明細書で出願して、後から明細書の翻訳文を訂正することができ、またその翻訳文における誤訳を訂正できる国も有ります(日本で言うとことの「外国語書面出願」)。しかし、中国、韓国のように、その国の言語以外での出願が許されない国も多数存在します。そのような国では、作業上は、優先権出願明細書を中国語や韓国語に翻訳したものを提出するかも知れませんが、中国語や韓国語の出願明細書は翻訳文とはみなされず、当然、誤訳の訂正もできません。

一方、PCT国際出願の場合には、外国特許庁に提出されるのは、PCT出願明細書の「翻訳文」という扱いになります。国内段階で誤記・誤訳・訳抜けなどが有った場合には、PCT出願明細書には正しく記載されていたことを明確にできれば、補正が許されます。

特に、一番深刻なのは、主に英語以外の言語の翻訳が必要な国で問題になることがある「訳抜け」ですが、PCT経由の出願であれば、PCT出願明細書に基づいて補正可能です。これに対して、パリ優先の外国出願では、たとえ優先権出願に記載が有っても、外国出願明細書に抜けている記載を補正で補うことはできません。

PCT国際出願のデメリット 

出願費用

特に出願国の数が少ない場合(例えば3ヶ国以下)は、PCT出願費用がかかる分、出願費用が高くなってしまいます。

しかし、例えば、優先日から1年以内に重要な国が絞りきれずに、安全策をとって数カ国余計に出願してしまったというようなことがあれば、それによるロスがPCT出願コストを上回るかも知れません。また、逆に優先日から1年以内に出願しなかった国に関して、その後、その国での権利化が重要であることが判明したというようなことがあれば、潜在的な損失は計り知れないものとなってしまいます。

特許取得に時間がかかることがある

多くの場合、優先日から30月乃至31ヶ月という期間を利用して、移行国を決定しますので、権利取得までの期間が長くなりやすいという傾向があります。

総評

上記から分かる通り、やはりPCTによるメリットは大きく、そのため冒頭でも述べたように、日本出願の件数が頭打ち若しくは減少傾向であるにもかかわらず、日本特許庁に提出されるPCT出願の件数は増加し続けています。

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中国商標登録出願に関する注意点

本稿では、中国の商標制度を網羅的に説明するのではなく、日本の制度との比較の観点から主な注意点を簡潔に纏めます。

1)一出願一商標一区分

中国は、1つの商標出願で1つの区分の商品しか指定できないという「一出願一商標一区分」の制度を採用しています(日本も以前はそうでした)。

従って、1つの商標に関して、複数の区分にまたがる商品を指定したい場合には、複数の商標出願を提出しなければなりません。

2)文字商標に関する制約

社名、商品名などのネーミングに関して、中国に商標登録する際に、日本語(ひらがな、カタカナ)、英語(ローマ字読みを含む)、漢字で出願することが考えられ、勿論、これら全ての形式で出願することが最善ですが、優先順位を付けるならば、やはり漢字の商標の重要性が勝ることが多いと思います。中国では、日本のカタカナに相当するものが有りませんので、非中国語の名称は殆どが漢字(繁体字、簡体字)に訳されます。特に有名な例として、Coca Cola(コカコーラ)=「可口可楽」がよく知られています。

2-1)ひらがな、カタカナ、日本特有の漢字の商標

中国の商標審査基準では、ひらがなやカタカナのような中国人が識別出来ないような文字による商標は、原則的に図形商標とみなされます。(英語は文字商標として認められる。)図形商標と見なされるということは、商標の類似非類似を判断する際に、考慮されるのは商標の外観であり、称呼(発音)や観念(意味)は考慮されないことを意味します。

漢字の場合、中国にも有る漢字の商標であれば文字商標として扱われますが、中国にない漢字であれば、ひらがなやカタカナの場合と同様に図形とみなされます。

従って、ひらがなやカタカナの商標は、中国において中国語や英語で登録された他人の商標などによる拒絶・無効の可能性は低いですが、逆にひらがなやカタカナ商標と同じ又は類似の発音や意味の中国語や英語の商標に対して権利が及ばない可能性があります。

要するに、一般的に、中国語や英語の文字商標と比較して、ひらがなやカタカナの商標は登録されやすい(そして無効になり難い)が、権利範囲が狭いと言えます。

2-2)中国語(漢字)又は英語の商標

上記した通り、中国には日本のカタカナに相当するものが有りませんので、非中国語の社名、商品名などは殆どが漢字(繁体字、簡体字)に訳されます。「ローマ字」に近い「拼音(ピンイン)」という表記体系が存在しますが、一般的に補助的な使用に留まることが多いようです。

中国の商標審査基準では、漢字、アルファベット表記、ピンインは相互に非類似ということになっています。また、ひらがな・カタカナは、上記の通り図形商標と見なされますので当然これらとは非類似です。

例えば、上記のコカコーラの例で言えば、「コカコーラ」、「Coca Cola」、「可口可楽」は、原則的にお互いに非類似ということになります。即ち、中国で「Coca Cola」のみ商標登録していた場合、この登録商標に基づいて「可口可楽」は使用できず、他人が「可口可楽」を使用しても「Coca Cola」の登録商標の侵害を認められない可能性があります。

従って、勿論、多くの表記体系で商標を登録しておくことが最善ですが、コストを抑え且つ商標を戦略的に使用するというのであれば、最優先すべきなのは漢字の商標であると思います。

しかし、元々、漢字以外の商標だったものを漢字の商標にするには、色々な難しさが伴います。特に、その漢字が与えるイメージを考慮してどのような漢字を採用するか慎重に検討する必要が有ります。

漢字以外の社名や商品名を中国語の商標にする際には、主に意訳及び/又は音訳をすることになりますが、以下に代表的な例を挙げます。

意訳の例

中国において、米アップル社の社名は、リンゴの意味を表す「苹果」です。「苹果iPhone 4S」のように表記されて販売されていることが多いようです。(さすがにiPhoneは英語表記のようですが。)

その他、以下のような例が有ります。

レッドブル → 紅牛

キャメル → 駱駝   

ラコステ → 鰐魚(ワニの意)

音訳の例

上記した通り、コカコーラを「可口可楽」としたのが最も有名な例でしょう。

その他、以下のような例が有ります。

マールボロ → 万宝路

ルイヴィトン → 路易威登 

コカコーラの場合、当初中国での商品名を「蝌蝌啃蝋」として販売したところ、売り上げが思わしくなく、「可口可楽」に変更して成功したという話がよく知られています。この例も含めて上記音訳の例は、純粋な音訳というよりは、商標が与える印象を意識した意訳的アプローチも含まれています。「意訳的」という表現は適切ではないかも知れませんが、ここでは意味を与える変換をするという意図で「意訳的アプローチ」と称しておきます。

これらの例からも分かる通り、漢字の選び方で社名や商品の印象が大きく変る可能性がありますので、中国語に訳す場合には慎重に検討することが必要です。日本語では平凡だった商品名が、非常に魅力的な商品名になるかも知れません。逆に、使用する漢字に気をつけないと、上で述べた「蝌蝌啃蝋」(コカコーラ)の例のようにマイナスの印象を与えてしまうことも有ります。また、同じ漢字でも日本と中国で全く意味が違うこともあります。(有名な例では、日本の「手紙」は、中国では「トイレットペーパー」の意味。)

中国で商標を戦略的に活用することを考える場合、日本で成功した商標であっても、全く新たな商標を生み出すつもりで検討し直すことが望ましいと考えます。

3)出願後の審査通知に対する応答

中国では出願商標に拒絶理由がある場合、日本のように拒絶理由通知を出して意見を述べる機会が与えられず、直ちに拒絶査定が出されてしまいます。

拒絶査定に対して不服審判を請求することができますが、請求できる期間が拒絶査定送達日から15日しかありませんので注意が必要です。

4)先使用権

日本では、商標登録せずに使用していた商標に関して、後から他人に商標登録されてしまったような場合でも、その商標が、既にある程度有名(周知商標)になっていたならば、引き続きその商標を使うことが認められることがあります(商標法第32条)。これを先使用権と称します。

中国でも法律上は先使用権が認められることになっていますが、これが認められる為には、登録された商標が「一定の影響力のある」ものであり、且つ「不正な手段で登録」されたものであることを立証しなければなりません。日本でも先使用権を認めてもらうことは容易ではありませんが、中国では極めて困難であると言わざるを得ません。

要するに、中国では、商標登録せずに商標を使用していた場合、他人に商標登録されてしまって自らの商標を使用できなくなる可能性が高いため、日本と比較して商標登録する重要性がより高いと言うことができます。

因みに、有名な「クレヨンしんちゃん」中国商標事件においては、日本の出版社である双葉社は中国での商標登録を行っていませんでした。そこで中国企業に「クレヨンしんちゃん」を意味する中国語「蝋筆小新」を商標登録されてしまい、双葉社が商標権侵害を訴えられたのですが、結局、双葉社に著作権が認められ、逆に中国企業の著作権侵害が認められたものです。このように結果的には商標登録せずとも「著作権」が認められて、日本企業の勝訴に終わったわけですが、この件も解決まで8年を要しており、不要な係争に巻き込まれないためにも中国における商標登録は重要です。

また、別の有名な例としては、「こしひかり」の漢字・ローマ字表記である「越光」・「KOSHIHIKARI」が中国において第三者により商標登録されてしまい、こしひかりを日本から中国に輸出する際に支障が生じた例が有ります。

5)纏め

以上の通り、中国での事業を行うために商標登録は非常に重要であり、積極的に商標を使用するのならば、是非とも漢字の商標を登録することをお勧めいたします。

漢字の商標とする際に、称呼(音)を重視した音訳、観念(意味)を重視した意訳、またこれらの組み合わせが可能です。 また、漢字の選択により、与える印象が大きく異なります。特に商品名の場合、商品イメージ形成に大きな影響を与える可能性がありますので、慎重に検討することが望ましいと考えます。

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米国(4)

Q. 再発行(reissue)で認められる訂正はどのようなものか?また、特許権者が指摘した再発行申請理由以外の理由で特許性を否定されることがあるのか

A. 再発行制度は、出願人の過誤(error)を訂正するためのものであり、その過誤が、それにより特許の全部または一部が実施不能(inoperative)または無効(invalid)となるようものである場合に、訂正が認められます。クレームが狭すぎるという理由でクレームの拡大が許されることも有りますが、その場合、原特許発行から2年以内に申請する必要があります。また、クレームを拡張する場合、その他にも幾つか注意事項が有りますが、それについては、次のQ&Aに譲りますので、そちらをご覧下さい。

訂正の対象としては、クレームのみならず、明細書本文や図面を訂正することも可能です。また、優先権の主張の欠落や誤りを修正することも出来ます。

再発行を申請する際には、既に発行されている特許が、その特許に含まれてしまった詐欺的意図のない特定の過誤により、全体的あるいは部分的に「効力/効果が無い(inoperative)」あるいは「無効である(invalid)」ことを述べる宣誓書を提出しなければなりません。

審査過程においては、上記の過誤だけがチェックされるのではなく、全クレームが全ての特許要件について改めて審査されます。従って、上記の過誤以外の欠陥を審査官に指摘されて拒絶され、有効な回答ができず、結局、再発行特許を受けることができないこともあり得ます。

Q. 本来、発明に不要な要件を米国特許のクレームに記載してしまったため、その必須でない要件を外して発明を実施している第三者に対して侵害差し止めを請求出来ない。米国で、特許後に上記の不要な要件を外す補正をすることは出来ないか?

A. 不要な要件を外すということは、クレームを「拡大」することになりますが、そのような場合、再発行制度(Broadening Reissue)(35 U.S.C. 251)を利用してクレームの拡大することが可能です。(再審査(Reexamination)では、クレームを拡大する補正は不可。)クレームを拡大する再発行については、以下の点に注意することが必要です。

(1)通常の再発行は、特許存続期間中であれば、いつでも可能だが、クレームを拡大する再発行は、原特許発行から2年以内に申請する必要がある(35 U.S.C. 251, MPEP 1412.03)。

(2)審査段階において、特許を取得するために放棄された発明の主題(surrendered subject matter)を再取得(recapture)することは許されない(MPEP 1412.02)。即ち、再発行によりクレームから削除しようとしている主題が、審査段階において拒絶を克服するために、補正によりクレームに導入されたもの、若しくは発明の重要な特徴として主張されたものである場合、これを再発行によって削除することは許されない

(3)特許クレームに変更(ここでいう「変更」とは、減縮、拡張等のクレームの権利範囲を実質的に変更するものをいう。クレームの権利範囲に影響を及ぼさないものは含まない。)を加えた場合、変更前の元の特許クレームは初めから存在しなかったものとみなされる(一方、再発行において変更されずに残ったクレームについては、原特許に基づく権利が有効に維持される)。また、再発行の後の変更されたクレームについては、特許権者は、再発行の後になされた第三者の行為に対してのみ、損害賠償や差止めを請求することができる。しかも、この場合の特許権の行使は、第三者のintervening rightによって制約を受ける("intervening right"は「中用権」と訳されることが多いが、日本の特許法における「中用権」、即ち、日本の特許法第80条に規定される通常実施権とは、意味が異なる)。詳しくは、「米国における特許訂正の効力について」の項を参照されたい。

Q. 米国でパテントトロールとおぼしき会社に特許侵害訴訟を提起された。訴訟が提起されたのは、パテントトロールに好んで利用されることで有名なテキサス州東地区裁判所である。この管轄について、他の管轄への移転を請求することはできるのか?

A. テキサス州東地区裁判所は、パテントトロールの聖地のような裁判所であり、特許権者に対して有利な判決を出す傾向が極めて顕著であることで有名な裁判所です。この裁判所では、特許侵害訴訟における原告(特許権者)の勝訴率が、80%にも及ぶと言われています。

この管轄について、他の管轄への移転を申立てることができ、一定の要件を満たせば、この申立てが認められることがあります。移転の申立てを認めるか否かは、以下の様な「私益」及び「公益」の要因の観点から検証を行う多因子テストによって判断されます。

「私益」の要因: (1) 証明情報源へのアクセスの容易さ、(2) 証人出廷を実現するための強制的な手続が可能か否か、(3) 証人が自発的に出廷するための費用、(4)事実審の容易化、迅速化、費用低減、その他のあらゆる実際的な事項。

「公益」の要因: (1) 裁判所における訴訟の集中による管理上の問題、(2) その地で決定される地方特有の争点に存在する利益、(3) 法廷地と事件に適用される法の親和性、(4) 抵触法または外国法の適用に関する不必要な問題の回避。

但し、上記の申立てが認められるのは、当事者双方がテキサス州東地区において一切事業活動していないなど、他の管轄に移さないことが職権の濫用であることが明らかであるような場合でないと難しいようです。

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